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どんつく♪( 'ω' و(و"どんつく₍₍ (ง ˘ω˘ )ว ⁾⁾徒歩一分₍₍ ◝('ω'◝) ⁾⁾ な伊豆稲取神社旅【一人旅③-後編】

【二日目】

昨日しっかりと温泉に浸かって足をほぐしたはずなのに、癒やしの温泉パワーをものともしない疲労感で脚が棒のようです。完全に筋肉痛で、ひざから下が全然曲がりません。端的に言えば柔軟性がない。それでも歩くしかないのが身体一つの旅人だ。

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とりあえず昨日まったく見物できなかった稲取の町並みを歩いてみる。まずは雛の館へ。名物のお雛様とつるし雛がこれでもかと展示してあってすごい迫力。グッズが可愛いです。

次はあれだけ見たがっていた海(実はもうこの時あんまり海に興味を示していない。私の女心はかなり規則正しく秋の空の様相を呈する。)を見に、海岸線を歩く。

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廃墟かぁ……

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やっぱなあ……伊豆って廃墟だよなあ……(謎の先入観)

廃墟ホテルのすぐ近くを歩くのはやっぱり怖い。私は廃墟好きな人間ですが、あくまで遠くから眺めたり写真を見たりするのが好きなのであって、近くを歩くのは普通に怖い。単純にホラー映画がだめだからです。この、割れたガラス扉から兎の着ぐるみが飛び出して来たり、ほらほらあの黒電話(黒くない)が今にも鳴ったりするんじゃないかと思うともう嫌です。自分の手が届くところにある廃墟は苦手です。

廃墟だらけの海岸線を歩くとすぐ行き止まりになって、ほんとにこの道がホテルのためだけにあった道なのだということが分かる。つまり今は誰も使わない道です。ショッギョムッジョ。引き返して次の目的地へ。

こういう、いい意味でなにもない、ぶらぶらすること自体に趣がある町に来たときに私が必ず行くところは、神社である。神社にはその町が表れると言っていい。こじんまりしてる割には手入れがよかったり、氏子さんの名前がずらりと刻まれた灯籠があったりすると、それだけでにっこりしてしまう。神様が愛されてるのを、いいなあと思ってしまう性癖があるのである。

灯台があるところ、つまり岬に、どんつく神社と龍宮神社というふたつの神社があるらしいので、行ってみる。龍宮神社をつい「たつみやじんじゃ」と読んでしまうのは『島民』……ファフナーファンの悪い癖である。「りゅうぐうじんじゃ」だよねたぶん。港町の神社っぽくてとてもよい。

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地図上では平面に見えても、実はそこに行くまでの上りと下りを繰り返す坂がかなりつらい。稲取の道つらい。こんなにアップダウンあるとか聞いてない。既にふくらはぎがだいぶ棒すぎて踏ん張ってくれない。踊り子号ゆるさnありがとう。

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ハァハァ、へぇ、これがどんつく神社ですかハァハァ。……ん?

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アッ…………(察し)

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たいへんお有り難いお形をしていらっしゃってあそばせおられるます。

本当はこの写真を記事のサムネにしようと思ったのですがサムネにモザイクをかけるわけにもいかないのでやめました。

テレビでは見たことありますが、男根を御神体としている神社と実際に出会ったのは初めてです。これが噂に聞く各地に存在するという男根御神体……! 「ていうかどんつく神社って名前そのまんまやん……」という盛大に年頃の娘らしくないツッコミが思わず独り言として溢れてしまいますが、周りに誰もいないので問題ありません。

そのまま見晴らしのいい岬を歩いていると、いきなりラジオっぽい音質の音楽が流れてきて一瞬ビビります。何奴! もしや地元の方が携帯ラジオを聞きながら付近を散歩しており、それすなわち、男根御神体を興味深げに眺める妙齢の女性の姿も見られてしまっていたとでもいうのでしょうか。

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音楽を奏でていたのはこの記念碑でした。人感センサーで人が近づくと「愛恋岬」という歌が流れるらしいです。びっくりさせやがって。

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岬公園の木々の間から時折見える海も美しいです。あれは大島かな?

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龍宮神社。ちなみに竜宮島でおなじみファフナーに出てくる神社は、竜宮神社ではなく鈴村神社です。

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龍宮神社から下ったところに鳥居が見えます。どうやら龍宮神社の正面玄関はここらしいです。海岸からすぐのところに入り口があるのは流石ですね。全国各地の龍神様向けの物件紹介サイトにはアクセス★★★★★《最寄り海から徒歩1分》と書いてあるのでしょう。ていうか私は神社の裏側から来てしまったんですね。このアングルの写真、映画のワンシーンみたいですごく気に入っています。

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港に近い稲取の町風景はこんな感じ。この写真の、防波堤の内側の一段低い部分が車道から20cmくらい高かったので、何も考えずに一段上がってそこを歩いていたら、いつのまにか道路から1mくらい高くなっていて、(たぶん道路の方が段々下がっていってる。写真奥の終端が道路より1mくらい高い部分です)降りるのに苦労しました。若い姉ちゃんがえっちらおっちら腰が引けながら防波堤を降りてるところを2人くらいの住民に見られました。知らない道ってこわい。こういう細かいどうでもいい経験をしながら、旅人は危なそうなところを勘で避けられるようになっていくのでしょう。都会の小娘がひとつタフになりました。

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駅の近くでお昼ご飯を頂きます。温泉地の最寄り駅に多い(私調べ)、地元のお母さんが一人でやっていらっしゃって内装小物が可愛くて意外なメニュー(焼きそばなど)が美味しい、お母さんカフェです。旅行先のカフェってガチャですよね。店主さんは気さくな方なのか、ご飯はおいしいのか、地元のお客さんは静かな人たちなのか、など。私はこのカフェガチャが毎回楽しみです。

足の疲れも残っている為、今回はお昼を食べてすぐに帰りました。帰りももちろん踊り子号に乗りましたが、いつまた隠しコマンドが発動するかの如く知らない駅に連れていかれるのかと思い、ひやひやしました。


この旅は私をもう一つ自由な段階に引き上げてくれました。

途中で旅程を投げ捨ててもいい。

行程が上手くいかなくても、時間を大幅にロスしても、それでいいし、なんなら得することもある。それが旅のいいところですよね。

踊り子号が全席指定席となった今、私のように隠しコマンド終点駅である修善寺に連れていかれる人は確実に減ったはずですが、天城越えを余儀なくされ新しい発見をする旅人も減ったのかと思うと、少し寂しい。そんな振り返り旅行記でした。

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