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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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今夜誰のとなりで眠る

程よくネタバレ気にせずに記しているので、ネタバレに関してはご自身の判断でお願いいたします

わたし唯川恵さんの作品好きすぎるから読むたびに備忘録


この作品はとてつもなく女の狡さがある
結婚していても離婚していても、結婚していなくても若さと闘い老いに抗いながらも、常に女としての価値を見出したい

ここからはネタバレしちゃいます


秋生が死んだ
この秋生がすっごい自由人
だからこそ、魅入られる人と惹かれながらも反発する人もいる
みんな秋生にドストレートな発言を今も胸に抱いて

真以子

3年前に順也にプロポーズされたが断った後もそのままの関係
捨て猫を飼ってフリーで仕事をしている
順也が結婚して子供がもうすぐ生まれることを知り動揺しつつも関係はそのまま

捨て猫がいなくなり動揺したのかサバサバと割り切って都合のいい関係と割り切っていても、どこかで若い奥さんへの嫉妬で自宅を探したり無言電話したりする一面もある

協子の病院に付き添い、偶然にも順也の子どもを見て遭遇してしまう
その後奥さんに呼び出されるも自分はそこまで順也のことを理解出来ていなかったと気づき引っ越す

そこでまた捨て猫を見つける

じゅん子

2人の息子のパートのごくごく安売りをチェックする普通の主婦
次男の同級生のシングルファーザー谷山とひょんなことからお弁当を作るようになって、気付いたら抱きしめられて

一度タガが外れるとそこからの転落は早い
お昼休みの合瀬は休憩時間も過ぎてしまう
独身上司の女性に目を付けられて注意を受けてもお構いなし

旦那に浮気していると電話されての慎重にとなった時に、谷山が田舎に帰ると言われる
今女性として扱われている悦びを失いたくなくて猛反発するが、意志は変わらず

子どもも連れて田舎に来ないかの問いに答えられないのが答えだった

七恵

別れた旦那は既に別の奥さんと産まれたばかりの子どももいるが、旦那との子どもの面会等でやりとりはしていた

旦那の奥さんから逢いたいと言われ、今後も仲良くしていきたいと言われたが、暗に自分の知らないところで逢うのは気分が悪い、また今幸せなんですマウントにしか思えない

結婚して元に戻ろうと別れても元には戻れない
別れてから素直になった時に再び関係
それでも元さやに戻るつもりもない

どっちも都合のいい関係なのかな

協子

秋生が死んだときに一緒にいた
秋生の子どもを妊娠した

ずっとお嬢さま育ちで妊娠に戸惑うも、結局産む決意をする
驚く両親も受け入れつつも会社は容赦ない
未婚の妊婦へ出向の辞令

大学生時代に付き合って、それから他の人と付き合っても出来なかった
数十年ぶりに再会した秋生とはそんなの関係なかった

人生で一番最高の男と再会しただけだ

佑美

秋生の内縁の妻
お嬢さま育ちで親の言われるまま結婚するもDVに耐えかねて逃げ出して秋生と過ごしていた

それでも秋生とは何もなかった
秋生の兄、広宗と出逢い、自分の経緯を少しづつ話す
広宗も妻と子どもとの現実を話す

佑美の妹の理佳は奔放に生きていたが駆け落ちした佑美の旦那に恋心を抱いていた
離婚届を出していなかったが、両親にも手紙を書く決意をする

広宗は佑美に告白するも妻は別れてくれなかった
それもで佑美は良かった

相関図

真以子と協子は学生時代の友だち
七恵の旦那と秋生と友だち
じゅん子は佑美と同じカルチャースクールの職場のパート仲間
七恵はカルチャースクールの講師
協子の産婦人科の知り合いが順也の奥さん

全て秋生を通じてそれぞれ通じている

感想

真以子は順也への奥さんの意思の強さに敗北感
全てリセットしようと引っ越しをしてそこでまた捨て猫と出逢う希望

じゅん子は谷山を失うことに抗うも、そこには谷山への愛情ではなく自分への価値への執着だった

七恵は別れたからこそ、自由になれたのかな

協子は秋生の子どもを産むことでこれからの希望を見出している

佑美は広宗と不倫という形だとしても心安らぐ存在を手に入れた


それぞれ許されない事をしているのかもしれないけれど

この酸いも甘いも知る世界観がいい






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