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森と海のグラデーションや〜!と調子に乗る三崎口の旅【一人旅①】

どうして一人旅をするのか。私が旅に出たいと思ったときに一緒に行ってくれる人がいないからだ。私の旅衝動は、頻繁ではないものの突然訪れる。火曜日の会議中。水曜日の帰宅中。金曜日の布団の中。あっ行きたい、と思ったら行かなければ気が済まない。誰かを誘っている暇も予定を調整している暇もない。今週末、明日、できれば今すぐ、行きたいのだ。これはそういうひどく我儘で衝動的で何の変哲も特別感も面白みもない旅のメモである。


『神奈川県 三崎口』

衝動旅を始めた最初期に訪れたのは神奈川の三浦半島である。理由は京急の三崎まぐろきっぷが発売されていたから。夏は海に行かなければならないと思ったから。調べてみると京急で行くとなんかわからんがとにかく早く着く。三浦半島ってもっと遠くなかったか? その速さが楽しそうだったので日帰りで行けるなと思った。まだこのときは一人旅ホテル一泊に金を使う気分ではなかった、とも言う。とにかく一人旅初心者に三浦はとても都合がよかった。

下調べをする暇もなく着いた。マジで京急は早い。バスに乗って早速最大のワクワクポイント小網代の森入口へ向かう! 東京のすぐ近くに森と湿地と干潟と海を一緒くたに楽しめる森があるというのだ!

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当時の私のメモ∶森と海のグラデーションや〜!

結果マジでめっちゃグラデーションだった。最初はめっちゃ木が生えてこんもりしてるんだけど歩くにつれ段々と海端のような植物が増えていき、草木の背が低くなっていく。

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この間わずか数十分。そして最後は干潟でカニさんを見ることができる。これは感動した。東京近郊にこんな場所があったとは! 旅初心者の私をガチで感動させたのは三崎口だったのです。実は今でも『小網代』の漢字の読み方に自信がない。たぶん合ってるとは思うが楽しかったわりに読み方には自信がない。私の旅はそういう旅である。

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ウェミダー!

森の出口からバスに乗り、城ヶ島へ。城ヶ島はちっちゃいので歩いて一周できる。城ヶ島で刺身定食を食べ、灯台を目指す。

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馬鹿と煙はというが私も例に漏れずそういうところが好き。ロープウェイすぐ乗るし灯台もタワーも即登ります。……この灯台夕方に高校生カップルいそう。(偏見)

島の外周をウォーキング。途中でかの有名な『馬の背洞門』を目撃。

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これ、テレビでみたことあるやつー! あなた、馬の背洞門って言うのね! ここにあったんか! 本来旅とは見たことも聞いたこともない知らない場所を発見していくものだと思っていた。けれど現代の私達にとって旅とは、いつかどこかで見たことある名も知らない風景が突然目の前に現れる現象なのかもしれない。いわゆるデジャブに近い現象。少し気持ち悪い。この気持ち悪さが、のちのち、私の癖になっていく。

城ヶ島の外周を歩くと、ときどき島の中心に向かう明らかに入ってはいけなさそうな道を見かける。

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私有地っぽいな……なんだろう……と思いながらすげーアウェイな雰囲気まんまんなのでスルーした。ほんとは入って行ってみたかった。入って行った先は実は大麻の密栽培してて目撃者は丁重なもてなしを受けそう。(クッソ失礼な偏見)

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ひたすら夏の日差しを浴びながら外周を歩く。このころはまだ若かったので体力めっちゃあった。

本島と繋がる橋まで戻ってきたら城ヶ島一周は終わり。

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パリピが橋のたもとでBBQをしているので、北原白秋の記念碑の写真だけ撮ってそそくさと離れる。北原白秋という知的特別感に、パリピから離れたい気持ちが勝った。というかパリピめ、北原白秋様のすぐ隣でわいわいBBQするとはけしからん。ポエムを詠め。カイシャクしてやる。今思えばこのころから十分に一人旅キチの素質がある行動をしている。

海を見ながら温泉に入りたかったので城ヶ島京急ホテルに向かう途中、観音様を見つける。

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すごい! 人間ってこういう場所に神様を置きたがるよね。いやすっごくいいと思う! わたしこういうの好き! 実際いると思うし。城ヶ島京急ホテルは海がめーーっちゃよく見える温泉で最高でした。現在は閉館しているらしい……うそやん……

これが写真が残っているものでは私の最初の一人旅。

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