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読書記録18『まちづくりの仕事ガイドブック』饗庭伸ほか -都市を学ぶ学生の将来とは‐

都市関係の本3冊目は、お仕事に関する本です。

この本では、まちづくりに関わる63つの仕事を分野ごとに見開きでまとめています。

その分野で新しく起業した人のインタビューも掲載しているため、仕事の様子が想像できます。

興味のあった仕事

63つの仕事の中で「何でもノート」にメモしたものをまとめます。自分の興味の範囲が見えてきたらいいなと思います。

5つの分野ごとに紹介します。

①コミュニティとともにプロジェクトを起こす

○エリアマネジメント
不動産やまちづくり会社で、一定のエリアのマネジメント事業を行う。
大丸有地区や、大都市の駅前など。
○アートコーディネーター
アート(文化)×まちづくりを推進し、地方都市などは交流人口増大を目指す。
瀬戸内国際芸術祭や、○○トリエンナーレの開催など。
向いている人→キャッチャー型(すべてを受け入れる人間)
二枚舌で正面にはネクタイ・背中にはTシャツを着れる人

➁まちの設計・デザイン

○ランドスケープデザイン事務所
生活とそれを包み込む関係を調整していく仕事。
基底には「庭園」の存在があり、まちを一つの小宇宙としてとらえデザインする。「関係性」を生み出す。
◇番外編 「HAGISO」と「Fabcafe」
本書には各分野の最後に、起業人へのインタビューが掲載されている。デザインセクションで紹介されていた取り組みが興味深かった。

「HAGISO」東京・谷中にあるカフェ、ギャラリー、ホテル、事務所を複合した施設。木造アパート「萩荘」が解体されることをきっかけに、解体企画を訂正し改修計画、再利用など運営に乗り出す。

「Fabcafe」東京・渋谷ほか海外にも店舗があるカフェ。”プロクリエイターやものづくりが趣味の人が一緒にものづくりをできる”をコンセプトとしている。クリエイティブな街のハブとしての役割を目指す。

③土地・建物を生かすビジネス

○鉄道会社
「住んでもらえる、選んでもらえる」沿線まちづくりを目指して、鉄道会社の一員として開発に携わる。ハード面ソフト面両方からアプローチすることができる。
○リノベーション
リノベーションを専門として建築や不動産をプロデュースする会社など。既存の建物の価値を見極め、市場のニーズを分析する力が求められる。

➃まちづくりを支える調査・計画タント

○都市計画・まちづくりコンサルタント
通称まちコンは、都市の空間づくりに関わる仕事全般を指す。
計画系・事業系・ワークショップ系に大別できる。いずれの職種でもコミュニケーション能力、地域の価値を見抜く力、課題認識力、発想力が求められる。
○大学教員・研究者
研究者として現場で研究したのち、見識や地域特性を見抜いた学術論文を執筆し博士号を取得する。その後助教授、准教授、教授と職階を上がっていく。または、民間企業に就職してから大学での教育経験をもち、博士号を取得して大学教員に移籍する。
○編集者
新聞、雑誌、書籍、フリーペーパーを通して目に見えない価値を伝えることを担う。まちづくりの領域では、発信したいものを分かりやすく可視化する能力が求められる。
情報の「収集」「加工」「発信」を基本プロセスとして完成物を伝える。この本も編集者の仕事があってこそ、読者に伝わっている。

⑤制度と支援の仕組みをつくる

○国土交通省
国家公務員として、ゼロベースから新たな法律、法規制の改正を行う。ルール作りから物事を考える特殊な立ち位置といえる。
○都道府県職員
例えば東京都では技術職の土木職と建築職がまちづくりに関わる。地方自治体の予算を用いた大スケール事業を行い、現場の最前線で技術をふるうことができる。
○支援財団
アメリカでは1万人を超す「プログラムオフィサー」の日本版。国内ではあまり認知度が高くないが、どの事業を支援するか調査、割り振りを決定する。スペシャリストであると同時にジェネラリストであることが求められる。

まちづくりに関する仕事をみた感想

以上、5分野からだるまの目に留まった仕事を簡単に紹介しました。

一番興味を持ったのは編集者です。というのも、本やことばが好きだから。実際にまちづくりに携わって都市空間を創造したいのではないのではないか、とさえ思ってきました。

どうも、だるまが将来ここに書かれているような職種に就いていることが想像できないのです。

これからまだまだ学ぶ時間はたっぷりあるので、興味のアンテナを狭めず、基礎事項の復習をしっかりしていきたいと思います。

かしこ


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