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少年院 №7 切ない指きり

 目が覚めても考える事は同じだった・・・。俺に足りないモノは一体何なのか? 年齢? 経験? 経済力? 常識? 責任? 上げればきりが無かった・・・。それでも{俺は絶対に子供を育てられるっ。}そう強く思う気持ちが俺の自信なんだと、身勝手に履き違えていたのだった。反対された怒りに反発し、強がり意地を張っているだけなのか・・・?俺は何度も繰り返し心で問いかけた・・・が、

「そんなもんはどうでもいいじゃろがぁ!!」

俺は、一向に答えもでない苛立ちから、荒れ狂った。道行く野郎と目と目が合えば、喧嘩を売り、一方的な暴力で八つ当たり・・・。盗んだバイクで暴走族の集会に単独で参加し、風になりスリルの中鬱憤を晴らす・・・。、シンナーをしこたま吸って、タバコ幻覚に狂い快楽に溺れ現実からの脱走・・・。いつしか麻美は俺に会う事すら避けるようになり、もうすっかり親のいいなりになってしまっていた。シンナー臭い俺に説得力なんか、これっぽっちもなかった・・・。それでも俺は、子供を産み育てることを主張し、あきらめなかった・・・。

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