睦月都『Dance with the invisibles』
睦月都さんの歌集『Dance with the invisibles』(角川書店)を拝読いたしました。
印象に残った歌を引きます。
家にいるのにどこかに帰りたくなることがあります。
「帰る場所」のイメージは実家ではありません。
もっと懐かしくて、夕日が差していて、ほんのりとあったかいような場所。
この歌は「帰りたい」ではなく、「帰らなくてはいけない」と詠っています。
誰かがどこかで待っているイメージを、主体は持っているのではないかと思いました。
主体の母親は、主体の「幸せ