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「全国最中図鑑」54 伊予路真珠もなか(愛媛県宇和島市)

1893年に御木本幸吉が半円真珠の養殖に成功して以来、日本の養殖真珠の中心地は三重県と長崎県だった。だが1960年代に宇和海で養殖が始まってからは、またたく間に愛媛県での養殖が盛んになり、74年以降、愛媛は日本一の生産地となった。現在も全国の真珠生産量の約40%を占めている。
中でも、宇和島市から愛南町に広がる宇和海は、その代表的な養殖地となっている。元々宇和海には黒潮が流れ込む温暖で良質な漁場があり、天然のアコヤ貝が数多く生息していたこともその要因だったといわれる。
そんな宇和海の真珠貝をモチーフにしたのが、吉弘菓子舗の「伊予路真珠もなか」。アコヤ貝の形をした皮には「うわじま」の文字と養殖筏がデザインされ、包装紙を開くとほのかに磯の香りがする。これは、中の白あんに青のりを練り合わせているため。ちょっと緑色がかったあんが珍しく、甘さも程よくてペロリと平らげられる。

吉弘菓子舗
宇和島市本町追手1-3-22


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日本を代表する和菓子の一つである「最中」。香ばしいパリパリの皮とともに餡を頬張れば、口の中にふわっと広がる品のよい甘さ。なんとも幸せな気分になるお菓子です。編集スタッフが取材の途中で出会った最中のなかで、ユニークで忘れることのできないご当地最中を紹介していきます。

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