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千と千尋の神隠しから学ぶ、ピンチを乗り切る最大の武器とは?

こんにちは!
ドラマティック・マネジメントの森憲一です。

今日は「千と千尋の神隠し」!
宮崎駿です!
日本歴代興行収入ランキング、ダントツの1位です!
観客動員数は2350万人!!!
スゴい映画ですねー。

僕も大好きな映画で、多分30回以上は観たと思います。
そして、何度観ても泣ける!

主人公の千尋が、映画の中でどんどん成長していく。
ドジでグズだった千尋が、わずかな時間で、見違えるように成長するわけです。
でもホントに、千尋の成長っぷりはマジでスゴい!
人ってこんなに変われるんだ!
って、驚かされる。
一体何が、千尋を成長させたのか?
千尋が、あんな困難な状況を乗り越えることができた理由は何だったのか?

そこで、今日のテーマこちら!

「千と千尋の神隠しに学ぶ!ピンチを乗り越えるための最大の武器とは!!!」

です!

それでは早速始めて参りましょう!!!

さて、なぜ、千尋は成長したのか?
僕の勝手な想像だと、おにぎり効果!なんじゃないかと思う。
オニギリ効果?!
何じゃそりゃーって感じですが…
ちょっと説明しましょう!

千尋が迷い込んでしまった、摩訶不思議な世界。
不思議な少年「ハク」とか、蜘蛛みたいに何本もの手を持つ釜爺とか、湯屋で働く従業員「リン」とか、色んな人の助けを借りて、何とか生き残った千尋が、ハクに案内されて、豚にされちゃった両親に会いにいくシーンがあるわけ。

豚にされちゃった両親を見て落ち込む千尋に、ハクがおにぎりをあげるんだよね。
千尋は「お腹空いてない」っていうんだけど、
ハクは、「千尋の元気が出るようにまじないをかけて作ったんだ」
って言って、千尋に食べさせるわけ。

そうしたら千尋は、おにぎりを食べながら大粒の涙を流して、泣き出しちゃう。
ワンワン泣いてるんだけど、それでもバクバクとおにぎりを食べ切っちゃうわけ。
結構な量だよ!おにぎりもめちゃくちゃでかいし。
でも、食べ切っちゃう。泣きながら!

ここ!
ここに大きなポイントがあるんじゃないかなーって、僕は思う。

まずね。
おにぎり食べる前に、ハクが千尋に、この世界に来たばっかりの時に着てた洋服を渡すんだけど、「これ、ちゃんと取っておきなね、現実の世界に戻る時に必要なんだから」って感じで。
その時に千尋がね、洋服の中に、多分ポケットかなんかに入ってたんだと思うんだけど、引っ越す時に、友達からもらったカードを見つけるわけ。で、そのカードには、千尋ちゃんへって、自分の名前が書いてある。それでね、そのカードに書かれてる自分の名前を見て、千尋が、こんな風に言うわけ。

千: これ、お別れにもらったカード。ちひろ?……千尋って……私の名だわ!

そしたらハクが、

ハク: 湯婆婆は相手の名を奪って支配するんだ。いつもは千でいて、本当の名前はしっかり隠しておくんだよ。

千: 私、もう取られかけてた。千になりかけてたもん。

ハク: 名を奪われると、帰り道が分からなくなるんだよ。私はどうしても思い出せないんだ。
千: ハクの本当の名前?

ハク: でも不思議だね。千尋のことは覚えていた。
お食べ、ご飯を食べてなかったろ?

って言って、おにぎりを渡すわけ。

このシーンが、千尋が変わる、いや、変わるっていうか、元々持ってた、純粋で無垢な、子供の心を取り戻すって言う感じかなー。
まぁ、とにかく、このおにぎりを食べた千尋は、感情が溢れ出すわけです。
大泣きするっていうのは、感情が溢れ出すってことだからね。
千尋って、冒頭の登場シーンからずっと、無表情で感情を無くしちゃってるみたいな感じだったから、湯婆婆に名前を取られて、つまり千尋から千にされちゃったことで、ますます感情を、つまり自分自身を見失いそうになってたんじゃないかなーって、僕は思うわけ。

名前を奪われて、支配されるってことは、感情を失って、歯車として、コマとして働き続ける、労働マシーンになっちゃうってことと同じなんじゃないかなーって、僕は思うわけです。

これって、現代社会で生きてる僕たちと同じだよね!
名前を奪われて、主任とか部長とか社長とかそういう役割名で生きてて、自分自身を見失って、歯車みたいに生きてる!みたいな感じも、何となく似てるように感じる。

だから!
元気になるまじないって、千尋が、自分自身を取り戻すためのおまじないだったんじゃないかなーって思うわけ。自分自身を取り戻す、つまり、千尋が、っていうか子供たちが、かな、元々持ってる純粋で無垢な感情を取り戻すおまじないをかけたオニギリを食べた千尋は、そこから自分自身を取り戻して、様々な困難を乗り越えていく。

オニギリが、と言うか、ハクが千尋自身を取り戻してくれたおかげで、千尋は千尋らしさを、つまり純粋で無垢な千尋らしさを生かせるようになった。…と思うわけです。

でもね。
それだけじゃ、千尋がこの後、湯婆婆をも恐れずに大活躍する要因にはならない。
じゃ、一体何が、様々な困難を乗り越えていく千尋を突き動かしていたのか?!

その答えは、釜爺のこのセリフにあるんじゃないかなと思う。

「愛だよ、愛❤️」

そう!!!
愛!!!

一番は、ハクへの愛。
自分を救ってくれたハクを、今度は自分が助けたい!
そうなんです!!!

ここが、一番大きなポイント!!!

誰かのために!!!

自分のためじゃなく、誰かのために!!!

これが、人間の潜在力を最大限に引き出すんだよ!!!
ってことを、千尋は教えてくれてるんじゃないかなーって思うわけです。

ちなみに、誰かのために!は、ハクだけじゃない。

雨に濡れて寂しそうに外にいたカオナシを湯屋の中に入れてあげたり、外に出たら病気になっちゃうぞ!って言って閉じ込められていた坊を外に連れて行ってあげたり、カオナシに飲み込まれてしまった従業員を助けてあげたり、とにかく、千尋は相手に偏見を持たないで、誰にでも思いやりを持って接するわけ。

つまり常に、誰かのために!で行動してるわけです。
これは別にね、意識的に、じゃなくて、自然と、そんなふうに「誰かのために」なるように行動してるわけ、千尋は。
スゴいよね!
っていうか、宮崎監督は、子供ってそれくらいのチカラを持ってるんだよー!って言いたいんじゃないかなーって思う、僕はね。

でね、そんな風に誰かのために行動すればするほど、千尋の行動に「迷い」がなくなっていく。勇気とか意志とか、そう言うものがどんどん強くなっていくように見えるわけです。

誰かのために行動すればするほど、潜在的なチカラが溢れ出してきて、どんどん成長して、たくましくなっていったんじゃないかなーって僕は思うわけ。

それでね、グズとかドジとか、人間臭い!とか言われて、従業員のみんなからも嫌われてた千尋が、最後にはみんなから応援される人に変わっちゃうわけ。

スゴくない?誰かのために!パワー。スゴいよね。
成長スピード、ハンパないもんね!

さて、ここでちょっとカオナシについて考えてみたいと思うんだけど、
カオナシって、千尋と真逆だって僕は思う。

カオナシって、元々は喋れない。
相手の欲望を利用して誘い込んで、相手を取り込んで、相手の声を使って喋るだけ。
お金とか物で相手の気を引いて、自分の声じゃなく、誰かの声で喋る。
つまり、自分の意思で、自分の言葉で、相手と向き合えない存在、それがカオナシなんじゃないかなーって、僕は思うわけ。

だから、ホントはものすごく寂しい。
寂しいんだけど、どうしたらいいか分からない。

でね、千尋は、こんな風に言うわけ。

「あの人、湯屋にいるからいけないの」

湯屋にいるからいけない…
じゃあ、湯屋って一体何の象徴なのか?

これもあくまでも僕の勝手な想像だけど、湯屋って、現代社会の象徴なんじゃないかなーって思うわけ。
自分を失くして、歯車のように働く従業員たち。
自分の意思を持って、自分の言葉で語って、誰かや何かのために、純粋に生きようとしてる千尋とは真逆の世界、それが「湯屋」なんじゃないかなーって思うわけ。
千尋の両親だって同じ、っていうか僕たちだって同じような世界で生きてる。
だから、お金さえ払えばいいでしょ?!って勝手に食べちゃって、豚にされちゃったんじゃないかな。
自分の意思を、ちゃんと持って生きてる?
自分の言葉で語ってる?
誰かのために!って生きてる?

僕たちだって、ある意味でカオナシと同じなんじゃないかなー
っていうか、誰の中にもカオナシっているんじゃないかなーって思うわけです。

だから、あの人、湯屋にいるからいけないって、千尋は思ったんじゃないかなー。
そう、あんな場所にいたら、もっともっと寂しくなっちゃって、自分を見失っちゃうって、千尋は思ったんじゃないかなー。
でね、電車に乗って銭婆のところに行くんだけど、その電車にはやっぱり顔なしと同じような人が乗ってる。つまり言葉を失くして、顔もなくして、存在すら薄ーくなっちゃってる人たちが乗ったり降りたりしてくる。現代社会で、迷ってる人間たち的な感じかなー。
で、銭婆が住んでる所は、ひっそりとした森の中で、銭婆は静かに糸を紡いで生きてる。欲望とは無縁の場所っていう感じかなー。銭婆って名前なのに、お金とは無縁の場所みたいに見えるんだけど、カオナシはそこにいると穏やかで、リラックスしてる。

欲望にまみれた世界から、静かで平穏な世界へ行く列車。乗り降りする迷えるカオナシ的人間たち。
ちゃんと生きてますか?
自分のためだけじゃなくて、誰かのために生きてますか?って言われてるような、そんな気がしたわけです。

さて、最後に、僕がこの映画で感じた5つの教訓をご紹介しますね。

一つ目!
①自分の意思を持って生きること

二つ目!
②自分の言葉で語ること

三つ目!
③欲望に心を奪われないこと

四つ目!
④純粋で無垢な気持ちを忘れないこと

最後、五つ目!
⑤誰かのために生きること

以上です!

いやー!千と千尋の神隠し、ホント素晴らしい映画ですねー。
ぜひ、何度も見て欲しいと思います。

それではまた!
ドラマティック・マネジメントの森憲一でした!