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ゲシュタルト療法とカウンセリングの違い

ゲシュタルト療法の特徴的な違いは、セッション中の問題解決や変化を目的としないことです。

・問題解決をしない。
・変化を目的としない。

「えっ、悩みを解決したくて来たのに、解決してくれないのですか?」と思われるかもしれませんが

正確には、ゲシュタルトのファシリテータ(セラピスト)は、クライアントの問題を解決すること、答えを教えること、助言やアドバイスをする立場を取りません

壊れているなら直さない

クリスティン・プライス

というのは、私のゲシュタルト指導者であるクリスティン・プライスの言葉です。なかなか衝撃的ですね😮

じゃあ、直さないで何するの?
傾聴のようにただただ話を聞いてあげるのかな。
これは、単に話をしてスッキリするタイプのカウンセリングとも異なります。


ゲシュタルト療法の核心は、気づき


ゲシュタルト療法の鍵となるのは「今、この瞬間」への気づきです。
セッションで直面し、体験していることに気づくことが重要です。
私は今、何をしているのか。
私は今、何を見ているのか。
私は今、何を感じているのか。

この文章を読みながら、あなたは何を感じていますか?
呼吸は、どのようになっていますか?
少し、お腹や胸、鼻を息がどう通っているか観察してみましょう。

全く意識していなかったことに気づくでしょう!
これが、新鮮な気づきです!

私たちが、何か問題や、苦手な人・状況に出くわしたとき
一瞬で体が反応し、過去のパターンから反応が出ます。

「なぜ、あの人の前ではいつもこうなるんだろう?」
「なぜ、いつも、この状況になると怖くなるんだろう?」
といった疑問が生じます。

このなぜ?という原因を分析するのが以前の心理療法でした。
カウンセリングも過去の話をすることが多いかもしれません。

「なぜ?」という問いに対し、
「過去にこんな出来事があり、親からひどいことをされたため…」
というような回答が得られることもあります。
ただ、頭でわかっても問題は解決しないことが多いです。

カウンセリングと似て非なるアプローチ


ゲシュタルト療法では、「なぜ?」や「過去に何があったか」を追求するのではなく、「今、ここ」「どのように」対応しているかを探求します。

今ここで明らかに体験していることにコンタクト(触れる)ことを大事にします。

セッションの中でふと過去の出来事を思い出したら、それを今ここに持ってきて、目の前でまさにそこにいるように体験します。

ただ、過去と全く同じことを体験するわけではありません。
すでに、体は大きく大人になっている。そして周りにはセラピストもいます。

そして、今ここにいる場は、言葉の暴力や肉体的暴力がない、
安心できる安全な場所であることを信頼しながら
時間と空間を使って、ゆっくりとクライアントのペースに合わせて徐々に気づきを深め、体験に入っていきます。

そして、問題の状況の中で、自分が今ここで、何をどのようにしているのか、ということに気づいていく。

例えば、私たちは、困難な状況に直面すると、体が硬くなり、呼吸が止まる傾向があります。

自分が呼吸を止めていることに気づいたら、どのように呼吸を止めているかに注目します。
セッション中であれば、ざぶとん(エンプティチェア)を使用して、この状態を表現することができます。

首を絞めるように呼吸を止めているか、ぞうきんを強く絞るようにしているかなど、その人それぞれの方法があります。

呼吸を止めている具体的な方法に詳細に気づくことで、他の選択肢を探ることが可能になります。

違う方法ができるんじゃないか?
あるいは、頭で考えないで身体のプロセスに任せたら、必要な動きが出てくることもあります。

まとめ

今回はゲシュタルト療法と他の療法やカウンセリングとの違いについて考察しました。ゲシュタルト療法のアプローチが少しでも理解できたなら幸いです。

✅過去の原因分析や問題解決ではなく、現在(今ここ)の状況と「どのように」を重視。
✅話を単に話を聞くだけ、または頭で理解するだけではなく、実体験とコンタクト(身体的および内面的な気づき)に焦点を当てる。

最後までお読み頂き、ありがとうございました


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