見出し画像

引越しハイなのは分かっているけど。

momonagaです。
前記事で離婚を控えていることを書きました。明日は引越し。今日は夫と過ごした家で迎える最後の夜です。

こんな記事を書いちゃうのは離婚ハイ(ハイといっても楽しいわけではないけど)なのは分かっちゃいるけど、どうしても込み上げてくる感情の置き所がなくて、今の心情を記しておくことにしました。

無許可で、夫には悪いけど幸せだった日々のことも少し書きます。幸せの絶頂と、闘病生活が始まってたくさん泣いた絶望の日々をこの家は全部見てきたから。
この家に想いを馳せて。
この家で過ごした間のことを今の自分が選ぶ言葉で書き残しておこうと思います。


張り切ったよね、引越し。

この家で夫(当時は彼)と暮らすことになった時、私は一人暮らしからの実家に出戻り生活をしていて久しぶりの独立に浮き足だっていました。以前一人暮らしをしていた頃の家具は、モラハラ系元彼に壊されたとか嫌な思い出があって全部処分してしまっていて、残していたのはキッチン用品とかお気に入りの雑貨類のみでした。彼も家族との同居解消で特に持ち込む大きな家具はなし。一からどんな家を作ろうか、彼と話しているとインテリアの好みは合うみたいだし、好きな色も一緒。一緒に家具屋に行ってソファや向かい合って食卓を囲みたくて買ったダイニングテーブルを選んだり、あの頃は楽しかったなぁ。

細かいところに特段こだわりがない彼は私にインテリアも任せてくれました。
家のメインとなるカラーは暗い茶色とネイビーとグリーン。アクセントにモノクロの雑貨。
二人暮らししたら絶対買うぞと思って狙っていた膝掛けや、質感にもこだわってソファに添えた革製のクッションカバー。
そして値が張るけど、憧れだった高身長の観葉植物を迎えたり、二人用の食器を揃えていったりしてワクワクがたくさん詰まった引っ越しでした。

別居を期に手放してしまったベンガレンシスちゃん(植物)


二人暮らし

私が先に引っ越してきてお家を整え、少し遅れて引越してきた彼。初めて私の手料理を振る舞った夜(お魚とか納豆の油揚げ焼きとか、なんてことない和食だったかな)、その時の料理が彼のお口に合ったようで、「勝った!!!俺の人生勝ち組だ!」とめちゃくちゃハイテンションで喜んでくれたのを覚えています。元々彼はノリというかリアクションが普段から大きいタイプの人だったけど、「そ、そんなに喜ぶかね?」とびっくりしちゃうくらいなんか感動していた。数年後こんなことになるとは思っていなかっただろうけど、あれは幸せの記憶。それからインスタで二人の毎晩の手料理をただただ記録するアカウントなんかも作って、お互いに一緒に美味しいご飯を食べることを楽しみました。


そして、彼の私物が加わった生活には私の今までの生活になかったゲームや音楽といった要素が溢れていきました。スピーカーやプロジェクターを買って、家の中でライブを楽しんだりする空間が生まれた。二人暮らしをはじめてほどなくしてコロナ禍になったこともあり配信コンテンツが増え、そういったコンテンツをいかに取り入れおうち時間をおもしろくするかが我々の楽しみでした。

大迫力のプロジェクターで楽しむLive
時にはリビングでアウトドア気分

他にもイベント好きな私に付き合って、節分や七夕、「冷やし中華はじめました!」なんかを家庭で楽しんだり、クリスマスなんかはテーブルセッティングもばっちりと。目から楽しむ思い出作りをたくさん。

メインは彼、サイドメニューは私と料理も分担

ホットドッグパーティーをしたり手作り餃子(100個も作った!)パーティをしたりお好み焼き屋さんごっこをしたり。
リビングにポップアップテントを建ててキャンプごっこもしました。

建てたね〜(笑)


私たちの生活はアクティビティに溢れていたね。


私とこの家の思い出

2人で楽しむ生活の他に、私はこの家で夫が仕事中の時間を使ってコロナ禍ならではのオンラインイベントに参加したりもしていました。突然主流になったzoomを利用したアート活動。直接は集まれないし、お客さんにも会えないけど、それでもできることをやろうと企画されたあるアーティスト団体のイベントで、私は自宅のリビングから8時間アトリエ生配信を行いました。

なんの変哲もないリビングを↓
汚れないよう養生していって↓
アトリエに変身↓
途中衣装チェンジしたり踊ったりやりたい放題


8時間ぶっ通しで中継しているし、他のアーティストさんも同じように他画面で企画をやっているので、観ている人がいるのかいないのか分からない状況の中、こっそり自分だけにしか分からないようなおふざけをしたり踊っては描いたり、思いっきり非日常を楽しみました。

家の中がこんなことになっているとは知らずに、途中宅急便のひとが来て慌てて普通の主婦を装って受け取りに行ったりと、アクシデントも面白かったなぁ。(この後夫が帰宅する前には何事もなかったかのように部屋を現状復帰して、おかえりなさいをした)


闘病生活と共にあった暮らし

体調を調整しながら上記のようにできることは楽しみつつも、この家に引っ越してから半年ほどで私は身体に支障をきたしていき、退職。パートとして社会復帰できた現在に至るまで、2年8ヶ月もの間私は心療内科に通院しながら療養兼ほとんど役に立たない専業主婦として暮らしていました。

結婚してから夫は私のために夜勤をしない仕事にスタイルを変え、できるだけそばにいてくれましたが、一日中ひとりで過ごす在宅時間はそりゃもうしんどかったです。元々ひとり時間がないとそれはそれでダメな人間なので体調の良い方の時はご自愛して過ごせましたが、不安定な時は一日中不調で布団から出られなかったり、泣きじゃくっていたり、近所を徘徊したり、どうしようもなくなってストレス発散の為紙をビリビリに破っては家を散らかす日があったり。

※気持ちのいい画ではありませんが戒めの為に載せます

発作を起こすことが多々あった時期は家を離れて田舎の実家に2.3週間身を寄せることもしばしば。夫には大分心配をかけました。

調子のマシな日、よくない日をうろうろしながら仲間を探してTwitterを始めたり、イラスト発信や、LINEスタンプ制作に勤しんでたりしたのもこの頃です。不安や焦燥感に追われる日々はとてもひとりでは背負いきれなかった。誰かがいる場所を探しては、自分にできることを探していました。

結果的に、家族以外にもメンタルや身体の不調のことを分かってくれてお互いに励まし合える友人たちにSNSを通して出会い、今も支えてもらっています。夫を朝送り出してから帰ってくるまで誰とも交流のなかった孤独から救い出してくれた大切なひとたちです。


正直、この家にいるのが辛い。
この家にいるとしんどい思いをした時のことを思い出してしまう。でも出かけるパワーはないからこの家にいるしかない。この家にいるのが辛い。

などの悪循環も感じていたので、夫との今後の関係性を考えていく中でまずは一緒に転居することも考えましたが、結局自己問答と話し合いを重ね、別居・そして離婚を前提にこの家を離れることになりました。


二人暮らしをスタートした時、
コロナ禍を二人で乗り越えた時、
プロポーズを受けた日、
結婚式の準備を楽しんだ時期、

婚姻届を記入した時、

お惣菜を広げた食卓の上で初めて結婚指輪を指にはめてもらった瞬間、


全部この家に見守ってもらいました。

逆に、

喧嘩した時、
何もかもうまくいかなくてふたりで葛藤した時、

ついに、
今後のことを話し合ってお互いに泣いた日、

どんなに辛くても生きていて欲しいと本気で願った日、

別れを決めた日


最後まで全部見届けてもらいました。

今夜、私は明日搬出される自分の荷物に囲まれながらこの家での最後の夜を過ごしています。
一から作り上げてきた愛しい空間はもうない。
明日には、数年前ふたりで内見に訪れた時に見た、からっぽのこの家に戻ります。

楽しかったね面白いこといっぱいしたね
辛かったねしんどいこといっぱいあったね

ありがとう。

感極まり過ぎていて眠れるか分からないけど、そろそろ寝る準備をする時間。
さようなら、おやすみなさい。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?