あとがきのようなもの #2【2020年8月】
先月掲載した記事についての覚書です。
8/4 あとがきのようなもの #1 【2020年7月】
あとがきにあとがきを追記するのもおかしな感じがするが、一応書いておく。こういった創作の裏話というのは決して語られる必要のあるものではなく、いわば眠れぬ孤独な夜の考え事のようなものだ。しかし同じベッドに聞かせる相手はいなくとも、布団を蹴り上げ、立ち上がり、机の明かりを灯し、まるで自分の尾を追う犬のようなその逡巡を言葉にして書きとめるという行為に、私は意義があると信じている。おのずから文章を書きたいと願う人というのは、皆そうなのではないだろうか。
8/7 mono-lessの文体練習 #5 【反復横跳び】
このコーナーを始めるにあたって最初に思い付いたネタの一つ。『コピー&ペースト』というタイトルの方がわかりやすいかとも思ったが、この仮タイトルが気に入っていたのでそのままにした。「コピーされて出てくる言葉は、その前に一度、原文本来の形で使用されていること」というルールを設けて書いた。ごちゃごちゃと同じ文章が繰り返されるというギャグだが、不条理でありつつも話がきちんと繋がらないと面白味に欠ける。そのため、物語の組み立てに混乱しないように場面を分けて書いてから、その後で全ての文章を接続するという形を取った。出来上がったものを読んでみると、筒井康隆の『ダンシング・ヴァニティ』が彷彿した。個人的には面白いと思う。
8/11 盤があるなら嬉しいです #2 【HIROSHI YABE SONG BOOK〜矢部浩志カバー・アルバム / V.A. (2020)】
私が思うに、文章には四種類ある。①書きたいから書いたもの、②書いたほうがよいと思ったから書いたもの、③書きたくはないが書かせられたもの、④書かなければならないと思って書いたもの。これについては④だと思う。だが、想いの強さとは裏腹に上手く書けているかどうか、自信はない。
カーネーションのファンイベントで一度矢部さんと酒を酌み交わしたことがある。私の拙いアルバムの感想を聞いてくれていた時のあの笑顔を、このアルバムを聴きながら思い出した(その後、別のライブで会ったときに私の顔を覚えていてくださったことはささやかな自慢だ)。矢部さんには今までたくさんの喜びや救いをいただいた。一日でも早い快復を心から願っています。
8/14 青空文庫マニアックス #0 【序文】
noteの定期更新を始めようと決めた頃に書いた記事。本当は次の記事(#2)の導入部として書いていたのだが、長くなってしまったので序文として別な記事に分けた。noteでは夏休み時期に「#読書感想文」というハッシュタグがお題になっていたらしい。もっと早くアップしたら波にのれたかもしれない。
8/18 青空文庫マニアックス #1 【馬鈴薯からトマト迄 / 石川三四郎】
書いてはみたもののピンとこない出来だったため、前の記事ごと長らく放置されていた。実際にアップする前にもだいぶ推敲を重ねたが、あまりいじくりまわすのも時間の浪費ということで、ここで切り上げた。子供の頃は読書感想文がそれなりに得意だった記憶があるが、だいぶ筋肉が落ちてしまったのかもしれない。このnoteをアップすることで、きっちり素振りをしていきたい。
8/21 新しい官能表現を考える会 #1
これも定期更新開始前からアイデアのあったコーナー。比喩の筋肉を鍛えようと思って始めたのだが、相当に大変なコーナーを作ってしまったと感じている。何よりもガチャを引いた時にちょうどいい単語の組み合わせかどうかの判断が難しい。ここでいう「ちょうどいい」というのは面白味についての判断で、例えば【バナナ】や【穴】という言葉ばかり出てしまうとあからさますぎて面白味に欠ける。砂場の小山を登ったところで登山の醍醐味を味わうことはできないのだ。となると「こんな言葉をどうやってねじ込むのか」と思わせる単語が混ざっていないといけないのだが、その塩梅が難しい。とりあえずガチャを引いては書いてみて、「これじゃないな」ということを繰り返している。つまりこのコーナーに掲載される文章は、下書きのまま死んでいった多くの骸の上に成り立っているわけだ。
本記事の最後の独白はいかにもフランス書院っぽい文体ではあるものの、どのくらいの人がこのあるある感を理解してくれるのだろうか。
8/25 mono-lessの文体練習 #6 【あいまい】
これも推敲に時間をかけた記事。「曖昧な表現をどれだけ出せるか」という語彙力・表現力の勝負をしているわけで、それだけに【アレ】という代名詞がどれだけ便利かを再確認してしまった。実際に後半まで取っておいて使ったときには、面倒くさい計算をマクロで片付けたときのような快感に襲われた。【アレ】と【ヤバい】の便利さは確実に語彙力を殺すと思う。アレは本当にヤバい。
8/28 mono-lessの文体練習 #7 【ニュース番組】
仮タイトルは「夕方のニュース」。こういうワンアイデアのパロディはすぐにできる。とはいえ頭だけで書くと似て非なる物が生まれがちなので、今回は実際にネットでいろんなニュース映像を見て参考にした。どの程度、効果があったかはよくわからないが。
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