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我が青春の愛読書『総合世界史図表』

「我が青春のアルカディア」という映画版ハーロックのタイトルの語呂感が好きで、よく使いがちな私ですが、40年間、未だに私の本棚にて、持ち続けている本があります。

ノストラダムスの大予言世代として、恐怖の大王が降ってくる世紀末を、どう生き残るかという中二病を刺激してくれた2大バイブル「風の谷のナウシカ」と「AKIRA」です。


「AKIRA」は当時のもので、黄色のコーティングがすっかり抜けていますが、「風の谷のナウシカ」は再度購入しなおしたもので、ピカっています。

そして、もう一つが愛読書故に、愛蔵書とは言えないほどに、ボロボロになっている第一学習社の『総合世界史図表』です。

1972年生れの私と同年代ならご存じな方も多いと思います。
あ、これを本とカッコつけて言いましたが、世界史の副教材の図表です。中学生の多感な時期に学校で配られた教材の一つです。

国語の授業など、あまり心が乗らない、今の言葉であがらない時に、この図表をずっと開いていました。
それはたぶん窓から校庭を眺めるよりも、多い時間だったと思います。

我が青春のビザンティン帝国の地図

特にどこに魅入られていたのかというと、一番は地図です。
一例をあげるなら、ビザンティン帝国(今はビザンツ帝国か)の領土の変遷などは、たまりません。

十字軍に首都コンスタンティノープルを陥落されたあとも、アナトリア半島の沿岸部などで、ひっそり命脈を保つ感じにロマンを感じていました。

十字軍とヴェネツィアの行為を見て、小市民の私には何の権力も無いのに、謎の義憤にかられたりしました。
これは判官びいきなのか、がんばれベアーズの精神なのか、ふと気が付くと弱体化しだしたビザンティン帝国のファンになっていました。

一方で、図表の醍醐味である地図。
このビザンティン帝国の領域を表す緑の太線が小刻みに食い込んでいるところや、領域が明確でない部分にはざっくりと大胆な曲線を使っているところなどに、謎の美しさを感じていました。

あと、各ページにかる年表も脳内を整理するのにはかなり良いです。
が、私的には、巻末にある家系図などは妄想をスタートさせるには十分なスイッチでした。中国の宋の系図など、簒奪された?皇統が元に戻る点がロマンです。

嗚呼、我が青春の現実回帰

中学時代は図表がボロボロになるぐらいに、授業中に眺めていました。

しかし、我が青春の妄想と現実には、いつしか乖離が起こりまして、高校での選択科目は迷うことなく日本史を取ることになります。

あまりに図表を見過ぎた結果、私は「世界史って、何かややこしいな」と、イギリスとか神聖ローマ帝国の家系図とか、簡単には覚えらないという判断に至りました。

そう、まだ徳川将軍の15人ぐらいなら覚えれそうということに行き着きました。ただし、綱吉の後と吉宗の後が未だに怪しいのですけど。

でも、あの頃に感じた衝撃は、AKIRAやナウシカと同じものだったのか、40年前の図表を未だに捨てずに置いています。

最近、ふと最新のものが見てみたくなり、山川の「世界史総合図録」を購入しました。
山川では、また地図のテイストが違い、表記もビザンツ帝国ですが、嗚呼それもまた良い。

そして、いつか自分なりに、自分の好きなものに関する図表を作ってみたいなあと、今でも思ってます(笑)



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