その後の遺影
世界三大持て余すモノの一つと言っていいのは、葬式で使った遺影のクソでかポスターだと思う。
大きく引き伸ばされた遺影は、たとえ愛する家族であっても家に常時飾っておく気にはならない(オリジナルの写真は飾ってある)。
丸めて捨てるわけにもいかず、丁寧に折りたためば捨てられるかというと、それも気が引ける。他の大きな紙類のように小さく切り刻んで裏をメモ紙にする、わけにもいかない。
とにかく、持て余しているのだ。いっそ葬儀社は家族に返却せずに処分してくれまいか。一度手に取ってしまったら、捨てられないものがこんな大きいというのはあまりに理不尽ではないか。
だが、最近行った葬式では遺影は写真の拡大ではなく、デジタル画面になっていて、これは素晴らしいといたく感動してしまった。これなら遺族に大きな遺影ポスターが渡されることはない。欲を言えば画面の縦横比がおかしくて、遺影が実際より横に引き伸ばされたものになってしまっていたことか。
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