永遠に引越しの事を考えている人生。
インターネットで無数の不動産情報にアクセスできるようになったうえに、グーグルマップという驚異の利器が日常に標準装備されたおかげで、日本の各地での生活イメージをリアルに想像できるようになった。
稚内の物件から、糸満の物件にまで、瞬時にアクセスできるのだ。すごい。
間取りや外観もさることながら、グーグルマップでその家の建つ街角の様子まで見ることができる。
家賃が200万円払えるなら、小国の大使館のような300平米超の麻布のマンションに住める。2億円あったら、軽井沢の森の中に古城のような家が建てられる。
一方で、空き家バンクなんてものを見てみると、数十万円の古民家とか菜園付き一軒家とか、これまたいろいろと物色できる。
これまでもnoteに書いてきたが、私は引越し好きな割に、本の山やら動物やら、引越しのネックになるようなものに囲まれて暮らしている。
少し様子見の電話ができないと「よくあたしのこと心配じゃないねぇ」とか遠距離恋愛中の彼女みたいなとこを言ってくる老母も近在にいる。
だからなかなか思い切った転居は思うに任せないが、だからこそ妄想力は育まれる。
海外で単身暮らしているYoutuberの動画など見ると、またムクムクと妄想が沸く。
そしてやはりグーグルマップで、喧騒のバンコクや、ペンシルバニアのひと気のない公園や、むかし読んだスパイ小説の舞台だったオデッサのひび割れたアスファルトなどをひとしきり眺めるのだ。
そこで迎える朝や、買い物や、コミュニケーションを想像しながら地図をスクロールする。
中東やアフリカや中国は、さすがにストリートビューはないが、それでもポイントビューのような写真は見れるのだからそれだけでもすごいことだ。
今この場でケニアのセレンゲティ国立公園のなかにストンと立って、360度を見渡せるのだ。全く驚くべきことじゃないですか。
毎回のように書いてしまうが、本当に、想像上の未来にいつの間にか暮らしている感じだ。
日常というものが、いつの間にかこんな感じに未来的に変わり続けるなら、意外と数年後には本当に、私も遠い遠い異国の地で暮らしている可能性もあるかもなぁ、とも最近では思えるのだ。
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