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姿勢スイッチを押せば、歯並びは悪くならない! 〜呼吸に全集中〜

はじめに

僕は医療従事者なのでいつもケガや病気のひとを見てきた。その時に疑問を抱く。

『そもそもならない方が良くないか?』

これはどんな価値観宗教観でもある程度のひとが思うことだと思う。何かダメになってから処置をするのではなく、何もないときに何もならないような処置を考えるべきではないのか?ということだ。これの結論は

『姿勢』

であった。これを突き詰めればヒトという動物があるべき形に育つように遺伝子にプログラミングされている。そのスイッチを正しいタイミングで正しい場所を押し続けることが必要なのだ。この正しいタイミングで正しい場所のスイッチを押すポイントは

『呼吸』

だ。いかに『呼吸』を楽にできるように鍛えていくかが生命として強く生きていくヒントとなる。この『呼吸』を大事にしつつ姿勢を意識することが気功であったりヨガであったりするのだろう。そう思うと気功やヨガ健康にいいというのはあながち間違っていないだろう。

では姿勢スイッチの旅に出発しよう。

モノノフ


姿勢が悪いとどうなるか

姿勢が悪いと良くないのかというと、答えは良くない。そもそもヒトという生き物が姿勢良くいることを前提に設計された生き物だからだ。むしろ、姿勢が良いのではない、一般的に姿勢が良いと言われている状態が普通なのだ。これは歯並びにも言える。歯並びがいいとか歯並びが悪いとか言われることがあるが、歯並びがいい状態が、普通なのだ。まずそのことを念頭に置いてこの本を読み進めなければならない。
姿勢が悪いと腰や膝、足首などに『力の歪み(ひずみ)』ができるようになる。これを痛みとして感じるのだ。腰や膝の痛いひとは原則姿勢が悪いと考えるべきだろう。外傷的なものも当然バランスを崩しているし、腫瘍なんかも本来のバランスを崩している。

『姿勢』とは『バランス』

なのだ。僕は『健康』も『バランス』と考えている。つまり、健康とは『バランス』が整っている状態で、『痛み』や『違和感』はバランスが崩れている状態なのだ。つまり適正の『バランス』を常に意識することが大事で、『痛み』や『違和感』があれば、『バランス』が崩れている、もしくは崩れ始めているので、それを立て直す行動をすべきなのだ。

腰が痛い時に腰をいくら揉んでも、ブロック注射をしても対症療法にしかならない。そもそもの原因の『姿勢』を直さないと同じことを繰り返すことになる。ただ、この『姿勢』を直すために一時的に痛みを取るということは非常に有効なので、そういった使い方はいいなと思っています。

ヒトという生き物は『バランス』を崩すと『痛み』として訴えて、どちらかの反応をします。

・『痛み』で筋肉が収縮して動かなくする
・『痛み』で力を入らなくして動かなくする

身体はこのどちらかを行います。逆のことをしているようですが、目的は同じです動かなくするのです。『痛み』は『力の歪み』なので、『バランス』が崩れても同じことが起きます。これが発育途中の子供に起きるとどうなるでしょうか?それは

骨の発育に影響がある

のです。要するに形が変わってしまうのです。左右差のある顔立ちや、肩の位置の違いなんかを見たことはないでしょうか?そういうことが起きてしまうということです。大人だったらできうる限り『バランス』を直せばいいですが、子供の場合、骨の発育に影響があるので、直さないと骨の形が変わってしまうのです。
そうなるとその子供の肉体的ポテンシャルを100%活かすことはできません。
ベストではなくベターを求める戦いにシフトしていくことになります。


胎児期(妊娠期)

胎児期で大事なことは子宮の中でしっかりまるまることです。
筋肉で作られた袋に入れられているのだから必然的に丸くなるだろうと思うかもしれない。

実はエコーを見るとそうとは限らないのだ❗️

子宮内で子供は自分の指を吸ったりしながら、手の把握や口の中の感覚を使っている。その他にしていることとして、子宮内で反り返っているのだ。

子宮内にいるので実際に反り返ることができるわけではない。
ただ、首の後ろの部分を使っているのだ。これは生まれてから首が座るまで鍛える部分だ。実は生まれる前から鍛えている。

お母さんの筋力が足りないと、この力に負けて子宮が楕円形に伸びてしまう。
本来子宮はこの力に負けず丸まっていないといけない。

これの原因はお母さんの運動不足だ。
妊娠期に歩くように指導されることが多いと思うが、
これは非常に有効で、運動は妊娠前からしっかりしていることが望ましい。

この反り返りの力に負けて子宮が楕円になってしまっている状態で育った子供は産まれてからどうなるかというと、やたら反り返る動きをするようになる。

この時は背骨がC字になっているので、そのC字を守るように丸まる育児が望ましい。お雛巻きというものがあるが、このタイプの子供には有効な手段だ。

お年寄りはお雛巻きを嫌う傾向にあるが、今の時代は仕方ない場合があり、
症例を選んで有効なことも多い。

妊娠期、もしくは妊活期は栄養バランスを考えしっかり食事を摂ることと、
運動をしっかりすることが母親にとってできることということになる。


乳児期

出産後からこの時期は基本的におっぱいで子供の背を地面に垂直の角度を保ちながら乳を与えるのが望ましい。

これはなぜかというとヒトという動物がその後地面に垂直にある状態で食事をすることが前提になるからだ。

嚥下という飲み込むという行為は先天的にできるものではなく、産まれてから後天的に覚える行為だからだ。

哺乳瓶で与える場合、首を上に向けて哺乳したり、横になっている状態で抱いたまま乳を与えることがあるがこれはするべきではない。間違った嚥下方法を覚えてしまう。

嚥下できないのではなく、嚥下の仕方を間違って覚えてしまうのだ❗️

こうなると口元の筋肉のバランスが乱れるので、歯並びは悪くなる。

誤解がないように追記するが、哺乳瓶や粉ミルクを否定しているものではない。
母乳で足りない場合は、無理せず粉ミルクで栄養を補うべきだし、あげたくても母乳が出ないひとや、病気などの事情があってあげることができないひともいる。

哺乳の『姿勢』に注意が必要だということだ。


幼児期

乳児期と幼児期は便宜上、哺乳のみで寝返りうつあたりまで、幼児期はハイハイから歩くことができるようになり、就学前まであたりとする。

寝返りが打てるようになり、ずり這いからハイハイするようになる。

最近はハイハイあんまりしなくてという子供も多いが、これは例え立ったり歩いたりするようになった後からでもハイハイ遊びはいれるべきだ。

首から順に胸椎、腰椎周辺の脊柱起立筋を鍛えているからだ。
ここが鍛えられていないと

『姿勢』の維持ができない

そんなことがあるのかというひともいるかもしれないが、
そんなことが多いにあるのだ。

そういった子供は本来脳に異常がないのにもかかわらず、ずっと座っていることができないため、座るべき時間に立ち上がったり動いたりするためにADHD疑いなどという病名を付けられる。

そして、乳児期から幼児期にかけての話になるが、
ずり這いやハイハイ、そして立ち上がり歩くようになったなら歩くという運動を子供がしたいだけさせてやることが大事だ。

ここで、子供をガボっとはめてしまって動けなくするような椅子や、
子供の歩くペースに合わせていると遅くなるからと言ってバギーやベビーカーばかりに子供を乗せていると、適正な筋肉がつかず、やはり『姿勢』の維持が難しくなる。

この時期に運動を逃すと、筋肉の発育にもよくないがそれに伴って、骨の発育も脳の発育にも影響が出てくる。

この頃はなるべく子供がしたいように身体を動かせる環境を与えることが何より大事なのだ。

食事に関していうと、歯が生えてくる。およそ前歯から奥歯という順番だ。

これにも意味がある。長くなるので、詳しくは割愛するが、
前歯が生えたら前歯を使う食事、奥歯が生えたら奥歯を使う食事が望ましい。

この頃に虫歯になるなど論外なのだ!

それらをクリアすると自ずと筋肉のバランスが整い、
口腔のスペースは広くなり、
そのすぐ上の鼻腔は広がる。
『姿勢』が整うと勝手に鼻呼吸がしやすくなるのだ。
『姿勢』が正しいかどうかを確かめるコツは

呼吸がしやすくなったかどうか

なのだ。
呼吸がしづらくてもそれできているひとはそれがわからない。
しかし、『姿勢』が整うと胸郭が開き自動的に呼吸がしやすくなるのだ。

単純に酸素供給量が良くなるので、身体の発育や脳の発育に影響があることは間違いがない。

正しい姿勢に関しては

腰痛を治したければ尻を締めろ!

を参照していただくとしてここでは割愛する。

これらを全てこなすことができて初めて子供のポテンシャルを最大限に活かすことができる。『姿勢』が悪い、歯並びが悪い状態で肉体的ポテンシャルを活かし切れるわけもなく、脳の発育にも良くないのだ。

この頃までの子供は脳が欲する刺激に忠実なので、なるべく子供のやりたいように身体を動かさせることが何より大事なのだ。


おわりに

長々と書いてきたが、これでも相当端折っている部分がある。
できれば、こういった内容をもっと詰めて書籍化できればなと考えている。
興味のある方はご一報いただきたい次第である。

モノノフ

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