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【左官の垣根】モンゴルの発展に向けて僕が考える課題

【左官の垣根】専門違いの仕事は、素人がしたのと同じで、うまくいかないことのたとえ。壁塗りが専門の左官が、畑違いの垣根作りをしても、うまくできないことからいう。「左官」壁を塗る職人。宮中の修理に、木工寮の属(官位の一つ)として出入りを認められたことからいう。左官はあて字。

https://proverb.jp/list/2073


「餅は餅屋」ということわざがあるように、多少お金がかかったとしても仕事はその道の専門家に任せた方がいいことを痛感します。

モンゴルで働いてきて実際に感じてきたことを書き綴っていきます。


この国の現状

僕の住んでいるモンゴルはいわゆる「先進国」

ではありません。

この国にあまり馴染みがなくとも、それくらいはみなさんのイメージにあることでしょう。

平均月収が3~4万円くらいと言われており、とてもじゃないが裕福な暮らしができるとは言えない環境です。学校の教員や医療従事者もそれくらいが一般的。

ちなみに、某コンビニチェーン店のアルバイトは時給100円(2,500MNT)らしいです。10時間働いてやっと日本の1時間分…

衝撃的です。いや、それを越えて申し訳ない気持ちになりました…

貯金がないのはもちろんのこと、借金や質屋にお世話になる方々も珍しくはありません。

「まぁ給料が少ないってことは、物価も安いのだろう」「きっと仕事もそんなしていないのだろう」そう思うかもしれませんが、そんなこともありません。

今回は物価には触れず、後者の仕事について少し深掘っていきます。


マルチプレーヤー

僕はモンゴルの大学に所属していますが、周りの教員たちの仕事量はハンパないです。どんなことをしているのか挙げ出したらあまりにも多種多様であり、キリがないので割愛しますが、明らかに教員がやるべきではないものをやらされていることが多いと感じます。

例えば、学校のパンフレットや紹介動画の作成、スポーツ大会や(教員家族対象の)お楽しみ会の企画と運営 etc…

教育・研究・医療などに関することであれば、何も言うことはありませんし、多少の雑務であっても組織を成り立たせるためには仕方のないことでしょう。

しかしながら、その雑務比重が圧倒的に大きい。

なぜこんな状態になっているのか。
主に考えられることの一つとして金銭問題

細かく書くと非常に長くなるので、流れを簡単にまとめてみました。

(人を雇ったり業務委託する)
金がないという理由で
専門外の業務も教員が担当

学生の教育に支障

未熟な卒業生を輩出

働いても低賃金

自己研鑽に投資しない

その子は成長しないし
医療業界も発展しない

需要や価値が上がらない

教員や医療従事者を目指す人が増えない

教育機関の収益が増えない

人材雇えないうえに
教員の給料も増えない

教員の負担は多いうえに
モチベも上がらない
(上に戻る)

予算がないため、自分達で何とかしようということは理解できます。ところが、それがあまりにも多過ぎるし、結果として今後の進展が見込めないと感じます。

別のことで喩えてみましょう。

壁が剥がれた

金がない

職人や道具(材料)がないけど
自分たちでやってみよう

なんとなく直せた

すぐに劣化
(上に戻る)

何度自分たちで直しても結局はすぐに劣化し、それの無限ループ。

ちゃんとした職人に頼めば、費用は高いかもしれませんが労力や再度修理をするリスクは軽減できることでしょう。

実際、モンゴルの方々は家具や水回りの修理を自分でこなすことが多いです。ちなみに業者に頼んだとしても安くやってくれるところは恐ろしくクオリティが低いので要注意。

(実話ですが、新しい校舎が建設された際、塗装の一部や設備の搬入、清掃なども若手教員たちが休みの日や授業を削ってやらされていたのは、ここだけの話…)

投資の大切さ

財政が厳しいのは重々承知していますが、何でもかんでもコストカットするのはあまりにもマイナスが大きいのでは?目先の損失だけでなく、長期的な目線を持って然るべきところに投資しなくてはならないことを強く感じます。


投資なくして成長なし


これは単に組織の話だけでなく、自分のことにも当てはまりますよね。さらに言えば、投資するものはお金だけでなく、時間や境遇なども…

ただでさえ難しいのに、文化や価値観の異なる相手(組織)の意識を変えるのは徒労に終わることでしょう。いや、実際にそうでした。学生や今後のことを考えると申し訳ない気持ちでいっぱいですが、仕方ない…

自分は何のために、何に投資をしているだろうか。

これらを教訓として、これからも精進して参ろうと思います。


今回はこの辺で…

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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