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アンインストール 【掌編小説】

5回目に俺をインストールしたのは、
1回目に俺をインストールした人だった。
2回目に俺をアンインストールした人は、
8回も俺をアンインストールした。


1回目に俺がインストールされたのは、初めて君と過ごした冬だった。
2回目に俺がアンインストールされたのは、君と過ごした夏の途中だった。

5回目に俺がインストールされたのは、君が君の友達としたときだった。

君は、インストールとアンインストールを繰り返し、結局俺は君に8回インストールされ、8回アンインストールされた。

君が9回目のインストールをしようとした時、もう君を拒むつもりだった。

君はきっと9回目のアンインストールをするからだ。


要ると言われたり、要らないと言われたり。
好きと言われたり、嫌いと言われたり。

俺はもう疲れてしまった。

君が俺を初めてインストールした時、俺にはそれが最高のリアルだった。



俺は君にインストールされるのが何より嬉しくて、何度アンインストールされてもその痛みに耐えたけれど、もう9回目のアンインストールには耐えられそうにない。


理解できなくなったら受け入れなくなる、そんな君が好きだった。
理解できないものは拒絶する、そんな君が好きだった。

理解できないとアンインストールする、そんな君を嫌いになれなかった。




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