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「全国最中図鑑」82 岩村城最中 (岐阜県恵那市)

岐阜県恵那市にある岩村城という城をご存知だろうか。日本三大山城の一つに数えられ、戦国の世に翻弄されながら領民を守るために必死で生きた「女城主の城」の逸話で知られる城だ。その逸話とはーー
織田信長の叔母にあたる「おつや」は、信長の戦略により岩村城主の遠山景任(かげとう)に嫁いだ。だが景任は若くして病死し、息子はまだ幼かったため、おつやは城主となって城下をおさめ、善政を敷いた。しかしのちに、信長と敵対する信玄の配下・秋山虎繁が岩村城を攻撃してくる。おつやは自らも武装して戦ったが、多勢に無勢で苦戦を強いられる。城は落ちずとも城下の被害は甚大で、おつやは心を痛めていた。この時秋山から、自分の妻になれば家臣や領民の命を助けるという条件を出され、悩んだ末苦渋の決断をし、城を開けて秋山の妻になった。
だがその2年後、織田・徳川両軍に城は包囲され、秋山は降伏。おつやは夫と共に処刑された。後世、自らを顧みず城と領民を守ったおつやの逸話は広く言い伝えられ、岩村は「女城主の里」と呼ばれるようになったーー。
この逸話をモチーフにして、城下町本通りにある老舗の和菓子店「かめや菓子補」が売り出したのが「岩村城最中」。地元の岩村醸造が製造する米と米麹のみの甘酒と、自家製の白あん、それに味噌を加えた、深い味わいのもなかだ。

かめや菓子補
恵那市岩村町291

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日本を代表する和菓子の一つである「最中」。香ばしいパリパリの皮とともに餡を頬張れば、口の中にふわっと広がる品のよい甘さ。なんとも幸せな気分になるお菓子です。編集スタッフが取材の途中で出会った最中のなかで、ユニークで忘れることのできないご当地最中を紹介していきます。

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