【悲運の戦国大名🌺筒井氏の深い謎⑤】なんと!筒井康隆作のマンガがあった🌟
今朝、若いころの筒井康隆氏と部屋でおしゃべりする夢を見ました。前回の投稿の際、同氏のことを考えすぎたからかもしれません(部屋の中がとっちらかっていたのは、私の頭の中がごちゃごちゃだからなのか……)。
▼筒井康隆氏自身が描いたマンガ
ところで、筒井康隆氏が『筒井順慶』という小説を書いたあと、同じストーリーでマンガも描いていたことをご存じでしょうか。
2004年6月4日に実業之日本社から発行された『筒井康隆漫画全集』の中に、『筒井順慶』のタイトルで掲載されています。
筒井康隆氏が、小説家だけでなく俳優としても活躍していることは知っていましたが、まさかマンガも描くとは知りませんでした。小説家になる前はグラフィックデザイナーだったそうなので、もともと絵は得意なのでしょう。
▼ヘンテコでシュールな物語
このマンガは、作者自身が「破廉恥でサイケでドタバタなSF歴史漫画」というとおり、なんともヘンテコでシュールな内容になっています。小説もすごいですが、マンガ版はもっと強烈な感じ。絵は、独特の味わいのある線画で、細かいコマ割りの中にセリフや人物がびっしりと描き込まれています。
これって、後ろの解説を読むと、ページ数が少ないのにコマ割りをちゃんとせず、行き当たりばったりで描いていったからだそう。どうせ最後まで描ききれないだろうと覚悟して描いた節があるんだとか。このいい加減さ、時代のせいなのか作者の性格のせいなのかよくわかりませんが、当時の作者の勢いの強さを感じさせます。
▼なかなか順慶の人間像がわからない
少しだけコマを引用して、ストーリーを紹介しますね。
物語は、主人公の先祖である筒井順慶の小説を書いてほしいという編集者からの依頼で始まります。
この黒電話が、時代を感じさせますね!
主人公が、いくら「歴史小説なんか書いたことがない」といっても、編集者は「歴史観なんてでっちあげればいい」と譲らず、仕方なく執筆を引き受けることに。
でも、たくさん本を読んだり、順慶の子孫といわれる人々に話を聞いても、主人公には、順慶の人間像がまったく浮かんできません。そこで、とりあえず奈良に行き、前回紹介したように、順慶のお墓や筒井城址を訪ね歩きます。
しかし、そこに意中の女性がやってきたものだから、主人公は見学そっちのけで彼女をホテルに連れ込み、いざこれからというときに、別の情事の相手がやってきて……。
さらに、長編小説をどの出版社で出すかでもめるなどのドタバタ騒ぎに発展し、小説を書くどころではなくなります。
▼最後はやはりあの場所で
もはや残された時間はありません。主人公は、とりあえず史実をもとにストーリーを進めることにしますが、ここに至っても、順慶の人間像をつかむことができないままです。
順慶の顔はのっぺらぼうです。
そこで作者は、
ここはひとっ飛びに、あのシーンに行くしかない!
とばかりに、唐突に「あの場所」を出してきたかと思うと、あっというまにおしまいにするという、なんとも尻切れトンボな結末に。あとは小説の方をお読みくださいということでした。
「あの場所」がどこかは、前回の話を読んだ方にはおわかりでしょう。
もし興味をもった方は、ぜひ『筒井順慶』のマンガと小説を読みくらべてみてください。小説もそう長くないので、あっという間に読み終わります。そうすればきっと筒井康隆氏の新しい魅力に気づくとともに、「筒井順慶っていったい何者?」と、興味をそそられるに違いありません。
★まとめ★
・筒井康隆氏の小説『筒井順慶』には、作者自身が描いたマンガ版があった。
・主人公は、順慶の人間像を浮かび上がらせるのに苦労した。
・物語の最後には、やはりあの場所が出てくる(繰り返しますが、順慶は実際に行っていませんからね!)。
次回は、私が筒井順慶の謎を探るうちに出会った「仲間」についてお話しします。どうぞお楽しみに🌺✨
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