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ギャルになりたいアラサー(29)の戯言

まもなく30歳になろうとしているわたしの密かな夢は、ギャルになることだ。

中1の時に、popteenという雑誌を読み始めてからの夢なので、かれこれ16年くらい、思いつづけている。
かわいいいモデルさんたちや、心にグッときたフレーズを切り抜いて、ノートに貼ったりしていたなぁ。

もしチャンスがあるのなら、一晩だけでいいのでなってみたい。

長くくるっと巻かれ、明るく透き通った綺麗な色をした髪を、左手でかき上げたい。
その指先には、先が少し尖った、長めでカラフルな爪を備えておきたい。

お化粧も、派手にいきたい。
といっても、わたしが幼い頃とかに流行っていた、ヤマンバメイク?のようなメイクではない。

そうだなぁ。ジャンルで言えば、綺麗めなギャルメイクをしたい。
綺麗めといっても、まつ毛もモリモリに植えて、色の綺麗なカラコンを入れる。
いわゆる、外国人風、みたいな感じにしたい。

度ありのメガネと約25年間過ごしてきたわたしにとっては、コンタクトで過ごすのはかなり勇気がいることなので、なかなかハードルが高い。

度なしのカラコンを入れて、メガネつけておけばいいと言われるかもしれないけれど……。
メガネギャルって、みたことないもん。

やっぱり憧れは、ノーメガネなのだ。

そして一番大切な、肌の色。
海に映えるような、綺麗な小麦色の肌にしたい。

わたしの肌は、本当に白い。
真っ白すぎて、毛穴が目立つくらいに白い。
この白さが、コンプレックスなほどだ。

だから、肌は日焼けサロンでいい感じの色にしたい。
そして、肩とおへそがチラッと見えるような、爽やかな服を着たい。



どうしてわたしは、こんなにも長い間、ギャルになりたいと思い続けていたのか。
その理由が、最近わかった。

やはり、上に書いたように、容姿に憧れてきた部分もある。
ただ、いわゆる”真面目”という分類の中で生きてきたわたしは、顔のつくり的にもどうしても、フィットしなかった。

しかし、ギャルになりたいと思い続けていた一番の大きな理由は、そこではない。

わたしが見てきたギャルたちはみんな、キラキラしているのである。
わたしはこのキラキラに、長年憧れてきたのだった。

彼女たちの発するキラキラからは、いつも「自信」「」「幸福感」を感じる。(彼女たちが実際にこの3つを感じているかはわからないけれど……。でも表情から、そう感じる。)

これは、わたしの人生において大切にしていること・求めていることと、大きくリンクした。

愛は特に大切にしてきたが、自信だけはどうしても、いまだに持つことができない。
そこまでの努力が足りないということは自負しているが、なかなかこれには時間がかかりそうである。

愛と自信があれば、毎日の幸福度合いも、おのずと上がっていく気がする。

あくまでもこちらからの見立てによってしまうが、彼女たちは、そのすべてを持っているように思える。
人生における必要なものの、すべてを。

だから、すごい。
キラキラギャルって、本当にすごい。



キラキラって書いてみたけれど、キラキラしている人って、なにがキラキラしているんだろうか。

ネイルやヘアカラー、服装が、派手なのだろうか。
顔がとにかく、かわいいのだろうか。
声がキャピキャピしているのだろうか。

違う。まったく違う。
全然、しっくりこない。
わたしの思っているキラキラとは、違う。

わたしが思う、キラキラした人の共通点は、とにかく目がキラキラしているところだと思う。
もちろん、カラコンやアイシャドウによる、キラキラではない。

瞳の奥から、キラキラというよりか、爛々とした、熱い力を感じるのだ。
きっとこの熱い力には、「自信」「愛」「幸福感」の要素が詰まっているのだろう。

だから、キラキラした人と話すときはいつも緊張してしまう。
その瞳に見つめられると、薄っぺらい紙のようなわたしなんかは、あっという間に熱い力によって消されてしまいそうになる。

ちなみに、キラキラと、ギラギラは違う。
瞳の奥から感じるキラキラは、心から溢れ出る、その人自身の熱い想いが、どんどん上へ上へと込み上げ、目から溢れ出ているのだと思う。

ギラギラは、瞳の奥から発されているわけではない。
表面上そう見えるだけ。

光っているように見えるのは、きっと罠だ。

なんだろう、例えるとするなら……。
美味しい条件を提示して勧誘してくる、怖い詐欺集団のかけてくる罠のような。

……これは例えになってないか。
でもこういう、目先のものをその場しのぎで、小手先で処理している、利益重視の人が発する、少し卑しいものから発される光なのだと思う。

だから、キラキラとギラギラは、大きく違う。



こう考えると、キラキラした人になる方法は、ギャルになる以外もあるようだ。

なにかに一生懸命トライしている姿は、もうそれだけで、いくつになっても老若男女を問わず美しく、キラキラしている。

仕事や家事育児、勉強など、ここには書ききれないほどのタスクを、みんなそれぞれの場所で、それぞれの努力で、日々こなしている。

その中には、他人からは想像もできないほどに大変なことも、たくさんあるだろう。
それでもみんな、前を向き、進んでいく。

ギャルでなくても、老若男女問わず、キラキラしている人は、この世界にたくさんいるのだ。

……そうか。
わたしもなにかに一生懸命になってみれば、キラキラできるのかもしれない。

その一生懸命になれるなにかを、キラキラしている人の隣で、探していきたい。



……でもやっぱり、ギャルになってキラキラしてみたいな。
心から溢れるキラキラと、わたしの憧れる、なってみたい容姿がリンクするのは、やっぱりギャルみたいだ。

もしギャルになれる日が来るのなら、ついでに夫もギャル男にしちゃって、一緒に夜の渋谷に繰り出して、テキーラのショットをコールを浴びながらたくさん飲んで、夜を明かしてみたい。

でも、そうなった場合これだけは誓う。
決して、人に迷惑をかけないギャルになる。

それがギャルになる掟のように、テレビで活躍しているギャルたちの姿を見て、感じている。



今3歳の娘が、もしギャルになったら。ギャルマインドを持ったら。

少しでいいから、毎日どんなふうに感じて、どんなふうに過ごしているのか、話を聞かせてほしいなぁ。

そもそも、その頃にもギャル文化はあるのかなぁ。

もしこの先もギャル文化があるのなら、生まれ変わったら、夫と2人でギャルになろうっと。

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