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孤独の良き友人

目が覚めてすぐに、何を考えましたか?

目蓋を開けると、すぐに思考が存在しているなんて
とても素晴らしい事です、恵まれています。

(厳密に考えると、眠りに落ちたってそれは
   存在していますよね、おそらく...
   私はといえば、太陽を見に行こうと思いました。)

私は「考え込む」という事が幼い頃から好きなのです。
何かと気になった物を持ち帰っては
幾度も眺めて、それらの背中についている
たくさんの時間と、他者の色を気に入れば
私なりに、小さな部屋へ飾るのです。

この風呂敷は、互いの星座も知らない様な
他人へ広げることはできませんよ。

親愛なる、紅茶を立てる様に丁寧な私の孤独が
漆となってそれらを守っているのですから。

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どうか、誤解しないでください。
彼らはあなたに、悪さなどしませんよ。
気の毒じゃないですか、
無理に部屋から追い出したりしたら...。

きっと、最後の呼吸まで私のそばで
古い友人の様な物静かな瞳で、寛ぐことでしょう。

それに、気の合う友人とも、四六時中は共にいられませんよ。
(少なくとも私は)

時々、お互いどこかへ出かけて行きます。
ふと気がつくと、どこにもおらず
暫くすると、いつの間やら帰ってきています。

それから、うっかり互いに近づきすぎると
信じられない様な喧嘩が始まりますよ。
(今じゃ、滅多にありませんが、深入りはいけません。
 適度な距離が互いに重要なのです。)

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それでいても、その友人は
私を信じられないほどに強くします。
私の知らなかった私を、どこからか連れてくるのです。

そして私を癒し、記憶の谷に消えかけていた
かつて大切だった足掛かりすら、思い出させてくれるのです。

どうか、彼らを誤解しないでください。
(扱いを間違えると、恐ろしく牙を剝くからといって)

もちろん、恐ろしい存在にもなり得ます。
時に命を奪いかねない程に。

もし仲を違えた時は
(とてもよくある事です。もし起きても、
 気を落とす必要はありませんよ。)

眠れぬ夜更や、ふと見た窓の美しい景色の中に
彼らと丁寧に話すのです。嘘は付いてはいけませんよ。
どんなに恐ろしく、恥ずかしくとも
彼らにだけは、真実を伝えねばなりません。

(しかし、無理をしては絶対にいけませんよ。
 手に負えない事も時にはありますからね。
 そんな時は無遠慮に、どうか文を寄越して下さい。)

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そうするとたちまち、彼らは心強い友となり
あなたの行く先々で、味方をしてくれる様になるでしょう。

彼らは本当に掴みどころの無い厄介な友人ですが、
悪気は無く、見落とされがちなその表情は
実は際限がなく鮮やかなものなのです。
面白がって気長に、程よく適当に付き合うに限ります。


孤独は自由であり、力であると私は考えます。
私の真実を知る唯一生涯の友人なのです。

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