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写真で巡る 南仏レモンの街 マントン

今年の5月に南仏を訪れ、大好きな町の一つマントンで日曜の午後を過ごした。

マントンはフランスのコート・ダ・ジュール(地中海沿岸)にある、イタリアとの国境の町。ニース からバスや電車で気軽に行くことができる。

半日から1日あれば徒歩で回れるコンパクトさで、特に目的をもたずとも、のんびりぶらつくだけでも楽しめるかわいい町だ。

♪ではマントン散策スタート

海岸沿いの遊歩道。
長い砂浜沿いに沿って幅の広い散歩道が伸び、そこに無数のバーやレストランのテラス席が並んでいる。

テラス席からの眺め 浜辺には5月だがすでに水着姿の人たち

テラス席の一つで一息。
ビールをレモネードで割ったドリンク、パナッシェを注文。
蒸し暑い午後にキリッと冷えた飲み物を心待ちにしていたが、フランスのビールはいつもぬるい。泡もサラサラ、ただの液体…。 

うだるような暑い日の、ぬるいパナッシェ

テラス席を出しているお店の本体は、車道を挟んだ反対側にズラリと並んでいる。
給仕たちは盆に載せた飲み物を片手に、車道を渡ってこちらへやってくる。

テラス席の本体の店 どうせならとかわいいお店を選んだ


一息ついて、いざ散策へ。
海辺の通りから一本裏側へ入ると、さっそく南仏らしい広場が現れてテンションがあがる。

お土産屋やレストランが並び観光客でにぎわうサン・ミッシェル通り

一年を通じて温暖な気候のマントンは、レモンの産地として知られる。
毎年2月に開催されるレモン祭りが有名なほか、お土産もレモンをかたどったものが多い。

レモンの石鹸を発見

冬に訪れると町のいたるところで鈴なりのレモンの木が見られるが、5月の町ではあちこちでオレンジがたわわだった。

観光客でにぎわうサン・ミッシェル通り散策した後、海に背を向けて進んでいくと、何やら魅惑的なのぼり坂に出会す。

旧市街へと登っていく道。高台にある町はかつては要塞の役目を果たし、その起源は13世紀にさかのぼるとか。

私は路地裏の階段にめっぽう弱い。
見つけると、誘われるようにしてフラフラとのぼっていく。
その先に何があるんだろう、路地の合間から覗く景色にはいつもドキドキする。

階段を登った先は、サン・ミッシェル大聖堂。

サン・ミッシェル大聖堂 外は明るいが17:00を過ぎており
中には入れず…

広場の反対側は、旧港を見下ろす眺め。
狭い道をのぼってきたので、視界がパッとひらけて飛び込んできた海の青さにハッとさせられる。

坂道はまだまだ続く

中世風の壁画にキュン

階段の先は住宅地で、上りもどんどんきつくなっていくので、ここまでくると、辺りをさまよっている物好きは私くらい。

だけどこのいかにも南仏らしい家並みが大好きなので、どの町へいっても住宅街巡りはキュンキュンする。

細い道や階段が組みわさってできた路地、トンネルのようになった抜け道、建物のくぼみの中のマリア様、石の建物や窓、ドア植物とのコントラスト。ちょっと乱れて生活感のある植木など。

もうどれもたまらない。
シャッターを押し出したら止まらない…

こうしてあっという間に時間が過ぎて、あわただしく坂を降っていく。

左手階段の先は墓地だった のぼってみたかった

マントンにはジャン・コクトー美術館とコクトーが手掛けた市役所にある婚礼の間があるのだが、今回はそのどちらも見ることができなかった(美術館は一時休館、市役所は日曜なので休み…)

帰りの列車までの時間つぶしにぶらついた旧市街だが、気づけば時間ぎりぎりでダッシュするハメに。
このように旅先では予想外のうれしい、だけど焦る出会い、というのがよくある。

少し内陸に入ったところにある駅周辺は、豪華な建物であふれていた。
急いでいるのに全然素通りできない…

マントンの市庁舎

帰ってきてから知ったのだが、マントンは19世紀末に貴族の避冬地として高級ホテルがたくさん建てられ、高級リゾート地としての顔を持つようだ。
また温暖な気候と相まって、見学できる庭園や植物園が充実している。

帰りの列車が迫る中、足が言うことを聞かず粘って撮った一枚

一方で旧市街でのローカルでのんびりとした暮らしがあり、定年後に住む街として人気がある。

冒頭でただ散策するだけでも楽しいと書いたが、それは小さな町の中に色々な要素が詰まっているからだと、今更ながら納得。

帰る間際、みかんの木と建物のコントラストが好きすぎて、時間がないのに写真をとるのに粘ってしまった。
そんな訳で植物園や庭園に立ち寄る余裕などは全くなく、残念。

思いのほか見るものが多く、のんびり静かな町をあわただしく後にしてしまったので、次はもっとゆっくりと見て回りたい。


おまけ:
参考サイト マントンの情報がわかりやすくまとまっています


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