見出し画像

BFC3幻の2回戦作品 俳句連作『遣らひ』


『遣らひ』
      
     田中目八

雨虎さしのぶる手は壞れあり

裸足とは鬼のみぞ知る地の痛み

かなしびの見飽くことなく夜濯す

かがやきを捨ててただ川へと虹よ

露の玉在れば流るるまでの耽り

霧襖ひらきて容なす靑と

黃葉朽つる弱きひかりなら愛す

蟲の闇身内に棲まふもの無くて

悅びは羣れから放れ望くだり

暖鳥こはれたものは愛してた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?