フリーランスの実態 #6「クライアントワークは楽しいの?つらいの?」
こんにちは!フリーランスライターの、やまももです。
フリーランス歴は約12年。この「フリーランスの実態シリーズ」は、フリーランスに興味がある人に向けて、リアルな思いや生き方、働き方をお伝えできればと思い、まとめています。
▼フリーランスの実態シリーズ
簡単に「フリーランス」といっても、活動内容やライフスタイルは多様です。
かつてのフリーランス仲間も、自分らしく仕事に打ち込んでいる人もいれば、途中で廃業した人、あるいはまったく違う方向へキャリアを転換した人…いろいろ。
世の中の変化を感じながら、自分の人生は自分で切り開いていくしかないのだと、ますます実感します。
最近の私は、フリーランスになりたい人の相談にのったり、実際にサポートをしたりすることが増えています。
そういった中で感じるのが、思った以上に「クライアントワーク」について不安を抱いている人が多いのだなということ。どうやら、ネット上にあふれる声(「クライアントワークで疲弊した。やめとけ」)みたいなものも影響しているようです。
でも、一部の情報に惑わされてやる前から諦めてしまったり、固定概念にとらわれたりしてしまうのは、すごく残念だなと感じています…。
事実、私はクライアントワークが好きで、魅力も感じています。
(その理由は後ほど書きます)
そこで今回は、クライアントワークについて、自分の考えや体験を交えてまとめてみようと思います。
クライアントワークとは?
まず、クライアントワークとはどんなものか?を共有します。
フリーランスのクリエイター界隈でよく聞く「クライアントワーク」は、「クリエイターがクライアント(依頼者)からの依頼にもとづいて行う仕事」を意味します。
デザイン、イラスト、映像制作、ライティング、プログラミング…これらのスキルが活用される領域では、クライアントワークのニーズがとても多いです。
お客さんの「こんなものを作ってほしい!」「こんな課題を解決したい!」という思いに応え、その対価をいただく。
シンプルにいえば、これがクライアントワークです。
対極に位置する言葉としては「自主制作」や「創作活動」あたりが、まあ近いかなと思います。
私が思う、クライアントワークに向いている人・向いていない人
ここからは、クライアントワークに関する「向き・不向き」のお話をします。
が、正直にいうと、仕事の「メリット・デメリット」や「向き・不向き」みたいなことを語るのは、少し抵抗があります…。
というのも、その仕事や働き方が本当に合うかどうか、楽しいと思えるかどうかは、その人の経験・能力・価値観・性格・状況…さまざまな要素が影響し、こうだ!と簡単に言えることではないと思っているからです。
なので、ここから記す内容は「私の経験にもとづく考え・意見」として捉えていただければ幸いです。
向いていると思う人
クライアントワークに前向きに取り組める人(クリエイティブ系)は、お客さん(クライアント)の困りごと・ニーズに、自分の知識やスキル(+感性)で応えていくプロセスを楽しめる人だと考えています。
「こういうことを目指したいのですが、お願いできますか?」がクライアントワークにおける依頼の基本。
そのため、「誰かに頼られるとうれしい人」も、私はクライアントワークに向いていると思います。
なお、クライアントワークは、コミュニケーションが大事です。そこをおざなりにすると、クライアントと良い関係を築き、プロジェクトをスムーズに進めるのが難しいためです(結果的に、信用・信頼もされなくなってしまう)。
ですから、丁寧で人間味のあるコミュニケーションを避けて通ることはできません。
他者(クライアント)と仕事の目的を共有し、そこに向けて一緒によいものをつくっていこう!と前向きになり、力を発揮できる人であれば、クライアントワークはきっとうまくいきます。
向いていないと思う人
クライアントワークが向いていないと思うのは、誰に何も言われることなく、自分の世界観をひたすらに表現したい人です。
もう少し詳しくいうと、いわゆるアーティストのような創作活動がしたい人、自分の感性・世界観を大事にし、妥協なく、自分の名前で売れる作品や、自分が信じるサービスを世に出していきたいといった人です。
ちなみに創作活動でも、表現の結果として「自分の作品」を誰かが買ってくれることはあるかもしれません。
お金のやりとりはさておき、自分の内側から湧き出たものを形にしたい!という思いにとことんこだわりたい人は、クライアントワークはあまり楽しめないんじゃないかなと考えています。
私にとってのクライアントワーク
ここから私自身のことをお話しますね。
冒頭の繰り返しになりますが、私はクライアントワークが好きです。
クライアントのニーズを把握して、「こうしたい」を実現するために頭をひねり、価値を提供すること、喜んで満足してもらえることに、やりがいを感じます。
また、クライアントワークでも「自分らしさ」を発揮する感覚を持つことはできています。
それを強く感じられる瞬間は、クライアントが「私個人」に思いを寄せて、お仕事を依頼してくれたとき。
単価も、納期も、よいよいものをつくるためのアイデアも、こちらの思いや希望を汲んで尊重してもらえる存在になれば、(その内容が叶う、叶わないは別として)クライアントワークでも大きく疲弊することはまずないと思っています。
もし、自分にとって合わないクライアントがいたら、付き合わなければOK。仕事を自分で選べるのも、フリーランスだからこそです。
(あなたは長くやってるからそうなんでしょ!と思う人もいるかもしれませんが、私はフリーランス歴が浅い段階から、疲弊しないフリーランスを目指して動いてきました。歴関係なく、まず考え方は大事と思っています)
クライアントワークでは、お客さんのさまざまな要望に応える中で、思いもよらぬ知識が身についたり、スキルアップしたりする機会にも恵まれます。
自分だけでは手掛けられない大きな仕事に挑戦できたり、出会いによってチャンスが広がったりすることも。
これらも、私はクライアントワークの魅力的な点だと感じています。
なお、私はもともと自己表現や創作の方面にも関心があるので、クライアントワークにプラスして、「自分主体」での活動を生活に取り入れることによって(ライティングに限らず)、ほどよいバランスを保っています。
一方で、アーティスト志向が強い人だと「クライアント」という存在を意識すること自体がストレスとなり、クライアントワークなんて絶対に嫌、無理だと感じるかもしれません。
結局、クライアントワークの向き・不向きを判断するための大きなポイントは、「他者(クライアント)のニーズに応えることに、自分がポジティブな思いを持てるかどうか」という気がします。
ここで引っかかると、どんな分野であっても、続ける中でもどかしさや苦しさを感じる瞬間が増えてしまいそうです。
自分自身の理想のスタイルを見つけてほしい
最後に…
私が何よりも伝えたいのは、「クライアントワークが良い・悪い」ではなく、自分自身に合うスタイルを探す、見つけることの重要性です。
そのうえで、理想の仕事や活動ができるように、自分自身を磨いていくことが大事だと考えています。
ネット上では、とくに駆け出しフリーランスの方の「クライアントに騙された」「クライアントに振り回された」といった不満・怒りの声をちょくちょく見かけます。
もちろん、とんでもないクライアントも存在するのは知っています。詐欺みたいなものはもはや論外、無視するとして…。
ただ、そもそも「悪質」と思わざるを得ないようなクライアントに引っかかってしまったり、クライアントに振り回されたりする原因を作ってしまうのは、フリーランス側というケースも少なからずあると、私は思っています。
(なんでも自責思考にすべきとは言いませんが、自分の選択や振る舞いを省みずに簡単に他責にしてしまうと、なかなかステップアップは難しいかなと…)
クライアントは、フリーランスをいじめてやろう!みたいな人たちばかりではないです。むしろ、思いやりや情熱があり、対等に向き合ってくれる方々に、私はたくさん出会ってきました。
「クライアントワーク=自分を犠牲にすること、クライアントの奴隷になること」ではありません。
ただし、フリーランスとして楽しく幸せに仕事を続けていくには、ライティングやWebデザインなどの専門スキルだけを身につければいいわけではないという点も重要です。「プロ」として、どんなクライアントと、どう信頼関係を築いて付き合っていくのか。考え方や人格なども、本当に大事なんです。
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ちょっと熱く語ってしまいましたが、今回は日頃から考えていることや、フリーランスになりたい方に直接お伝えしていることの一部をまとめました。
少しでもどなたかのヒントになればいいなと思っています。
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