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④-4「登場人物紹介ラスト」

「稽古場レポート」について
大学演劇あがりの素人「山田(23)」が、MONOさんの稽古場にお邪魔して感じたこと気づいたことについて自由に書かせていただきます!


さてさて、今回のレポートで登場人物紹介がいよいよ終わります。残るは、忘れられた5男と愛され6男、5男の彼女の御三方です。

『なるべく派手な服を着る』それは5男のこと。影が薄いのか、周りが濃いのか、いつも忘れられてしまう5男、一二三(ひふみ)。だからなるべく派手な服を着るようにしている。

演じるのは、派手な稽古着を着ていらっしゃった

一二三(ひふみ) / 尾方宣久さん

尾方さんについては、前にも書かせていただいたのですがとてもお若く見えてしまうんです。
前回公演『悪いのは私じゃない』にて、若い会社員の役をされていた時のこと。

この俳優さん、20代だろうに演技上手いなぁと思っていたんです。舞台上で演技される姿は20代そのものでした。なので、プロフィールを拝見してびっくりしました笑

今回は6人兄弟の「5男」という、また年下の役どころなのですが、演技のスイッチが入ると、やっぱり「弟」に見えてくるんですね。

そんな尾方さん演じる「一二三」ですが、初演の時と比べて一番セリフの変更が多い登場人物の1人です。

これが作品にどういう変化を与えるのかというとですね、

なるべく派手に自分を見せることで、家族に忘れられないようにしている

という一二三の人物像が、よりくっきりと演出されるようになっています。

例えば、みんな印象に残るような過去のワイルドエピソードを語るシーンの稽古中、

「爪楊枝7000本は多いよな?」

「爪楊枝100パックはどう?」

「え、1パックあたり何本入ってんの??」


などなど一二三の、この派手さの塩梅が絶妙に調整されています笑。
あんまり多いと嘘っぽいですもんね笑笑



そんな5男一二三の彼女を演じる

梢(こずえ) / 立川 茜さん

パッとしない彼氏。それでも付き合っているのは超有名カメラマンである三男隆に会うため?

彼女も久里家を訪れたことで何かが変わるのか。


稽古場では「おたつ」と呼ばれている立川さん。
Twitterにて更新中の『#なるべく派手なおたより』というインタビュー企画の企画と撮影、編集をお一人でやられているそう。


なんでも、自らやりたいと名乗りをあげて始めたそうです。稽古終わりに撮影してヘトヘトでしょうに、こだわった編集をされています。
劇団員の皆さんからも大変評判のいい企画ですので、またみてない方はチェックしてみてくださいね!


僕が稽古場でお邪魔した中で、一番多く見せていただいたのが立川さんと尾方さんによる5男カップルのシーンでした。

5男カップルに加えて、次男夫婦、4男夫婦とカップルは3組登場するのですが、他の二組に比べてこのカップルはまだ不安定な関係性です。

互いの気持ちに気づけていない、純情な恋人同士です。(個人的にはフランスの映画やアメリカのテレビドラマで目にするような、もどかしくて応援したくなるような関係に見えます)

尾方さんの臨機応変な演技力なのか、立川さんの俳優としての力なのか、初演の時より熱量や葛藤がバチバチと伝わってくるような…

梢が彼から離れようとすればするほど、一二三の哀愁が濃くなっていく様子に自然と涙が誘われます。


この絶妙な関係性のゆらぎはぜひ生で体験していただきたいです!



5男と正反対。みんなから愛される末っ子を演じるのは

翔(かける) / 渡辺啓太さん

兄弟全員から溺愛されている養子の末っ子。翔の存在は兄達の喧嘩を止めて仲直りさせるほど。


初演時より一番変化のある登場人物は翔だと思います。

もちろんどちらが良いかということはありません。
啓太さんの演じる翔は、とにかくはちゃめちゃに元気で、明るいです。兄貴たちの愛情をたっぷりと受けて育ってきたというのが性格や仕草に現れています。

初演と同じ役を演じる尾方さん、金替さん、土田さん、水沼さん、奥村さんとは異なり、今回初めて演じる啓太さん、立川さん、高橋さん、石丸さんにとって前任者のイメージに引っ張られるという大きな壁があると思います。

それだけ15年前の初演が素晴らしい完成度だったということですが、演じる側にとってみればプレッシャーに感じることでしょう。


そんな中で皆さんそれぞれのアプローチで前任者の壁を克服しようと試行錯誤されいるわけですが、

啓太さんは、良い意味で前任者である本多 力(ヨーロッパ企画)さんのイメージを壊しています。

どちらが正解とかはないと思います。どちらも素晴らしい集中力で舞台に立っています。
俳優が変われば役も変わりますので、純粋にその違いを楽しめると思います。



そんなこんなでようやく登場人物紹介が終わりました。
時間が経つの、早いです。
リアルタイム(2/20時点)ではもう稽古自体は終了しておりまして、今はアイホールで仕込みをしております。

明後日から本番ですよ!!!


次回、で一旦の区切りとさせていただければなと思っております。
最後の稽古場レポートは、僕が思う、若者から見た劇団MONOさんの魅力について書かせていただきたいと思います。

ぜひアイホールにもお越しくださいね。


MONO『なるべく派手な服を着る』

作・演出 土田英生
出演 奥村泰彦 水沼 健 金替康博 土田英生 尾方宣久 渡辺啓太 
石丸奈菜美 高橋明日香 立川 茜

伊 丹|AI・HALL 伊丹市立演劇ホール 2023年2月22日(水)-2月26日(日)
東 京|吉祥寺シアター 2023年3月3日(金)-3月12日(日)
豊 橋|穂の国とよはし芸術劇場PLAT アートスペース 2023年3月18日(土)-3月19日(日)
四日市|四日市市文化会館 第2ホール 2023年3月26日(日) 
大 府|おおぶ文化交流の杜allobuこもれびホール 2023年3月28日(火)

公演情報>> https://c-mono.com/stage/
チケット>> https://c-mono.com/ticket/


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