早く大人になりたかった私はどこへいったの?
中高校生のときずっと「早く大人になりたい」と思ってた。
浅い話が苦手で、ドラマ・芸能人・クラスの恋愛事情なんかにこれっぽっちも興味を持てなかった私はただにこーっとするだけ。相槌すら億劫で「そんなんだー」「へー」を繰り返していた。
私がしたい話は将来の夢や好きなもののきっかけや、犬派?猫派?それはなぜ?だったり哲学のような、当時の年齢からすると少し踏み込みすぎて、考えすぎな話題であったと思う。
将来の夢について語り合うことは好きだった。
「こんな夢があってね、そのために今これを頑張っているの」
わずかながらに話せる友人とよく、そんな話をしていた。
そういった話ができる人の思考がどうやってできあがっていったのか知るのが好きで、その人の思想や考えを「なぜ?」とよく聞いていたと思う。
だから、私は早く大人になりたかった。
働いて自立して、仕事に生きたかった。
年齢にしては大人びているよね
大人っぽいね
いろんな人に言われてきた。
母や祖父母などの身内から、友人の親達や近所の人なんかも、年齢より下に見られたことは今までで一度もない。
常に同年代の先を見ていたんだと思う
見すぎていたんだと思う
だから私はバカすることを知らない。
少しの羽目の外し方も分からない。
みんなが遊んでいる時、私はその時間の少しを勉強に費やした。その分のほんの少しだけ頭は良かった。
そして遊ぶ代わりに本を読んだ。絵本、雑学漫画、伝記に小説。「そんな内容を中学生が読むの?」みたいな重たい内容の小説も読んだ。
友達がいなかった訳じゃない。
いじめられたりしたこともあったけれど、それでも友達はいた。部活にも所属していた。
ただ、いや、“だから”かもしれない。
周りの子達は私にとって幼く見えた。
いつも遊び回って、ゲームばかりして、生産性が無いし非効率で、何が楽しいのかさっぱり分からない。
同世代たちより、ずっと先を見ていたはずなのに、
どうして私は普通の道に進めないんだろうと不安の波が永遠と押し寄せてくる。
だから大人になりたかった私はどこへ行ってしまったんだろうと不安になる。今は大人になんてなりたくない。いや、なれない気がしてくる。正社員として働いて、そうでなくても自分で稼いで生活している同年代を尊敬する。どうしてそんなことできるんだろう。
私はもう、大人になることが怖いよ。
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