柔道モンゴル代表チーム
過去の記事も目を通していただいている方はご存知だと思いますが、僕は2020年1月よりモンゴルの柔道代表チームでトレーナーとして活動しております。
ここでの出来事に関しては任期を終えてから、振り返りつつ記事にしていこう考えておりました。しかし、リアルタイムに近い方が情報価値があるのかなと思うようになりました。したがって、選手やチームに迷惑のかからないよう配慮をしながら、ご紹介していきます!
概要
チーム構成
現在、Khaliun Boldbaatar監督のもと代表チーム常在のコーチが5名、メンバーに登録されている選手が50名ほどいます。実際、練習や合宿時は他にも多数のコーチや選手が参加するため、正式な数は把握しておりません。
他のスタッフとして事務作業をする方々を除けば、僕と教え子の2人のみ。主にメディカルを担当しております。
普段の練習
代表の練習は、大会前や長期休暇などの際に招集がかけられ行われるのが一般的かと思います。柔道モンゴル代表は一年を通して代表の練習が行われ、他国(他競技)のチームと異なる大きな特色として挙げられます。
練習会場は首都ウランバートルの中心部にあるスポーツ宮殿と呼ばれる施設です。
時期によって多少異なりますが、練習は平日2部練(午前・午後)、土曜日は午後に筋トレ、日曜のみオフという形です。時間はそれぞれ2時間前後。柔道のみで生活している選手はほぼおらず、警察や国境警備など国家組織に所属していたり、何かしらの仕事をしていたりします。したがって、一年中練習は行われるものの毎回全員が必ず揃うとは限りません。とは言え、容易に休みの許可が下りるわけでもないので、多くの選手が毎日練習に勤しんでおります。
合宿
通常の練習の他に、オリンピックや世界選手権など大きな国際大会前に国内合宿が行われます(年に2,3回ほど)。
ここでの様子や施設などについては、後日別記事で紹介します。
現在の主な有力選手
近年、国際大会でメダルを獲得することが増え、有望な選手が多数いますがキリがないので、今回は厳選して2名をピックアップ。
66kg級 Yondonperenlei Baskhuu
老けてみられがちですが、僕と同じ93年生まれの選手。練習は常に誰よりも全力で取り組み、それ以外の時間は誰よりもおちゃらけているのが印象的。彼の陽気なダンスにいつも笑わせてもらっています。
73kg級 Tsend-Ochir Tsogtbaatar
かつて60kg級でしたが、73kg級に上げてから一気に開花。様々な大会で結果を残すようになり、東京オリンピックでも見事メダルを獲得。僕個人的にいつもお世話になっている選手の一人。子供向けのアニメをよく見ています。
大きな功績を残した主な選手
100kg級 Naidan Tüvshinbayar
全ての競技を含め、モンゴルに初めてオリンピックの金メダルを持ち帰ってきた選手。当時のことをコーチの一人が「大会最終日になり、未だメダルはゼロ。今大会はこれで終わるのかと意気消沈しており、まさか彼がメダルを取ることすら誰も想定していなかった。」と語っておりました。そんな英雄も今では過去の栄光…その理由については割愛させていただきます。
48kg級 Munkhbat Urantsetseg
寝業のスペシャリストとして、数多くの国際大会で結果を残してきました。国際柔道連盟主催の大会で2009年-2019年の間に、最多メダルを獲得したと選手としてギネスブックに記録されました。現在はアメリカで総合格闘技の選手として奮闘中。
最後に
今回は、さらっと概要をご紹介しました。次の記事をどんな内容にするかはまだ未定。国内のことか海外遠征のことか…
モンゴル柔道について興味がある方はスキボタンを押したり、何かリクエストをいただけたりすると大変励みになります。
読んでくださっている皆さん、いつもありがとうございます!
なお、10月6日-13日にかけてウズベキスタンのタシケントにて世界選手権が開催されます。ちなみに、この記事を書いている現在(2022年9月23日)は、その大会に向けて合宿中。
ぜひ大会の様子もチェックしていただければと思います。
改めまして、これからモンゴルの柔道チームをどうぞよろしくお願いいたします!
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