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Facebookからmonopoへ。メディア企業とクリエイティブ企業で見えてきた広告の奥深さ

メンバーひとりひとりの個性や強みを引き出し、掛け合わせる「Independent, Together」というカルチャースローガンを掲げているクリエイティブエージェンシー『monopo』。
今まであまり表には出てこなかったメンバーそれぞれのバックボーンや仕事観を、インタビュー形式で紹介する企画を連載しています。
第6回目に登場するのは、営業とプロジェクトマネージャーの二足の草鞋で活躍する石橋麻里奈。
新卒でシンガポールのFacebook(現:Meta)に入社後、インターンでの経験が忘れられなかったmonopoに転職した彼女に、海外で学んだ人生の楽しみ方や、アイデンティティを武器にした仕事の展望、メディア企業とクリエイティブ企業での経験から見えてきた広告の奥深さについて聞きました。

Profile
石橋麻里奈
Account Executive/ Producer/ Project manager
1996年 東京生まれ。
2019年、Facebook社にてInstagramを中心とした広告プロダクト営業を担当。2021年にmonopo入社後は主に海外ブランドの日本国内/グローバルキャンペーンの営業/プロジェクト進行を行っている。

シンガポールでの生活で学んだ〝人生の楽しみ方〟

―石橋さんは、大学生の頃にmonopoでインターンをされていたそうですね。

石橋:そうなんです。学生時代はメディアやコンテンツを通して、働き方やジェンダーなどの多様な価値観を広めていくことに興味があって。そのための手段のひとつが広告だと思っていたんです。なので、広告系の企業を中心にいろんなインターンをしていました。いわゆる意識高い系の学生だったんですよね(笑)。
そのなかでもmonopoはウェブサイトがめちゃくちゃイケてたので、行ってみようかなと。しかも、「インターン生のアイデアコンペで優勝したら10万円の賞金がもらえる」って書かれてたんですよ!

―えー、すごい(笑)。ちなみに、そのコンペはどういうお題だったんですか?

石橋:monopoが運営するメディア『poweredby.tokyo』で発信している「東京人」というコンセプトを、世界に広めるにはどうすればいいかというお題でした。その課題に対しての施策をフェーズ分けして、キャンペーンを考えるという。とはいえ、そういうことを考えた経験はなかったので、課題との向き合い方を教えてもらいながら進めていきました。それがもう楽しくて。
もともと考えることが好きだったので、寝る時間を忘れてやったんですよね。そしたら、優勝して10万円もらったんですよ! それが、「自分は戦略やロジック、アイディアを提案するのが好きなんだ」と気がつくきっかけになりました。

石橋:その後もいろいろとインターンをして、最終的にはFacebookに入ることになりました。広告の媒体営業として。決め手はいろいろあったんですけど、私はやったことがない経験をしていくのが好きなので、まずシンガポール勤務という点に惹かれました。あとは、大企業での仕事に興味があったんですよね。

―実際に入社してみて、いかがでしたか? Facebookでのお仕事は。

石橋:すごくいい会社でしたね。みんなオープンにコミュニケーションをするし、多様性もしっかりあって働きやすかったです。仕事はFacebookやInstagram、Messengerの広告営業だったので、クライアントさんにソリューションの提案をしたり、コミュニケーション戦略などを担当していました。なので、デジタル広告の運用については、ものすごく勉強になりましたね。

―仕事以外の面で、シンガポールでの生活はいかがでした?

石橋:めちゃくちゃ楽しかったです! 海が近かったので、ビーチパーティやヨットパーティーをよくやっていて。人生の楽しみ方を学んだなと思います。
さっきも話したように、大学生の頃は意識高い系だったんですよ。もっと遡ると、昔から学業で1番になりたいとか、1番いいところに就職したいとか思ってるタイプだったんですよね。そういう意識から解放してくれたのが、シンガポールの生活だったと思います。

―なんでもかんでも1番を目指すことだけが人生ではないと。

石橋:そうですね。タイとかスリランカとか、近隣諸国にも遊びに行って、そこで自分のやりたいことやっている人たちと出会い、必ずしも優秀とか有名とか、大規模みたいなことだけが価値ではないと思うようになりました。それよりも、自分が楽しいと思ったことを直感的に選んでいくのが大事なんだろうなと。
―それは、ずっと競争社会に身を置いてたからこそ感じた価値観の変化かもしれませんね。受験とか就活って、どうしても他人との比較になる闘いですから。

忘れられなかったmonopoでのインターン

―仕事も暮らしも充実していたシンガポールから、日本に戻ってきたのはなぜだったんですか?

石橋:広告には、大きく分けてメディア側とクリエイティブ側の仕事があります。Facebookはメディア側で、デジタルマーケティングの分野では重要な位置付けになっているので、それはまず学んでおいたほうがいいと思ったんですよね。そこで2年半ほど仕事をさせてもらって、Facebookというひとつの角度からではあるけど、メディア側のことは勉強できました。
じゃあ次に進もうと思ったときに、今度はクリエイティブ側の仕事をガッツリやってみたいと思ったんです。

―そこでmonopoを選んだ理由は何だったのでしょう?

石橋:実は私、学生の頃に2回、monopoでインターンをやらせてもらったんですよ。1回目は10万円をもらったインターンで、その後、Facebookに内定をもらってからもクリエイティブ側に進みたい気持ちがあって、もう一度インターンをさせてもらったんです。その3ヶ月が、めちゃくちゃ楽しくて。

―どんな3か月だったんですか?

石橋:インターンなのに、海外の仕事に関わらせてもらったんですよね。

石橋:海外のファッションブランドがミラノのデザインウィークに出展することになって、そこに日本人のアーティストが関わることになったんです。そのプロジェクトで、クライアントさんとの通訳やコミュニケーションを担う役割としてミラノとロンドンに行かせてもらいました。
そのときに、いろんな人と出会って、新しい世界を覗かせてもらって、自分がバイリンガルだからこそ役に立てた達成感があったんです。だから、バイリンガルであることを活かして、人の間に立つコミュニケーターの仕事をやってみたいという気持ちがずっとあったんですよね。そういう環境がmonopoにはあるなと思っていたので、改めてアタックさせてもらいました。

―新卒のときにはFacebookを選んだけど、いつかはmonopoで仕事をしたい気持ちがあったんですね。

石橋:ありましたね。今思うと、忘れられない元彼みたいな感じでした(笑)。

英語を話せることがコンプレックスだった中学時代

―先ほどバイリンガルというお話がありましたが、もともと海外で暮らしていた経験があったんですか?

石橋:そうですね。3歳から9歳までは、アメリカのテキサスに住んでいました。

―それくらい小さい時期だと、日本に帰ってきて英語を忘れちゃう人も多いじゃないですか。帰国後も身近に英語を使う環境があったのでしょうか?

石橋:帰ってきたばかりの頃は、親が英語を忘れさせたくないってことで、ディズニーチャンネルしか見せてもらえなかったですね(笑)。日本のバラエティとかは一切ダメで。お陰で英語を忘れることはなかったんですけど、中学生の頃は英語を話せることがコンプレックスだったんですよね。

―えー、そうなんですか?

石橋:周りと違うのが恥ずかしかったんですよ。英語を話せるのがバレないように、わざとカタカナっぽく発音したりしてました。アメリカと違って校則も厳しくて、みんな同じ制服を着なきゃいけなかったから、なるべく個性が出ないようにしてたんですよね。

―あぁ、個性を引っ込める努力をしてたんですね。

石橋:そうなんですよ。だけど、内心では、もっと自分らしく、個性を出して、みんなが違うことを認め合える環境に憧れていました。そのために、都立国際というインターナショナルな高校に入ったんです。
そこは帰国子女や在日外国人の学生が多くて、その子たちの国の歴史や、差別を受けてきた背景なども一緒に学んでいく環境がありました。とにかく人権や多様性を重んじる学校だったんですよね。そこでは普通に英語も使えるようになりました。

石橋:大学でもずっと英語で勉強してて、ニューヨークに留学も行って、いつの間にかバイリンガルであることは自分のアイデンティティになっていましたね。特に意識しているものではなく、自分の一部である感覚というか。
海外に住んでいた経験があったり、バイリンガルだったお陰で、いろんな国やバックグラウンドの人と話せたし、たくさんの経験ができました。自分の窓をオープンにさせてくれたバイリンガルというバックグラウンドは、今はひとつの個性なのかなと思っています。

―以前はコンプレックスだった英語が、自分の個性・武器に変わっていったんですね。

石橋:そうですね。それはやっぱり高校の影響が大きかったと思います。本当に自由で、髪の毛でもファッションでも、「個性を全面的に出せ」って学校だったんですよ。個性を出さないと、逆に打たれるみたいな。だから、今思い出すと恥ずかしいんですけど、当時の私はピンクのシャツに黄色いネクタイみたいな、ちょっとわけのわからない服装で学校に行ってました(笑)。

石橋麻里奈にとっての「monopoらしさ」とは?

―monopoに入社してからは、どのような仕事をされているのでしょうか?

石橋:グローバルチームに所属していて、海外から日本へのローカライズや、日本から海外に出ていくクライアントさんの案件に携わっています。プロジェクトマネージャー×営業という立ち位置で、クライアントさんのキャンペーンに関するご相談をいただき、そのためのチームをアサインをして、予算を組むといった仕事ですね。

―Facebookでの経験が活きている実感はありますか?

石橋:そうですね。Facebookでやっていた営業のスキルに加え、プロデュースのスキルも身につけて、グローバルクライアントの窓口として仕事をしています。プランニングの仕事にも興味があるので、ひとつの肩書きに囚われることなく、営業もプロデュースもプランニングもできる人になりたいですね。

―そうやっていろんな仕事を経験できるフィールドが、monopoにはありますもんね。

石橋:それがめちゃくちゃいいんですよね。実際、エンジニアリングができて営業もできるみたいに、職域を跨いで仕事している人もたくさんいるので。いろんな経験をさせてもらうことによって、新しいスキルを身につけていきたいと思っています。

石橋:あとは、外国で暮らしていたり、バイリンガルというバックグラウンドがあることで、日本と海外を繋ぐ架け橋になれるとも思っていて。なので、自分のアイデンティティが武器になるような仕事は積極的にやっていきたいですね。

―アイデンティティが武器になる会社って、すごくいいですね。やっぱり海外で生活した経験があるからこそわかることってあるじゃないですか。「この国では、もっとこうしたほうがいい」とか、「こういうのはあんまり売れない」とか。

石橋:それはめちゃくちゃあると思います。だから東南アジアの案件とかは、絶対に自分が入りたいですね。住んでいたからカルチャー的に理解しやすいし、ビジネス的な感覚もわかるので。そうやって自分が通ってきた道がアイデンティティになって、それを武器に戦えるっていうのは本当に最高な環境だと思います!

―今回の企画では、みなさんに「monopoらしさ」というのをうかがっています。石橋さんが思うmonopoらしさとは、どういうところでしょうか?

石橋:難しいですよねー。めちゃくちゃたくさんあるんですけど、最初に思い浮かぶのは「Challenge boundaries」ですかね。これは会社が掲げているパーパスで「境界線を超えろ」という意味なんですけど、monopoは広告のクリエイティブ側を経験したことのない私を採用して、自分の境界線を越える機会を与えてくれてるんですよ。
これは個人にとっても、会社にとっても「境界線を超えろ」という姿勢ソノモノだなと思います。そういう寛容さを持ちながら、みんなで限界を突破していくことが、monopoらしいところだと感じていますね。

―確かに、採用って相手の経験値を見るじゃないですか。だけど、未経験者を採用するのは、会社も新しいことにチャレンジしていくんだという精神性が反映されている感じがしますね。

―広告業界のメディア側とクリエイティブ側の両方を経験してみて、広告の仕事の見え方って変わりましたか?

石橋:Facebookにいたときは、私たちメディア側がいくら運用の提案やコンサルをしても、結局はクリエイティブの良し悪しで成果が決まるという経験をして、そこが痒くても届かないところだったんですよね。
それでクリエイティブ側に来てみたら、確かにクリエイティブの良し悪しは重要なんだけど、どうやって伝えるかというハードの部分がしっかり戦略に落とし込めていないと成果には繋がらないと実感しました。なので、当たり前なんですけど、両方とも大事だということを体験として理解できましたね。

―両方の立場を経験して、お互いの重要性を実感できたというのは大きな糧になりそうですね。

石橋:そう思います。なので、メディア側とクリエイティブ側を経験した人間として、どういうカスタマージャーニーで、消費者に価値を伝えていくかっていう設計を頑張っていきたいですね。まだまだ勉強中ですが、いろんな仕事に挑戦しながら、自分なりの解を見つけていきたいと思っています。

執筆:阿部 光平 (https://twitter.com/Fu_HEY )
撮影:馬場雄介 Beyond the Lenz (https://www.instagram.com/yusukebaba)


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