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4皿目 ハマると抜け出せない―カレー屋ロック|元気の出るカツカレー

取材で日本全国を飛び回っている編集チームの一員・T郎が、旅先で食べたカツカレーをゆるーく紹介していきます。ご当地ものや地元の名物というわけではありませんが、いつも頼んでしまうのがカツカレー。旅先で食べるカツカレーは、旅の開放感が背中を押す「ちょっとした贅沢」であり、旅の続きを楽しむための活力の源なのです。

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ハマると抜け出せない

山口県はかつては長州藩があった地域。長府藩や岩国藩も山口です。歴史もあり、瀬戸内海と日本海に面し、陸続きの本州はもちろん、四国や九州、朝鮮半島とも長く深い交流を持つなど、取材のネタには事欠かない地域なのです。
この日は、午前中に重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)にも指定されている柳井の町並みを撮影し、山陽小野田市の厚狭の取材に向かう途中で、昼食となりました。厚狭は、古くから交通の要衝として栄えた市場町です。


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柳井の町並みは、白壁と金魚ちょうちんが目印

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昔話に出てくる「三年寝太郎」は厚狭のお話なのです。写真は寝太郎権現堂。


迷わず目指したのは、かつカレーが文字通り「看板メニュー」になっている専門店「カレー屋ロック」。ちょうどお昼にこのあたりを通過するだろうと、カレーの美味しそうなお店を事前に調べておいたのです。


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国道190号沿いにあるお店の屋根には「おすすめ かつカレー」の文字が。


お店のロゴのカタカナの一部が音符になっていたので予想はしていましたが、店内には常にロックミュージックが流れていて、壁には所せましとロックのポスターが貼られています。店名からして、コンセプトがシンプルでまっすぐ、わかりやすい。
そして「カレーだけで勝負してやるぜ!」という姿勢がもうロックですよね。

……でもメニューを見ると、意外にもオムカレー、焼きカレー、牛すじカレー、ハンバーグ、トッピングにはチーズやソーセージとバラエティは豊かです。デザートやモーニングメニューもありサービスも満点。

そうです。別にトガって攻撃的でストイックなだけがロックじゃないのです。ロックンロール、ヘヴィメタ、グランジ、パンクと、ロックの幅は広く懐は深いのです。メニューが多くて当然なのです。

たしかに、店内のポスターもストーンズ、ラモーンズ、ピストルズ、ボブディラン、カートコバーンといろいろでした。どれも懐かしい。家で眠っているあの曲、あのアルバムを久々に聞きたいな……

などと考えているうちに、かつカレーが到着しました。かなり大きめのお皿に、平たく盛り付けられたご飯。カツはお皿に負けないくらいの大きさで、ご飯を隠してしまっています。ロックです。ルーの色は黒と言っていいほど濃いめで、生クリームの白さがアクセントになっています。見た目(ファッション)に気を使うあたりもロックです。


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かつカレーは900円。


特徴的なルーだけをまず口に入れてみると、濃厚で甘い、という第一印象のあとに、ピリッとした辛さがやってきます。甘口、中辛、辛口のうち、頼んだのは中辛。「ロック」なだけに、刺激的な辛さを覚悟していたのですが、これなら辛口でもいけそうです。
濃い見た目とコクのある味からか、デミグラスソースを連想させる甘みと深みがあります。欧風カレーと言えるのかもしれません。
カツは食べやすい厚さに仕上げてあり、スプーンでも切れるほどのやわらかさ。揚げたてのサクサクでこちらも文句なし。
らっきょうや福神漬けが自分で好きなだけ盛り付けられるようになっているのもうれしいポイントです。
全体としてかなりボリュームがあったはずなのですが、ペロリと完食しました。個人的には好みの味で、近くにあったら絶対再訪しちゃいます。

というわけで、Rockだらけのお店のカレーは、トガって見えるけど実はやさしい、一度ハマるとやみつきになる、とてもロックな味なのでした。


カレー屋ロック
山口県山陽小野田市西高泊594-1
0836-84-2369

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