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2020年2月の記事一覧
Liar kiss*永遠の片想い*(最終話)
第十四話はこちら。
15.嘘と真実と永遠の片想い
「なーんだ。せっかく久しぶりに美紀にカッコイイところ見せようと、張り切るつもりだったのに」
「……本当にごめんね、今度こそは絶対に行くから!」
少し拗ね気味の蓮佑さんの機嫌を取るように頬に口づければ、ブスッと膨れていた蓮佑さんの頬から、空気が抜けて笑顔になる。
「まぁ、相手が皆実ちゃんならしょうがないよな」
「うん、本当にごめんね! 明
Liar kiss*永遠の片想い*(第十四話)
第十三話はこちら。
14.行方知れずの恋
「ごめんな、昨日は」
「……ううん、大丈夫」
唯と別れてから、重い気持ちのままやってきた蓮佑さんのお店。
まだ早い時間のせいか、お客さんは誰もいなくて、カウンターの一番端っこに腰をおろす。
優しくされればされるほど、蓮佑さんを裏切ってしまったという事実に苛まれる。
唯の気持ちを、ありがたいとは思ったけれど、だからといって、すぐにたっちゃんの胸に
Liar kiss*永遠の片想い*(第十三話)
第十二話はこちら。
13.行き場のない嘘
結局、一睡もできないまま、迎えてしまった明け方。
一糸纏わぬ姿で、近くに脱ぎ捨てられていたシャツを羽織った。
左手や左足の痛みなんて、全く感じないほど、心の方がよっぽど悲鳴をあげている。
“好きだった”
たっちゃんのその言葉が、頭の中をずっとリフレインしていて、離れてはくれなかった。
せめて、夢ならよかったのに。
そうすれば、まだ友達のままでい
Liar kiss*永遠の片想い*(第十二話)
第十一話はこちら。
12.友達のままで
「……何だか最近、元気ないみたいだけど、大丈夫?」
たっちゃんに会いたくなくて、避けるように早く出社した休み明けの月曜日。
屋上でコーヒーを飲みながら空を見ていると、亜弥さんが近づいてきた。
「そんなことないよ、元気元気! ほら、月初は毎度のことながら疲れてるから、そのせいよ」
亜弥さんに心配かけたくなくて、笑ってみせる。
「……そう? ならいい
Liar kiss*永遠の片想い*(第十一話)
第十話はこちら。
11.悪戯な運命
夕飯までみんなで食べて、小野さんに送り届けてもらったときは、もう九時を少し過ぎたころだった。
仕事あるからと、一番最初に車をおりた蓮佑さん。
道順的にその後皆実を下ろすと、次は私とたっちゃんだった。
二人で小野さんの車が見えなくなるまで見送ったけれど、どちらからも、“おやすみ”も“バイバイ”も言い出せなくて、ぼーっと空を見つめる。
「……美紀、あの、さ
Liar kiss*永遠の片想い*(第十話)
第九話はこちら。
10.交わらない二人
「もう、蓮佑さんが美紀ちゃんの彼氏だったなんて、知らなかったわ。美紀ちゃんってば、全然話してくれないからびっくりしちゃった」
楽しそうに、小野さんの運転する助手席から後ろを振り返る亜弥さん。
「いや、この間亜弥ちゃんが達矢と店に来てくれたときは、まだそういう関係じゃなかったんだよな、美紀?」
蓮佑さんが、私の手を握りしめながら、同意を求める。
八
Liar kiss*永遠の片想い*(第九話)
第八話はこちら。
9.嘘吐きな恋人たち
「……やっぱり、行かせたくないな」
三度めの同じ言葉を口にした蓮佑さんは、カウンターの中から複雑そうに笑った。
「ごめんなさい。でも約束で……」
「わかってる。でも、行かせたくない」
明日は土曜日。
小野さんの誕生日だ。
蓮佑さんに、嘘を吐いてまで出かけられなかったから、正直に話したのはいいけれど、頷いてくれない蓮佑さんに、私も困惑してしまった