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【自己紹介】作曲家から見た「鍵盤ハーモニカ」の可能性

皆さん、ぐっもニカ〜🎹MONICA MUSIC FACTORYです。

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鍵盤ハーモニカのアンサンブル楽譜を販売したり、音楽にまつわるコラムを執筆していくのが主な活動内容として予定されています。

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私と「鍵盤ハーモニカ」


 私は、「ヤマハ音楽教室」時代から作曲を始め、その後も音楽大学に通いながら専門的な作曲の勉強と、作品の制作に取り組み続けていました。
 いわゆる「現代音楽」と呼ばれるものに片足を突っ込んだような、アカデミックな曲を書いてみたり、高校時代の吹奏楽部での経験を生かして、管楽器のアンサンブル曲を書いてみたり。

 音大時代に制作した作曲作品の、「まとめ動画」を作ったことがあるので、お時間ある方はぜひご覧ください。


 そして、私は特に、音楽の中で楽器同士の音をどう組み合わせていくか、「オーケストレーション」の方法には昔から強い関心がありました。
 既存のクラシックやポピュラー音楽を、原曲とは異なる楽器編成で演奏できる状態にする、「編曲(アレンジ)」という作業には、音大生の頃からかなり力を入れていました。

 ときどきねえ、本っ当に変な編成でアレンジさせられる、いや、させていただくんですよ。こちらの動画は、ソプラノ、ファゴット、チューバの三重奏で日本歌曲を演奏しています。


 この日の演奏会がこのメンツ(楽器)だったから、この編成でアンサンブルすることになったんですよね。こういった事例は、特に知人の音楽家同士で開催するコンサートの現場では、案外珍しくないお話です。

 さて、そんな私が、ひとりの作曲家として初めて「鍵盤ハーモニカ」を自分の作品に取り入れたのが、今から三年ほど前のこちらの作品です。
(大学構内の試演会で披露した作品なので、動画はリンク限定公開になります。YouTubeのサイトからでは検索してもご覧いただけません)


 私が鍵盤ハーモニカを「鍵盤ハーモニカ」と呼ぶようになったのも、おそらくこの時期からだったと思います。
 じゃあ、それ以前はなんと呼んでいたのか? 「ピアニカ」って呼んでました。
 実際、自分が小学校の音楽の授業で買わされた水色の鍵盤ハーモニカが、ヤマハ様の「ピアニカ」だったので、決して当時の私の認識そのものが間違っていたわけではありませんが、「ピアニカ」はあくまでも商品名であって楽器の名前ではないんですよね。
 ヤマハっ子だったので全然知らなかったです。「エレクトーン」が電子オルガンの商品名であることと同じくらい知らなかったです。音大生が恥ずかしいですねえ。

 仕方ないではありませんか。
 音大に「ピアノ専攻」はあるし、「オルガン(電子オルガン)専攻」もあるけど、「鍵盤ハーモニカ専攻」はどこの音大・芸大に行っても存在しないのですから。

 ヤマハといえば、最近、こんな動画を見かけました。


 そう、まさにこういうパフォーマンスを三年前にやったのが、私のこの作品《ひとりぼっちのための鍵盤組曲》です。
 この「かてぃん」さんほど高い演奏技術を要求される作品ではありませんでしたが、やはりこの二つの楽器の組み合わせには興味があって、「鍵盤ハーモニカ」と「ピアノ」を同時に演奏するとどうなるのか、どんな新しい音楽が誕生するのか、私は知りたかったんですよね。
 この作品を作曲し、自らパフォーマンスしたことで、鍵盤ハーモニカという楽器への認識が、「決して子ども向けの楽器にあらず!」と、新しい方向へ変化していくきっかけとなりました。


作曲家から見た「鍵盤ハーモニカ」

 先ほども少し言及しましたが、音楽大学にはどこへ行っても「鍵盤ハーモニカ専攻」は存在していません。
 ヴァイオリンやフルートといった楽器の演奏家たちは、音楽大学を通して専門的な演奏技術や知識を学ぶことで、プロとしてのキャリアを積んでいきます。
 しかし鍵盤ハーモニカは、小学校などの教育現場では多く用いられる楽器でありながら、そういったプロの演奏家を育てるための教育機関は設けられていない現状があります。

 それでも、世の中には「鍵盤ハーモニカ奏者」を名乗るプロの音楽家が居たり、鍵盤ハーモニカの音楽教室があったり、鍵盤ハーモニカ・ソロでストリートライブを行ったり、鍵盤ハーモニカで音楽活動をする動きは現実に起きています。
 そして、彼らの活動は少しずつ世間に浸透し、鍵盤ハーモニカの活動領域もだんだんと広がっています。

 ただ、そういった布教活動(布教って言うな! by全世界の鍵ハモプレイヤーたち)を長年頑張って続けている方達の顔ぶれを見てみると、ピアニストと兼業していたり、鍵盤ハーモニカの巨匠のお弟子さんだったり、やはり鍵盤ハーモニカの「演奏家(プレイヤー)」によるものが大半なんですよね。

 もちろん、私も鍵盤ハーモニカの演奏は実際に行なっています。
 アウトリーチ活動で使ってみたり、クラシックコンサートのアンコール曲のアレンジに使ってみたり……少しずつですが、楽器を実演しながら布教活動を行なっているわけです。
 ですが、これほど活発に「プレイヤー」の音楽活動が行われてきているのなら、そろそろ、「作曲家(コンポーザー)」も鍵盤ハーモニカという楽器について、真剣に向き合う時期が訪れたんじゃないか? って思い始めるわけですよ。「編曲家(アレンジャー)」でも良い。とにかく、職業作曲家の方達にも、もう少し鍵ハモのことをたくさん興味を持っていただきたいんです。
 作曲家からの鍵盤ハーモニカへの視線は、本当に微々たるものです。あのWikipediaですら、鍵盤ハーモニカの自作品への導入に関する記述は全然載っていません。

 弦楽四重奏のノリで鍵盤ハーモニカ四重奏したって良いじゃないですか。メロディオンバスを鍵ハモカルテットの正式メンバーとして迎え入れてみませんか。
 木管五重奏にホルンがいるなら、管楽六重奏に鍵盤ハーモニカがいたって良いじゃないですか。クラシック音楽を鍵ハモで演奏してみませんか。
 ジョン=ケージはどうしてトイピアノの曲は書いたのに、鍵盤ハーモニカの曲は書かなかったんだ? 同じ教育用楽器でも、リコーダーは現代音楽作品も結構いろいろあるらしいぞ!


 あると思うんです、「鍵盤ハーモニカ」には。
 新しい音楽を創造する力が!


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最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました!
これからもMONICA MUSIC FACTORYの活動を、応援よろしくお願いいたします!!

それでは、またお会いしましょう! ぐっばいニカ〜🎹

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