【悲運の戦国大名🌺筒井氏の深い謎⑨】筒井康隆氏は本当に筒井一族なのか❓
▼電車の中で、X氏から衝撃の発言が
池袋でのオフ会の帰り道、私は筒井X氏と同じ電車に乗りました。
つり革を持ちながら、とりとめのないことを話していると、X氏はふと思い出したように、
「筒井といえば、今の時代で有名なのは、小説家の筒井康隆ですね」
と、言い出しました。
「うちの実家は大阪で、あの人のお父さんも同族会に入っていたから、親同士で交流があったんです。たしか動物園の園長をやっていたかな。うちの父親が、家を訪ねたこともありました」
えっ、そうなの⁈
どうやら筒井康隆氏は、本当に大和の筒井一族の末裔のようです。
▼同族会員は、あの小説をよく思っていなかった?
「いつだったか、息子さんが筒井順慶の小説を書くというから、同族会のメンバーが色々と話をして、取材に協力したんですよ」
X氏は続けました。
「でもねぇ、出来上がった内容が、パロディっていうんですか? なんだか順慶を茶化したような感じだったから、あまり同族会での受けはよくなかったなあ。もっと真面目に書いてくれると思ったのに、って」
(そうなんだ……)
でも、同族会での評判はともかく、小説『筒井順慶』で私が感じた、作者の順慶に対する熱いリスペクトは、偉大なご先祖様に対する本当の気持ちだったのだとわかりました。
私はX氏の発言を聞いて、帰宅後すぐにAmazonで小説『筒井順慶』を注文して読みましたが、後日マンガ版を読んだときと違い、まだ何が書いてあるのかよくわからなかった💦のは、以前書いたとおりです。
▼作者は、執筆前に同族会を取材していた
小説『筒井順慶』の中に、作者が筒井氏の同族会を取材するシーンがありますが、これは実話を元にしていて、同族会報にその時のことが書いてありました。
1つは昭和63年、もう1つは平成9年に発行されたものです(なお、私が同族会報を手に入れたのは、オフ会の2,3か月後です)。
つい先日、この会報の内容をnoteに書いてもいいかどうか、出版社を通じて筒井康隆氏に手紙で尋ねたところ、快諾していただいたので、書いてみようと思います。
筒井康隆先生、どうもありがとうございました!!🌺✨
▼取材当日の様子
筒井康隆氏が同族会に取材に来たときの様子を、当時の会長の深水氏(故人)は、こう振り返っています(第3号)。
文頭に、「昭和40年代後半」と書かれていますが、実際には昭和43年だと思います。
最後の行の続きは、次のとおりです。
「養老の滝の上の宝ものは、作中は養老の滝壺の中を潜って宝さがしとなっている。でも小説、筒井順慶は、作者独特の面白さがあり、よくできており、わが順慶さんの汚名の挽回にも役立っている。又順慶さんの史跡の案内にもなっている。」
「養老の滝の上の宝もの」とは、三重と岐阜の県境にある山に、筒井順慶の名前が彫られた石碑があり、その下の「洞穴」に軍用金が隠されているという伝説が実際にあるのですが、作者はそれを「滝つぼ」に変えたようです。
きっと、洞穴を探検するより、滝つぼで泳いで宝探しをするほうがコメディタッチになるからではないでしょうか。
宝さがし! ワクワクしますね。
X氏によると、同族会での評判は良くないということでしたが、実は、会長は小説を高く評価していたことがわかり、私はなぜかホッとしました。
▼作者自身が、筒井一族の末裔だと公言していた
第13号には、同族会の取材から30年後、深水会長が筒井康隆氏と再会したときのことが書かれています。
平成9年9月13日、奈良県大和郡山市の文化祭で、筒井康隆氏が「筒井順慶とわたし」というタイトルの講演会を開き、そこに会長が駆けつけたのです。その時の様子を引用します。
「実は康隆さんとは、30年ぶりの再会です。懐かしく思いました。康隆さんも、よく覚えていると言っていました。サングラスをかけて、恰幅のいい、テレビでよく見ているので、すぐわかりました。私と筒井〇〇さん(前会長の奥さん)が話しかけました。康隆さんは、気さくに応じてくれました。」
「今私は83歳で、貴方(筒井康隆氏)は63歳。(取材当時は全部で5人いたが、)2人のほかは皆亡くなりました。というと、康隆さんは感無量のようでした。私も感無量でした。地下の〇〇さんたちも喜んでいることだと思いました。」
「講演は、康隆さんも筒井の一族で、大体、関西学院大学名誉教授の永島福太郎先生の説に沿って一時間半ばかりの熱演でした。
話し方はわかりやすく、なかなかうまいと感心しました。大和の人達にも深く感銘を与えたと思います。聴衆は800人ばかり。なかなかの盛況でした。以上、筒井康隆氏と再会の話でした。」
そうだったんですね。30年ぶりの再会、なんだか感動的です。
それにしても、筒井康隆氏が、筒井一族の末裔であることをずっと以前から公言していたとは知りませんでした。
今回頂いた手紙には、すでに雑誌など何らかの媒体で発表しているというようなことが書いてありました。私は、一体どこに載っているんだろうとTwitterで色々な人に聞いてみましたが、まだ情報が入っていません。今度また、筒井氏に手紙で尋ねてみようかなと思います。
次回は、同族会で実際どんな活動が行われているのかをご紹介します。どうぞお楽しみに!🌺✨
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