電車内清掃アルバイト 登録編


のどかな山の中を散歩中にわにとかげぎすさんから電話があった。


「一応採用という方向で考えさせて頂いておりますので」

相変わらず半笑いだ


わ:「気持ちは変わってないですか?」

僕:「はい?」

わ:「いや一応気持ちが変わってないか確認しようと思ってね」

僕:「んーいや、はい。変わってないです」

わ:「分かりました。じゃあ本当に働くということで登録日は・・・」


気持ちが変わってないか聞かれたときマジで一瞬断ろうとしてしまった、しかも本当に働くってなんだよ!どんどん怖いんだけど!


とりあえずYouTubeで塩の盛り方だけすぐ調べた。


そして翌日の登録日。

16時にまたプレハブのような事務所に行った。

中に入ると日勤の人達が7.8人いた。なかなかのくらーい雰囲気の人が2人くらいいた。もしかしてあの人達も取り憑かれて…


そこでわにさんから色々な説明を受けた。とにかく作業着と黄色い帽子をしっかり被り電車に轢かれないこと。電車に乗り込む時は運転口の狭いところから入るから雨の日は特に落ちないように気をつけること。


え、そんな轢かれる可能性あるの?


とそんな話を聞いていたら作業着を着たIWGPのキングみたいな金髪のイケメンが入ってきた。



僕は



恋には落ちなかった。



説明が終わり2階の更衣室に案内されて作業着と帽子を渡された。僕は面接の時にXLでお願いしていたのだが、自粛期間に肥えた俺の体はその作業着を拒んだ。

僕:「すみません。ちょっとこれ入らなかったんですけどw」

わ:「えーマジ?ウエスト100超えてんの?」

僕:「肥えて超えたみたいですw」

わ:「まあいいや、新しい制服次までに用意しとくから」


スベったがわにとかげぎすさんバリの半笑いで乗り切った。

そんで下に降りてまた軽く必要なものとかの確認をわにさんと話していたらちょいちょい他の作業員の人が見てくる。

まあ特に気にしないで話が終わり、次の出勤日が決まった。


最後に皆さんにお疲れ様でしたと言って被ってきた帽子を被ろうとしたら、作業用の黄色い帽子を被ったままだったことに気がついた。


これか。見られてたのは。

まあ確かに私服にこの帽子は恥ずかしい。


僕は笑いながら「すんません!帽子被ったままだったんで上のロッカーにしまってきますw」


と言ったら誰一人笑わず、わにとかげぎすさんが小さい声で

「おう」

と言った。こういう時に笑ってくれよ。そんで話してる時教えてくれよ。

また挨拶をして外でたら二人が僕の原付の前にいて、一人は優しそうなおじいさんで、一人はキングだった。


キ:「いいっすねこの原付」


僕:「いやボロボロなんですけどね」


キ:「それがいいじゃないすか、俺も夜勤入るんで被ったらよろしくっす」



僕は





恋に落ちた。




でも本当に感じの良い人だったから心強かった。隣のおじいさんはみんなにも見えていたのだろうか。

帰って携帯を見てみると兄からラインが来ていた。

電車の清掃やるの?
マジやめた方がいいよ!オバケに取り憑かれたらやばいよ!!って心霊スポット行きまくってたうちの奥さんが言ってるよ!


いやそれは心霊スポット行こうとしてる人に言ってくれ!


まあ確かに俺もそれでビビってるんだけど!


まさに今日これからが初出勤なのでまた出勤したら更新します!


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