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【映画レビュー③】

今週は3本の映画を観た。

1本目がフランス映画、2本目はスタジオジブリの作品、3本目は北野武の作品で以前から大好きな作品。

先週観た2作品はどちらも以前観た作品だったけれど、やはり初見の作品は入れていきたい。

1.『太陽がいっぱい』監督:ルネ・クレマン 1960年

フランス映画で、超イケメン俳優アラン・ドロンが主演。この映画で彼はスターの座を獲得する。

過去に『冒険者たち』という映画を観た事があるけど、すっかり忘れてしまっている‥。アラン・ドロンが出演している作品を観るのはそれ以来だけど、正真正銘のイケメンだと思う。顔が整い過ぎ。

『太陽がいっぱい』のDVDのジャケットを見る限り、爽やかな青春映画をイメージしていたけれど、よく見ると「太陽だけが知っている。完全犯罪の筈だった‥」と書かれている。


そう、この映画はサスペンスだ。ネタバレでも何でもないので言ってしまうが、主演であ?アラン・ドロンがある犯罪を犯す。バレないように別人物に成り済まそうとするが、刑事が嗅ぎつけてくるというストーリー。

日本のテレビドラマでいえば『古畑任三郎』シリーズも、犯人の犯行がオープニングで提示され、視聴者には犯人が誰なのか分かっている前提で話が進んでいく。その方式と同じだ。


パトリシア・ハイスミスという作家の小説が原作となっていて、『禁じられた遊び』のルネ・クレマンが監督している。初めてこの監督の作品に触れたけれど、最後のオチの演出にゾッとした、目処は付いていたけど少し怖かった。

観る前は、アラン・ドロンのアイドル映画的な作品なのかなと油断していたけど全くそんな作品ではなかった。インターネットや携帯電話のない時代のサスペンスだけど、結局は逃げ切れないなと思わされる。


2.『風立ちぬ』監督:宮崎駿 2013年

今更だけど、初めて観た。宮崎駿はこの作品を最後に監督を引退した事で話題となっていた。

2013年は就職に失敗してフリーターをしていた時期で病みまくっていたので、映画館に行く事すらしなかった。

映画に本格的にハマった翌年にはレンタルが開始したけれど、その時は海外の作品や日本のシュールな作品を中心に観ていたので、長らくスルーしていた。


初めて観た感想としては、凄く良かった。物語のあらすじ等、何も知らない状態で観たけど、最後まで没頭して観た。鑑賞後にネットで評判を見てみると、公開当初の評判はあまり良くなかったようだ。

主人公である堀越の声優がエヴァンゲリオンの監督の庵野秀明だという事に、まず驚いた。監督業の人が声優としてキャスティングされていた事に。笑

よくネットで議論されている"棒読み"問題だけど、今に始まった事ではないし、むしろそこが宮崎駿作品の特徴だと思っていたので違和感はなかった。

大正から昭和の時代、零戦の設計をする仕事に就く立場にある主人公という設定上、あれぐらい感情の起伏が無い方がしっくり来る。

大まかにあらすじを書こうと思ったけど、まだ観ていない人がもしかしたらいるかもしれないので書かない事にした。『千と千尋の神隠し』のように、山場があるかといえばそうではないので、そこら辺が評価に繋がったのだと思う。

このキャッチコピーの"生きねば"の真意がようやく分かった。当時これ、色んなパロディに利用されていたよね、レポートやりたくない大学生が"課題、やらねば"とか言って。笑


3.『キッズ・リターン』監督:北野武 1996年

北野武の監督作品で1番好きな作品を再鑑賞。彼の作品には彼自身が出演している事が多いが、この作品では若者2人が主演、北野武は監督に徹している。

高校の同級生のマサルとシンジはいつもつるんでいて、同い年だけどシンジがマサルの舎弟みたいな関係。仲は良くて、くだらない悪さばかりを繰り返しながら平凡な日々を過ごしている。

マサルがカツアゲした生徒の知り合いが仕返しに来てボコられる。そこでマサルは強くなろうとボクシングジムに通い始め、シンジもその流れで無理やり入会させられる。

だがマサルよりもシンジの方がセンスがあって、マサルは退会。シンジはメキメキと力を付けていく。その後2人の関係はしばらく疎遠になるが‥。という、あらすじは大体こんな感じ。

これが凄く良い。この画像にあるように、「これで終わったわけじゃないですよね」「まだ始まってもいねえよ」とこれは映画の最後のシーンだけど、弱者の胸を撃つ台詞だ。

僕は昨年に人生の転機が来て、また1からやり直す環境に陥った。自分で選んだ事だけど、不安はあるし、けど動かなければ何も変わらないまま時間だけが過ぎて行く事にも恐れた。

失敗を何度も繰り返している人生だけど、この作品を観ると勇気が湧いてくる。まだ始まってすらないじゃん!と言い放つ事で、無敵になれる。

不安なのは、この先どうなるか分からないから不安なわけだが、未来の事なんて誰にも分からないから、そんな事心配しても時間の無駄なんだと思う。やりたいからやる、失敗してもそれはそれで面白い。そう思うようにしている。

この映画は単に青春映画としても面白い。脇役の教師、生徒、ヤクザ達にもそれぞれドラマがある。配役も教師に森本レオ、ヤクザに石橋凌や寺島進(北野映画の常連)、カツアゲされた生徒役になんと宮藤官九郎、これは本当のチョイ役。

北野作品で他に好きなのは『その男、凶暴につき』『ソナチネ』とかバイオレンスな作品。あとは『菊次郎の夏』も好き。

『アウトレイジ』シリーズは1だけ観たけど集中して観てなかったのもあるし、ハマらなかったのかもしれない。もう一度観たいとは思っている。


週2本は映画を観るぞと決めた事が今のところ達成出来ている。小説も1作品読み終えた。いい調子。

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