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自分 #2

電車に乗るのはいつぶりだろうか

コロナ騒動以降
移動はほぼ 自転車とバスばかり

いちばん隅っこを陣取る

空いている時間帯を選んだのだけど
座席はそれなりに埋まっている

見渡す限り マスクをしていない人はいない

「渡る世間は不審者ばかり」

でも今は
この不審者仕様が常識になった不思議…


ゆっくりと走り出した
景色が移動していく

電車通勤していた頃に
見慣れた景色の筈なのに
懐かしい故郷の景色を見ているようだ

でも 窓の外を眺めているのはわたしくらいで
皆一様に 手元のスマホに目を落としている

ふとTwitterの住人たちがズラリ
目の前に座っている錯覚をして可笑しかった

ねぇ…そのスマホの中には
そんなに夢中になる何かが入っているの?

若者たちのファッションにも目がいく
皆一様にペラペラのナイロンみたいなパンツ

ねぇ…暑くない?そのナイロン


  大きなお世話だ

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窓から見上げる青い空と
真っ白な入道雲を見ていたら
突如 長い夢から醒めた気がした

  他人のことより自分に集中しろ

Twitterで
たくさんのエールを送っているつもりでも
「おまえがな!」ってきっと返されることだろう

毎日溢れるたくさんの情報を
わくわく楽しんでいるつもりでいて

わたしにはない…その体力
わたしにはない…その家族

突如現れる ねじ曲がった感情


病気になって大切なことに気付かされた
なんて言う人がいるけど

病気なんてすべて奪っていくだけ…


駅の階段の途中で足が動かなくて息が上がり
「大丈夫ですか?」と他人に心配される自分がいて

下りの階段は更に困難を極め
手すりを触れないことも絶望的で
一段ずつしか降りられない自分がいて

ほんの半日出掛けただけで
体重が2㌔も落ちてしまう体力の自分がいて

お肉が無限に無理だから
体力つけなきゃと買った「餃子の満洲」
3つ食べたらリバースしてしまう自分がいて

我が子でもない子を勝手に身近に感じて
つい厳しい目で見て勝手に悲しくなったり
距離感が大事なんて言いつつ
いつも距離感を間違える自分がいて

幼少期のトラウマを解消どころか
折り合いをつけることも和解さえ出来ないまま もがき続けている自分がいて

「事実は小説より奇なり」
そんな人生でも小説の主人公ではないから
美しく死んでいくこともなく
朝が来て夜が来て
ただそれだけの人生を生き伸びている
それが自分…

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そういえば心療内科を変わった

今度の病院は
待合室で他人と目を合わさない配慮がしてある
先生はまだ40代くらいか…

問診票を見ながらバチバチとパソコンに入力している
キーの打ち方がやけに強い
いるよねw たまに…


「死にたいと思うことは?」

「希死念慮」なんて
念慮する必要のないくらい
もうずいぶんと長いこと身近にカジュアルにありすぎて答えに迷う


コロナで たくさんの元気だった人々が
突然亡くなった

リスク高過ぎなハズのわたしは
今日も生き延びている

要不要で振り分ければ不要側の人間なのに

  何も出来ない罪悪感

そうやってなんとなく生き延びるように
なんとなくで死んでいくのだと思う

病院の窓から外の景色を眺めながら
「早く街中を歩きたい」 と思っていた

あの頃から何が変わったのだろう

痛みからは解放されたけれど
体力は格段に無くなった

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けれど わたしは今
心地良い風を感じながら 街中を歩いている




#日記 #コラム #エッセイ #心 #メンタル #自分 #生きる #SNS #ひとりごと #いま私にできること

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