坂田

国語辞典の編集、校正など。目下、猫と読書と韓ドラと中国語学習の日々。

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国語辞典の編集、校正など。目下、猫と読書と韓ドラと中国語学習の日々。

マガジン

  • ブックレビュー

    シミルボンに投稿していた書評記事を中心に置いてあります。

  • ことのは

    気になる言葉を集めてます。

最近の記事

近況(2024/10/15)

酷暑による夏バテが治まりかけた頃、9月の初旬にコロナに罹った。初感染だった。ひとり暮らしだし、いまだマスクを離さない毎日だったので、もしかして私はこのまま逃げ切れるんじゃないかと思っていたが、親戚のお葬式というよくあるシチュエーションでもらってきてしまった。 私が感染したとき、世間的には流行に一段落ついていて、休診で向かった病院でも、当初は「休診ではコロナの検査はしません」と言われたものの、前出の直近の行動を説明した途端、「検査します」となり、その検査は無駄とはならずに、「

    • 朝活

      千代田区役所の10階から、北の丸公園を見下ろしながら、朝ご飯食べてる。朝定食300円。ご飯、小鉢、生玉子、味のり、納豆。ご飯は少なめにしてもらう。満腹になるまで食べることは諦めた人生である。それより生への執着が勝る。犬たちの思い出、猫たち、お仕事、青空、朝に見る月、物語の世界…。

      • キム・イファン他『蒸気駆動の男 朝鮮王朝スチームパンク年代記』

        韓ドラ沼にドはまり中のAとBの会話。 A:「ムービング」全20話観了!  韓ドラますますスケールデカくなってきた。超能力者同士のバトル、とんでもない迫力。映画『エクストリーム・ジョブ』でのチキン屋に定評があったせいか、リュ・スンリョンはここでもチキン屋でさ。もう絶対彼はリアルでもチキン屋やると思う。 B:完全に次のシーズンを見越した終わり方をしたよね。こうしてうちらはまた数年後まで生きのびなくてはいけなくなった。 A:で、Bは次に何を開封(沼語で新しくドラマを見始めるこ

        • その後の遺影

          世界三大持て余すモノの一つと言っていいのは、葬式で使った遺影のクソでかポスターだと思う。 大きく引き伸ばされた遺影は、たとえ愛する家族であっても家に常時飾っておく気にはならない(オリジナルの写真は飾ってある)。 丸めて捨てるわけにもいかず、丁寧に折りたためば捨てられるかというと、それも気が引ける。他の大きな紙類のように小さく切り刻んで裏をメモ紙にする、わけにもいかない。 とにかく、持て余しているのだ。いっそ葬儀社は家族に返却せずに処分してくれまいか。一度手に取ってしまっ

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        • ブックレビュー
          25本
        • ことのは
          5本

        記事

          11月の中国語検定3級受験は見送ることにした。次々回に照準を当ててがんばる。

          11月の中国語検定3級受験は見送ることにした。次々回に照準を当ててがんばる。

          詰め替え用コンディショナー

          ドロドロとしているせいか、ポンプに入れても残り三分の一くらいで詰まって出てこなくなる。もっと真剣に議論して改良してほしい案件。 あと、下着を買うと紙タグがミシンで縫い付けられてるの。あれ取ろうとしてレースが解けたりするので、こちらももっと真剣に議論して改良してほしい案件。

          詰め替え用コンディショナー

          伊藤比呂美『犬心』

          〈急いで書かないと、タケのいのちに置いてけぼりにされてしまうような気がしている。〉 南カリフォルニアに暮らす伊藤比呂美一家が飼うジャーマン・シェパードのタケはこの時点で十三歳。大型犬ではかなりの高齢だ。十五年前に渡米、ほぼ同時期をタケとともに過ごした。 〈何年間も同じものを食べ、同じところを歩き、同じ期待を、同じ仕草をくり返す。寝て起きて、また同じ日をくり返す。〉そしていつの間にかタケの老犬時代は始まっていた。犬の一生は短い。 〈ああ、ほんとうに、急いで書かないとタケの

          伊藤比呂美『犬心』

          いしいしんじ『ある一日』

          不思議な小説である。 作者であるいしいしんじ夫婦の「わが子の誕生」という実体験をもとに書かれた小説であるにもかかわらず、非現実の世界へとふと読者をさらっていってしまう。そして、また気づくと現実の世界へと引き戻されているのだ。現実と非現実、または《光》と《闇》を行ったり来たりしながら、私たちはこの夫婦の特別な一日を追体験する。 〈百年前までは辛うじて生きていた闇が、いまはもう容赦のない光を当てられ、居場所を失い、とうに息絶えてしまったかにみえる〉という現代にあって、慎二・園

          いしいしんじ『ある一日』

          ツイート

          2023年7月24日、TwitterはX(エックス)と名称を変更した。 それに伴い、「ツイート」は「x's(エクスズ)」に変更するとされたが、 現時点では「ポスト」という名称がアプリ内では使われている。 「ツイート」に関しては、私のスマホに入っている辞書をざっと見るかぎり『大辞林第四版』『三省堂国語辞典第八版』『デジタル大辞泉』には立項されている。 その中の『デジタル大辞泉』の語釈を見てみると ああ、確かに昔は「つぶやく」って言ってたなあと、しみじみ思い返してしまった。

          ツイート

          いとうせいこう『想像ラジオ』

          「もしもし? 今、大丈夫?」 「うん、大丈夫よ。元気だった?」 「私は元気。ママはどうなの? 痛みは?」 「もうどこも痛くないよ。元気百万倍!」 「よかった。それだけ、心配だった」 「にしてはご無沙汰ね。忙しかったの?」 「忙しかった。でも、本当はこうやって電話できることに気がつかなかったんだよ」 「そうなんだ。よく気がついたね」 「うん。本を読んだ」 「死者に電話する方法が書いてあったの?」 「うん。想像するの。ママの声、語彙、語尾……。今、神経を集中させて想像している」

          いとうせいこう『想像ラジオ』

          「突」という漢字の成り立ちは、 とのこと。 もともとは「大」は「犬」と書いた。 昔の人にとっての犬というのは、おそらく私たちにとってのペットとしての犬よりも獰猛な印象があるだろうから、「穴から急に犬が飛び出す」という状況は、くすっと笑ってしまいそうなほほえましいものではないのかもしれない。 でも、やはり現代の感覚だと、漢和辞典で成り立ちを調べて、「か、かわいい」と思ってしまう。 以前飼っていた犬(桃)は、私と「かくれんぼ」ができた。もちろん、典型的な「頭隠して尻隠さず

          冷首

          こういうことばに出会うと、日本語の造語力ってすごいなあと思ってしまう。そして、時代が移り、人の生首など日常にない現代においても、「冷首」と言われると、「うまいこと言うなあ」と感心してしまう自分がいる。なんでだろう。 この冷首には、なにかこう冷笑の気配がある。 「あいつはよお、威張っているがよお、生きてる人間の首を斬ったことがねえんだ」「いっつも、死んだ輩の首を切り取って手柄にしている」 「ぜーんぜん違うだろ。生きた人間の首を斬るっていうのはな。そりゃ、ぜーんぜん違うんだ

          ぼっと

          埼玉出身である。 ちなみに、今も埼玉に住んでるし、実は埼玉にずっと住んでいる。 先日、ふと、小さい頃、友達と遊んでいて、よく言ってたことばを思い出し、手元の辞書を引いてみた。だが、ない。どこにも、ないのだ。 埼玉っ子は、自分が共通語を話していると思っている。 まあ、群馬や栃木との県境近くに住んでいた高校の同級生なんかは、結構訛があったが、しかし、少なくとも大宮に電車で10分という場所に住んでいる私が話している言葉は、NHKのアナウンサーのしゃべる言葉と一寸の違いもないと思って

          テクシー

          20代後半の頃、辞典編集アシスタントをしていたのだけど、この言葉が特にその頃の中でも記憶に残っている。たぶん「うまいこと言うなあ」という感想と、「おやじ的発想だなあ」という感想と、ダブルでトップレベルだったからだと思う。 が、日国で調べてみると、思った以上に「古い」言葉だった。「おやじ」どころではない。「ひいおいじいちゃん」が言ってたであろうギャグだった。日国は初出を拾っていると思われるので、1919年には流通していたことになる。1912年に本家のタクシーが日本での営業を開

          テクシー

          スピンオフ!『剃髪式』

          大好きなフランツィンが戦争から帰ってきて私はてっきりプロポーズされるとばかり思っていたのに、別の女と結婚しちまった。それが時代遅れなほど髪を伸ばした女でさ。あの女が前にいると、視界がまったく遮られてしまうのに、本人は知らんぷりですましてる。いやあれ絶対わざとだと思うんだよね。 私もいつまでも落ち込んではいられないからさ。あの女がいつフランツィンに愛想を尽かされるかわかったもんじゃないもの。だいたいあんなバカで能天気で男に色目を使う女にフランツィンの奥さんが務まりますかって。

          スピンオフ!『剃髪式』

          おとぎ話のスピンオフ! 名前を得た王子たちの冒険

          と、その前に「プリンス・チャーミングと呼ばれなかった」王子とその侍従の会話をお聞きいただこう。 侍従「王子さま、お目覚めですか? ただいま朝食の用意を」 王子「うん。ところで、今朝は何か面白いニュースはないの?」 侍従「シンデレラさまのお話はもうお聞きになりましたか?」 王子「シンデレラ? 継母とその娘たちに苛められていたけど、王子とめぐり合ってめでたしめでたしの女の子だよね?」 侍従「左様でございます。が、そのシンデレラさまが王子の元を去られたとか」 王子「えーー、マジ?

          おとぎ話のスピンオフ! 名前を得た王子たちの冒険