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渋皮煮から学んだこと~栗でやらかしながら~

 病気療養中のmominです。体が痛く,30分が限界の私。でも,リハビリと思って今年も栗の渋皮煮を作りました。その一部始終をお話しします。

1 今年の収穫はひと苦労

 我が家の栗の木は1本しかありません。異常気象のせいか,9月いっぱいで実が全て落ちてしまいました。今年は30度近い気温の中で栗拾いです。

 栗の実は半分近くが虫に食われて穴が開いていました。でも早いうちに拾ったせいか,全部食われたものがありません。不思議です。

 一応全部拾って水に投入です。

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 中腰の作業は腰にききます。10分もすると体全体が痛くなって休みたくなります。そんなときには,痛みと付き合う気持ちで,あと3分頑張ろうとか,あと5個拾ったらベッドが待ってるとかを心に思いながら作業する私。


 水に入れておくのは2つ理由がありました。一つは乾燥を防ぎ,皮をむきやすくするためです。もう一つは実の中にいる虫を殺すためです。


 そういえば,去年はすごいことがありました。栗の花が咲くころに葉っぱが全部食べられてしまい,木がまるで白髪頭のようになったのです。もちろん,犯人は私ではありません。

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 真犯人はクスサンの幼虫でした。体長5~10センチもあるでかい芋虫が昼夜問わず食べていたのです。1日100匹捕まえ続けましたが,その年はもちろん不作でした。(ちなみに,昆虫食の方がいうには,クルミに似た味でおいしいと…!?)

2 一休さんの心で皮むきを…

 次はかたい殻をむく作業です。鬼皮(栗の殻)は乾燥したままだと硬くて剥きずらいのです。なのでお湯に半日浸してから作業する方もいらっしゃるほどです。我が家では水に一日程度つけてから剥くようにしています。

 奥さんは栗剥き器(ハサミみたいなもの)を使って剥きます。でも私はキャンプ用のフォールディングナイフを使っています。小さいので使いやすいのですが,渋皮を傷つけてしまうことがしばしば,いや,時々,正直に・・・よくあります。やらかしていました。

 渋皮を傷つけると,煮るときにそこから渋皮が破れて実が崩れるのです。剥いた実はすぐに水につけておきました。

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 どうやったら皮を傷つけないで鬼皮を剥いたらよいか,奥さんと話し合いましたが結論が出ません。奥さんは栗剥き器を使うのでとがったところから剥くのがいいようです。

 私が同じようにするとどうしてもてっぺんの鬼皮をはがしてしまいます。試行錯誤したところ,下のざらざらのところを少し削るようにはぎとると鬼皮を傷つけないではがすことができました。

 ですから皮むきには時間がかかります。あせって剥くと必ずと言っていいほど渋皮を傷つけます。

 一休さんの言葉を思い出しながら取り組みます。
「あわてない,あわてない。一休み,一休み。」(アニメの中の一節です。)
 ということで,30分が限度の私。今年は栗剥きを奥さんにお願いしました。その後は私が何とかすることにしました。これがある意味,命取りになるとは知らずに…。


3 あく抜きでやらかして…

 今年は奥さんが剥いた栗で渋皮煮です。さすが奥さん!きれいに剥けています。水を変えて重曹を小さじ1杯入れて火にかけました。

 この日は朝から調子が悪く,腰や肩,背中がすぐに痛くなります。いつものようにごまかしながら取り組みましたが,限界が来たようです。ベッドで横になりました。

 ついにやらかしました。

 煮立ててしまったのです。

 通常は沸騰したら弱火にして10分火を通すか,落し蓋をして弱火10分なのですが,すっかり忘れてしまい,中火20分してしまいました。

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 案の定,渋皮が破けているものが多く,中には身が崩れて溶けてしまうものまでありました。

 でも,もともと渋皮がしっかりしているものは皮がめくれたりするものが少なかったです。さすが,奥さん!

 あく抜きの水は濃い紫色をしています。ご存知の方はこれで草木染をしているようです。私の見様見真似でしてことがあります。栗色のいい味わいに染まります。

 
4 赤ちゃんの肌をなでるように…

 いよいよ大事な工程に入ります。栗の実のお掃除です。

 煮汁を捨てて,たっぷりの新しい水にします。別の鍋に水を張って用意しておきます。この2つの鍋をテーブルに置いて作業を開始しました。

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 栗の実を1つ左手に持って,元の鍋の中で親指を使って栗を「優しく」なでます。大きな筋は右手の爪楊枝で取り除きました。

 すると,ぬるぬるの感触が次第につるつる(キュ、キュとなりそうななめらかな)な感じになるのです。見ると,実についていた薄皮などがまるで垢のようになったように取れていくのがわかります。

 実自体も一皮むけたきれいな色になっていきます。この瞬間が好きな私。

 そう,赤ちゃんを思い出して,優しくお風呂に入れる感覚に浸ってしまうのです。この感覚,すごく好きです。男なのに…。

 ただ,療養中の私。夢中になりすぎて30分を過ぎてもやってしまい,親指の力を入れすぎて渋皮を破いてしまうことがしばしば… いや,時々。ベッドで休み休み1時間半。至福の時がやっと終わりました。

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 この時見つけた虫食いの実と,大きく渋皮が剥けた実は別にしておきました。なぜかというと,身崩れを起こして煮汁を汚すことと見た目がよくないからです。

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 とりあえず,蜂蜜をかけて保存しました。奥さんに栗ご飯に使えるか聞きましたが,いい顔をしません。ちなみに去年は渋皮を剥いて砂糖,蜂蜜で練り上げ,クリームにしましたが,今年はその体力がない私。今は冷蔵庫に眠らせています。


5 過保護はおいしさの敵?!

 もう1回,重曹で渋抜きをして,煮汁を味見します。苦くなければひたひたの水に入れ替え,いよいよ味付けです。

我が家では栗の重さと同量の砂糖を使うのが基本です。でも甘いものが苦手な私は,少しでも甘味が抑えられるようにと,ない知恵を絞り,三温糖を使って作ることにしています。

 でも高いんですよね。上白糖より60円前後高いんです。この物価高に贅沢は敵だ!と思い直し,上白糖を使う量の半分を投入!

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 今度はぬかりなく落し蓋をして,沸騰してきたら弱火で20分。ここまで来たらかわいいクリの子たちに余計な手をかけずに済むので,椅子に座ってゆっくり休む私。多少時間を過ぎても気にしないことにしました。

 時間になったら火からおろし,1日そのままにしておきます。味が栗の実にしみこむのを待つんです。

 初めての時には待てなくて,焦げていないかとか,実が崩れてないかなんて余計なことを考えてちょっかいばかりの私。過保護はいけませんね。病気してからは少し大人になったようです。

 次の日に残り半分の砂糖を入れて火にかけ,沸騰したら弱火で20分です。

 最後に,小さじ2杯のラム酒を入れました。栗の甘い香りが台所いっぱいにひろがると,火からおろして出来上がりです。

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6 終わりに

 和栗は渋皮が剥けにくいのと比較的小粒のものが多いのでマロングラッセには向かないと,作ってみて実感しました。

 渋皮煮は私にとって,よいリハビリになったようです。ポイントを押さえるとその時間だけ集中して,あとはゆっくりできることや,鍋の移動などのちょっとした力仕事がよい運動になりました。

 そして何より,優しい気持ちになれることが一番です。血圧を上げなくて済みます。

 また,周りの人たちとのよいかかわりを持つことができました。ブラックベリーのときもそうでしたが,かかりつけの歯医者さんにも渋皮煮のリクエストをいただいています。

 生きる励みが一つ増えました。これで寒い冬を乗り切れそうです。大動脈解離で血圧の安定しないmominでした。

 レシピはいろいろな方が投稿していますので,ここでは体験談ということでお許しください。

参考になれば幸いです。

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