【日本全国写真紀行】20 三重県亀山市
三重県亀山市
「さびしき城下町」という別称をもつ六万石の城下町
江戸時代、11代126年間続いた石川氏の城下町として歴史を重ねた亀山。天正十八年に築城された亀山城は三層の天守閣をもち、その優雅な姿が蝶の舞に似ていたことから粉蝶城とも呼ばれていた。多聞櫓や石垣の一部がわずかながら今も残っている。
譜代大名六万石の城下町であった亀山だが、“市中はまったくにぎわいなし”と伝えられている。宿の規模が小さいこともあるが、それよりもこの宿が徳川将軍の宿泊所として使われていたことが大きく影響している。亀山は城下町でありながら幕府直轄領だったため、多くの大名たちは、その堅苦しさを嫌がり、参勤交代でも亀山宿を避けたらしい。“さびしき城下”と表現されることもあり、東海道の宿駅としては不思議な来歴をもつ宿である。
※『ノスタルジック・ジャパン 東海道五十三次写真紀行』産業編集センター/刊より一部抜粋
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