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マーケティングの本

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マーケティングに関する記事まとめ
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2019年7月の記事一覧

あこがれの存在から身内の関係に変わったブランディング戦略:ファンベース

前回紹介したPURPOSEはおもに企業の内側の視点でしたが、今回紹介する本は外側=ユーザー(ファン)に向けてのことが書かれた本です。 どちらの本も共通しているのはブランディングという考え方に対して「好きになる仕組みや仕掛け」をつくることで、「便利だから買う」「性能が優れているからこっちにする」といった合理的な判断ではない人間の感情を大切にしていることだと思います。 ファンベース 佐藤尚之 ちくま新書 2018.02 これまで多くの本を読んできた経験上、新書系の本(文庫本

家族は前向きに崩壊している。

若者を研究することで、未来の潮流を掴む。 僕が所属する若者研究部では「若者から未来をデザインする」と掲げ、定期的に学生たちと未来予測のワークショップを開催している。 学生たちから提出される「次に来る○○の形」という1枚レポート(通称:ツギクル)を起点にディスカッションを行い、最終的に「次に来る○○の形は××だ」と一言で表現するワークショップだ。 今日は「次に来る家族の形」についての話。 ■家族の拡張が止まらないまず、学生たちから提出されたツギクルから印象的だっ

分解と統合(「ニュータイプの時代」/山口周) | きのう、なに読んだ?

山口周さんの新著「ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式」を、ダイヤモンド社市川さんからお送りいただき、読んでいた。ベストセラーになっているそうだ。 本書の内容はAmazonのページに詳しく書いてあるので、ここでは触れない。山口周さんは私の好きなタイプのインテリで、文体、論の運び、根拠となる古典や最新の研究の出し方など、山口周スタイルを楽しみながら読み進めた。一方、読みながら気になったことがひとつある。本書の構造だ。本書のカバーの見返しにあった図表を見てほ

中川政七商店のビジョンファースト経営について

こんにちは、中川政七商店 取締役の緒方(@notmegumi)です。 最近ありがたいことに「中川政七商店はビジョン経営がうまくいっている会社」という認知が増えてきているようで、このあたりについて色々な方にご質問いただくこともあり「大枠を整理すると弊社の構造はこうです」というのを書いておくことにしました。 ※なお、この内容は7月に私が登壇したDIGIDAY BRAND LEADERSの内容を元に一部を引いたり足したりしています 基本的にはトップに貼り付けた図で話はほぼ完結し

VERYの「見出し」をまとめ続けて”気づいた”こと

なぜ私たちは「VERY」に惹かれるのか? 子供がいなくても誌面を飾る洋服が買えなくても、何故だかVERYは読んでしまう。そんな女性って少なくないはずです。読む価値を安定品質で提供している雑誌。 言うなれば、時代を牽引する”圧倒的存在感”を放つ女性誌。 レガシーメディアで、表現の打ち手が限られている雑誌において、どんな時でも輝いてみえるのはなぜなのでしょう…。 最所さんもたくさんVERYについて発信されていて、この多角的に分析されていますが、個人的にすごいなーーと感じてい

noteをより豊かな街にするために。徳力基彦×最所あさみ×加藤貞顕×深津貴之

7月1日、ブロガーの徳力基彦さん、リテイル・フューチャリストの最所あさみさんがnoteプロデューサーに就任しました! お二人は、これまでどんなことをやってきて、これからどんなことをやろうとしているのか。ピースオブケイクCEO加藤貞顕とCXO深津貴之とともに、インターネットで書くこと、noteが目指す世界について語りました。 インターネットで書き続け、コミュニティを運営してきた二人加藤 noteを「街」として盛り上げていくために、インターネットでの発信により自身のキャリアを築

『横石崇さん卓話』東京代官山ロータリークラブに参加してメモしてきた。

自己紹介2.0ワークショップに参加した

自己紹介難しくないですか? 一言で言うと自分はiOSエンジニアで・・・・みたいな、肩書を言う感じでで結局何?ということが伝わらないなと思っていました。 今回社内の自己紹介2.0という本を元にした、新しい自己紹介を考えてみようというワークショップに参加して考えたことを忘れないうちにまとめようと思いました。 ちなみに今回のワークショップを受けて、完成した自己紹介がこちら はじめまして まりーなと申します。 私はこれから、「年齢に左右されず働ける」時代が来ると考えています。

コンテンツを4つに分類すると

最近、映画や海外ドラマや漫画を楽しむ時間が大幅に減っています。子ども中心の生活になってる影響も大きいんですが、ちょっと意識する様になった考え方があって。 そのコンテンツと自分との関係性は大きく4つに分類出来る気がして。本当はもっと細かくあるんですけど、代表的なものは「分かるし、好き」「分かるが、嫌い」「分からないけど、好き」「分からないし、嫌い」の4つ。 まず、コンテンツを見た時に「分かるかどうか」がありますよね。これは内容の難しさとか、自分の中に引き出しがあるかどうかに

3ヶ月後を計画して今日を過ごす

働いてると一定のクォーター(4分の1のこと)で物事を見る。なので1年は4つのクォーターで分けられている。うちの場合、7月に期初なので7−9月、10-12月、01-03月、04−06月である。ちょうど、夏→秋→冬→春くらい。 大抵は期初に1年間の計画をたてる。どのくらいの出ていくお金があり、それに対してどれくらい粗利を出していくか。この期初のところ、結構どんぶり勘定になる。だって1年後の今なんて想像つける方が難しい。なのであくまで希望的観測。そこいかないとマジダサいぞ俺、くら

noteの課金機能は、お金を簡単に稼ぎたい人のためのものではなくて、ファンがいるのに食えなかった人のために生まれたという歴史

昨日、私がnoteについて、加藤さん、深津さん、最所さんと対談した記事が公開されましたが。 この記事の後半で、軽く触れている私のnoteに対する「誤解」について、この機会に詳しく書いておきたいと思います。 私がnoteについて誤解していたのは、大きく2点あります。 ■1. noteは課金システムで儲けるためのプラットフォーム? ■2. noteは特別な「クリエイター」のためのプラットフォーム? まず、今日は一つ目の課金システムの誤解について、書いておきたいと思います。