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メルカリ、BASE、楽天。なぜ有力企業のライブコマースサービスは終了したのか?

株式会社NEW ORDER の代表取締役をやっております森です。
弊社はライブコマース2.0というビジョンを掲げ、プラットフォーム「NAIIV」を鋭意開発中のスタートアップ企業です。
今回の投稿はボリュームあるので脱線せずにいきます!

日本で流行しないライブコマース

僕は昨2020年の10月に起業を決意するにあたり中国に住んでいた時に自分が体験したライブコマースを日本で流行らせたいという漠然とした思いがありました。
日本のライブコマースの元年は2017年とされており、前々回の投稿で触れたように中国とスタートはそんなに変わりません。多くの企業がライブコマースサービスを初めては2020年までに終了しています。
実は、僕、これらのサービスが始まったことも終わったことも存じ上げておらず、愕然としました。(自分の情報収集力の無さにも)

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メルカリチャンネル 
サービス開始:2017年7月6日 サービス終了:2019年7月8日
BASEライブ
サービス開始:2017年9月20日 サービス終了:2020年3月31日
Laffy (DeNA)
サービス開始:2017年4月7日 サービス終了:2020年3月31日
昨今では、楽天ライブも今年4月30日で終了、Yahoo!ショッピングは終了のお知らせを昨年の5月に出したものの、その後なんとなしに続いてはいるとの情報があります。

なぜ失敗したのか?4つの原因

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購入数の少なさ
・人口が1/10違うのでそもそもEコマースで購入をする絶対数が異なる
➡︎中国のEコマース市場は日本の13倍、小売市場は日本の3倍弱。
・お客(購入者)が集まらない
ライブコマースで買う動機が中国ほど無い
➡︎前々回の私のnoteにて中国人の購買者がなぜライブコマースを利用しているか書きましたのでお読みくだい。

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演者がいない
・ライブコマースを配信したいという演者がいない
ライブコマースで収益を上げられない
・ノウハウがない
YouTuberは敬遠(既存のファンが逃げる)
➡︎これはとあるYouTuberの方にお聞きしましたが、その方の採算が立ち始めたのはチャンネル登録数が8万人を超えてからというお話です。採算ラインを超えてしまうと敢えて新しいことをやらずYouTubeを主戦場にするのが賢明なのだそうです。

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実は僕が中国のゲーム会社にいた2016年の時分、ヒカキンさんにゲームのプロモーションをお願いしたことがあります。おそらく2015年あたりがYouTuberの方々は採算が立っていった頃かと思いますが、それは2011年にヒカキンさん達が「お金なんか関係なしに面白そうだからやるんだ!」「世界に表現を届けたい!」という熱量でYouTuberを始めたからこそ、プラットフォームが盛り上がり、後続のYouTuber たちが生まれていったのだと思います。
2017年当時の日本のライブコマースのシーンにはこのような熱さは存在しませんでした。

企業側の問題
・ライブコマースで収益を上げた実績がない
・ノウハウがない
Amazon 楽天で十分
➡︎特にAmazonの検品は結構厳しいと聞いており、出品時にも偽物が出回らないようブランド登録などの制度が充実していますし、日本の主要通販サイトに対しての顧客満足度は中国よりすごく高い印象です。

意識の問題
・中国で流行ってるものをただやれば良いという安易な発想
・弊社のような視点の会社が無い (投資家様向け資料からの抜粋なのでご勘弁を)

購買者のライブコマースの認知度・利用度の低さとテレビショッピング

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ライブコマースの動向整理 2020年6月  三菱UFJ リサーチ&コンサルティング社調べ
日常生活してて「Amazonでポチった」とか友人同士の会話で見ますが「ライブコマースで買った!」って話は僕は聞いたことないです。僕自身も過去1度買ったことがあるくらいです。
日本では比較的類するサービスとして「テレビショッピング」「通販番組」の存在があると思います。

年間5820億円(2018年データ)は確かに大きな数字ですが、独身の日1日で12兆円を売り上げる中国のライブコマースと比較しますと見劣りします。
日本のテレビショッピングが以下の理由により、ターゲットと商材が限られている狭い市場だと考えます。

・放送時間:お昼 or 深夜
・放送枠:BS/CSの30分枠、地上波5分枠
・商材:今そこにある危機を克服できるもの(ex 肥満、抜け毛、病いがち、疲れ、老化 etc)
・訴求:煽りと割引
・演者:芸能人(初めて体験する)+メーカーor広告主(詳しい)+司会者
・購買層:インターネットにあまり接触時間の多くない壮年以降の層

中国と日本のライブコマースの違いまとめ

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偽物が多いからとか、フィードバックを早く求めるせっかちな国民性とかそういう日本文化との違いはどうしようもないというか、ある意味ライブコマースは中国の事情と国民性にマッチした最適解なのに対し、日本は(今のところ)最適解ではない、というのが僕の結論です。

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またこのように中国はライブコマースのバリューチェーンが確立しており巨大産業化してます。

Amazon Liveがアメリカ本国で展開されてますが

こういう記事もありますが、実際、米国のプライム時間でAmazon ライブを覗いても

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この方の視聴者数は16人でした。もちろんピンキリで

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こちらの2人は2200人の同時視聴されてたりします。家電、ガジェット・ゲーム系、ジュエリーなどが多いですが、まだまだAmazon Liveがアメリカで流行るかはわからないですし、これが日本にやってくるかも正直わかりません。
僕はでも、Amazon Liveが米国で成功を収めて日本でも展開をする、というのが一番自然な流れかと思ってます。

NEW ORDERのライブコマース2.0はなんなのか?

ライブコマース1.0は「従来の物を売るためのもの」だとします。これは日本のITベンチャーがみんな失敗したもの、中国では大成功してるもの、アメリカではAmazonが成功させるかどうかわからないものです。
そこに生まれたばかりのスタートアップであるNEW ORDERが挑んでいくのはアリが象に戦争を仕掛けるようなものです。
次回以降は僕の会社NEW ORDERがどうして生まれたのか、ライブコマース2.0とはなんなのか?をご説明させて頂けますと嬉しいです。
僕はこのライブコマース2.0を日本で成功させ世界に展開したいという思いを投資家の方にお伝えし、3ヶ月で3000万円の出資をエンジェルラウンドとして頂くことが出来ました。

今回もお付き合い頂きありがとうございました!次回もよろしくお願いします。

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