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「偏り」や「異なり」を愛せる教育者でありたい

金曜日のお風呂あがり。冷たいハイボールがおいしい。

一週間が終わった疲労や、安堵感や、反省などいろいろな気持ちが入り混じる時間。なんとなく筆が走りそうな気がしたので、パソコンに向かってみています。

タイトルは、「偏り」や「異なり」を愛せる教育者でありたいと大層に書いてみました。昨日・今日あったことが自分の気持ちに向き合うきっかけになったので、その気持ちを整理する感じの内容になりそうです。

新しいスクール運営が始まった

4月から福岡市城南区で「CAN!Pラボ」という小学校高学年を対象としたアフタースクールの運営が始まった。

個性豊かな11名。どの子も才能に溢れている。

新スクールのコンセプトは、自己選択・自己決定ができる人材を育てていくこと。聞こえはいいが、簡単ではない道のりが待っている。

CAN!Pラボ初日

元々自分の専門分野だった基礎学力養成に加えて、探究的な学びの実践にもチャレンジ。探究のツールとして、生徒全員にIpadを1台ずつ貸与してオンラインでのやり取りも始めていたりする。

毎回が試行錯誤の連続で、うまくいかないことのほうが正直多い。「うまくいかないことを楽しむことが大事」と自分に言い聞かせている。

そんな中、今日のスクールでは、ある子たちが全体で進行するプログラムを私語や悪ふざけで遮ってしまう場面があった。真面目に取り組もうと話を聞こうとする子の姿や声も当然視界に入っていた。

結局今日は予定していたことができずに時間がきて終わってしまった。全体のことを考えると、場を乱す子たちをなんとかして予定通りの進行をすることもできた。でも、できなかった。

「どうしてできなかったのか」

これをずっと考えていて、1つはっきりしたのは、自分自身がその子たちの優れた能力や才能を感じていて、その力を持つ子を大人が認めてあげないといけないという想いがあるのだと気づいた。全体にはうまくなじまないのかもしれない、一種の「偏り」や「異なり」といったものだ。

息子の子育て経験、そして今

少し話はそれるが、僕には現在小3になる息子がいる。小さい頃から本当に育てにくい子で、過去もそして今もずっと関わり方に悩まされることが多い。

小さい頃に軽度の広範性発達障害の診断を受けていて、日常はあまり気にもとめていないが、ときどきその片鱗をのぞかせる。まさに「偏り」が強い典型的な子だと思う。

没頭したら自分の世界から抜け出せず人の話は聞いていない。トラブルが起きた時の原因はいつも他責。今したいことが最優先で、しないといけないことはいつも後回し。最近は極度の潔癖まで。

この「偏り」が自分自身にはないものであり、理解を越えてしまうことがある。

昨日の晩、息子がはまっている「マインクラフト」のワールドを説明してくれる時間があった。どうやら数日かけて毎日1時間ずつ没頭して作ったものらしい。実際に見てみて驚いた。

作成した世界のありとあらゆる空間の把握、工夫、アイデアの着想、イメージしたものを具現化するスピード、どれもこれも僕自身の能力を圧倒的に超えていると認めざるをえなかった。

そして、自分がどう考えて、どう作ったのかを理路整然と話してくれた。

「偏り」というのはすさまじい力を発揮するのだと息子を通して実感した。小さい頃から薄々感じてはいたが、「不特定多数」の中で埋もれてしまう個性や能力が、特定の分野では強烈な光を放つ可能性を秘めているのだと思う。

息子のことを親として教育者として、もっともっと理解しようとしないといけないと痛感した出来事だった。

教育者としてどうありたいのか

子どもたちと接していると、いつも立ち戻るのは「自分自身がどうありたいのか」という問いだ。

自分の一方的な価値観を押し付けたり、大人が決めたルールで縛って抑圧するようなことはしたくない。そんなものはすぐに時代遅れになるし、そんな場からは次の才能は生まれないと思うからだ。

どの子も一人ひとりいいものを持っていると信じているし、それを見つけて引き出してあげるのが大人の役割だと思っている。

その才能を「偏り」や「異なり」と表現するのであれば、一人ひとりが持っているそれらをまずは愛してあげること。ここはぶれずに持っておきたい。

これからの社会を変えていく力は、大勢の中で同じ意見を発する多数派ではなく、偏ったなかから生まれる少数の熱狂な気がしている。

息子たちも含めて、自分が関わる子どもたちには「私はこれが好きで好きでたまらない」という熱狂を形にする経験をしてほしい。


「偏り」や「異なり」を愛す。いい学び・気づきを子どもたちから得た数日でした。

書き終わったのでハイボールを飲み干して寝ます。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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