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愛着が湧くから知ろうとする?!

▼大学生からの質問
愛着が湧くから知ろうとする?!
講義前半の話題である「知ることで安心できる」というのは実際仕事を探して就職する上で必須だと思うし共感できたが、「深く知ると愛着に変わる」というのは全く共感できず、一般論として主張するには主観が強すぎるように思えた。深く知るから愛着が湧くのではなく、愛着があるから深く知ろうとするのではないだろうか、と個人的には思った。


「深く知るから愛着が湧くのではなく、愛着があるから深く知ろうとする」
確かにその通りだと思います。
深く知ったからといって、必ずしも愛着に変わるかどうかは分からないと、僕も思います。
もしかしたら、愛着ではなく、憎しみが深くなることもありえるかもしれませんね。

ただ、僕の経験では、深く知ることで愛着が湧いたという事例もあります。
たとえば、こんな事例です。

①あまり好きじゃなかった人とじっくり話をする機会があり、その人の生い立ちや想いを聞いて、その人のことをすごく好きになったこと。

②感じの悪い人だなと思っていた人がいた。でも他の人がその人の頑張りや、その人が一所懸命に努力していることを教えてくれた。また別の人からも、その人の良い面をたくさん聞いた。その人のことを尊敬するようになった。

こういうことも、結構あると思います。
また、ちょっと角度は違いますが、触れる回数(出会う回数)が増えると人間は無意識にその人に好感を感じるようになるという研究結果もあります。それはこんな実験です。

ある大学で、数百人が収容できる大教室の授業を数ヶ月間実施した最後に、受講し続けてきた学生たちにアンケートを取ったそうです。そのアンケートとは、中々の美人女性たちの写真を数枚見せて、この中でどの女性が一番好みかどうかを聞く、と言うアンケートだったそうです。女性の好みはもちろん千差万別です。誰が美人かそうでないかも、人によって価値観は違います。
でもそのアンケートでは、ほとんどの人が同じ女性を選んだのだそうです。

さて、実はその選ばれた女性は、この数百人の大教室で開催される授業に毎回参加していたんだそうです。
その女性は外部の機関の協力を得て参加してもらっていたので、その学校の生徒ではなかった。
だから、みんなその女性のことは知らなかったそうです。
そして、ほとんどの生徒がその女性も、他の写真の女性も「知らない」「見たことない」と答えていたそうです。
だから、誰もその女性が授業を受けていたなんて思ってない。毎回の授業で、あるいは数回の授業の際に、視界のどこかに映っていた、程度のことです。
この調査から推測されることは、人は視界に入る頻度によって人に好感が湧くということ。つまり、何度も会っていると、人は相手に好感を持つということです。
愛着が湧くと深く知りたくなることは事実です。
ただ、愛着が湧くのを待っているだけでなく、会う回数を増やしてみたり、あるいは深く知ろうとしてみたりすることが、愛着へとつながる可能性を少し高めてくれることもまた、事実です。
色々と試してみると面白いかもしれませんね。


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