【ルーツ旅🌺戦国大名の埋蔵金探し③】あるはずの滝がない!?決死の山登り😱
宝探しに行く前に、ご先祖様にあいさつをしようと、K太郎さんはY神社の近くで車を停めました。
外に出た私が目にしたものは・・・。
大工さんの集団でした。
私はこれまで、Y神社の管理人に会おうと近くの民家を何度か訪ねましたが、人けがなかったので、てっきり誰も住んでいないと思っていました。
しかし今回、大工さんたちが家の修理をしているのをみて、この辺りの民家、まだ人が住んでいるのでは? と思い直しました。
もしかしたら、Y神社の伝承や、お宝伝説のある滝について知っている人がいるかもしれません✨
▼遠い親戚に会い、これまでの話をする
近くの民家に近づくと、中から誰かの話し声が聞こえてきます。
私が思い切って玄関のチャイムを鳴らすと、女性が出てきました。
私はちょっと緊張しながら、これまでの経緯を手短に伝えました。
数年前から、この村に伝わる筒井一族の伝承について調べていること、何度か神社のお参りをさせていただいたこと、これから神社の上にある滝に行こうと思っていることなど。
そこにK太郎さんも加わります。
突然現れた私をみて、ちょっと警戒した様子の女性でしたが、現地の事情にくわしいK太郎さんと話して安心したようで、最後には笑顔を見せてくれました。
どうやら女性とK太郎さんは、遠い親戚関係にあるようです(私とは、たぶん遠~くさかのぼれば、どこかでご縁があったかもという程度……😅)
▼神社にお参りをすませ、いよいよ滝を目指す
「どうぞ自由にお参りしていってください」
という女性にお礼をいい、私とK太郎さんは山の斜面をのぼり、Y神社にお参りをすませました。
斜面を降りると、先ほどの女性が立っていたので、私は、
「この上の滝って、どうやって行くんですか?」
と尋ねました。
「ああ、この道を行って2,3分もすれば着きますよ」
それを聞いて私は、
と、ホッとしました。
実は前回、K太郎さんと会ったとき、私はかすかな不安を感じていたのです。
というK太郎さんの言葉に、私は山を見上げたのですが、滝らしいものを見つけることができなかったのです。
(まあ、木がいっぱい生えているから、隠れているんだろう)
そのときはそう思いましたが、いま思えば、その時にK太郎さんによく確認するべきでした。
▼いったい滝はどこにある??
再びK太郎さんの車に乗り込み、滝を目指して出発です!
私は、金属探知機の入った袋をすぐ取り出せるよう、手元に引き寄せました。
ところが。
3分たっても、5分たっても、それらしい滝は見えてきません。
「おかしいな」
運転席のK太郎さんが、首をかしげます。
神社の上のほうに滝があるはずなのに、しばらくすると下り坂に差し掛かり、しかも道が2つに分かれています。一体どちらに行けばいいの??💦
「Uターンしたほうがいいんじゃないですか」と言うと、K太郎さんは車をとめて、方向転換しました。
(狭い山道で、対向車が来たらアウトなので、ヒヤヒヤします😅)
▼もう一度道を尋ねてみるが・・・
そういえば、ここに来るまでに細い分かれ道があり、農家らしき建物がみえたので、そこで道を聞いてみよう。
私たちは分かれ道の近くまで引きかえし、車をとめました。
私はK太郎さんを車に残し、しばらく歩いて農家の玄関のチャイムを鳴らしましたが、人けがなく、誰も出てきません。
けっこう大きな建物だったので、私はあちこちのドアや窓をコンコンとたたいて「すみませーん」と声をあげましたが、返事はありませんでした。
仕方なく、私たちはまた神社の近くにある民家に戻って、女性たちに話を聞くことにしました。
車で民家に近づくと、駐車場で先ほどの女性が車に乗り、まさにいま出発しようとしているところ。
私はあわてて外に出て、女性を引き止め、滝に行く道をもう一度、くわしく教えてくれるように頼みました。
女性は少し困った様子で、
そういって、車に乗り込み、どこかへ行ってしまいました。
(※場所が特定されないよう、伏字にさせていただきます😅)
▼山の中の「道なき道」に分け入る
よし、これで大丈夫だと、私たちは車でまた同じ道を走りましたが、やはり滝など見つかりません。
私たちは途方にくれました。
また車をUターンさせて、先ほどの細い分かれ道に戻り、車から出ました。
相変わらず、農家には人の姿が見当たりません。
2人で、どこかに滝が見えないかと、山の斜面に目をこらしながら歩きまわります。
「うーん、確かにこのあたりにあるはずじゃが……。
あ! あの上じゃないか!?」
K太郎さんが、大きな声をあげました。
見ると、山の斜面に、階段がついています。
あのY神社に続くのと同じような階段です。
心に希望の灯がともりました。
私は先頭に立ち、いそいそと階段を上がり始めます。
しかし、10数段もあがると、階段はそこで途切れてしまい、あとはボウボウの山の斜面が広がるばかり。
「この先は、道がないですね……」と私が言うと、
「いや、道はある」
と、キッパリ。
「ほれ、木が生えていないところがあるじゃろ。それが道じゃ」
えっ?
た、確かに大きな木が生えていない部分はあるけど、全面的に草木が生い茂っていて、しかも急斜面なんですけど……💦
目の前に立ちはだかる、おそらく獣も通らないであろう、道なき道。
こ、ここを登るの?!😱
私は、そう言いたくなる気持ちをぐっとこらえました。
せっかくここまで来たんだ。
ここに来るのは、これが最後になるかもしれない。
それに、これまでのルーツ探しは、きっと最後にこの宝探しをするために、ご先祖様が導いてくれていたんじゃないか……。
そう覚悟を決めました。
私は、足元にあった木の枝を拾い、杖がわりにして山を登り始めました。
(続く)
▼次回の話(最終回)
▼前回の話②
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