確認のバス停。

仕事が終わり駅からバスに乗る。

はじまりのバス停。

３つめのバス停、大きなウィンドウガラスの前で、弾ける若さを存分に楽しみ、踊り集う者たちの確認。今日は人数が少ない。

５つめのバス停、暗闇に鎮まりかえった白い階段を見つめる。誰もいないお寺の入り口。柳の枝がほんの少し揺れている。

７つめのバス停、小さなお店の中は煌々とした明かりが灯っている。大きな観葉植物の葉っぱが美しく映える優しいアイボリーの店内。今日もおじさんはひとりぼっちでミセスの髪を切っていた。おじさんはいつも微笑んでいる。

９つめのバス停、駐車場に沢山の観光バスが停まっている。もうツアーの時期か。食べ放題の美味しいカニを味わって、白い頭髪がやっと馴染んだ人生の年輩者たちは、笑顔と幸福で満ちた時間を過ごしているかな。

１１個めのバス停、長い長い坂の途中。暗く誰もいない坂の途中。外灯がどうしても、チカチカしていて、集まっている蛾の羽音がとても不気味。ここで降りてもいいんだけど、ぼくはずるいし臆病だから。

１２個めのバス停、さぁ、降りて、ほんの少し引き返そう。今日も確認終了、異常なし。皆様お疲れ様でした。では、またあした。

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