世間の隅っこで、ぼちぼち研究

企業研究者。博士(医学) 。医療機器の研究開発をやっています。記事は個人の見解です。研…

世間の隅っこで、ぼちぼち研究

企業研究者。博士(医学) 。医療機器の研究開発をやっています。記事は個人の見解です。研究職の身分を剥奪されたので転職し、企業研究者を続けられることになりました。ツイッターでは長すぎる文はこちらに書こうと思います。

最近の記事

理工系の女性を増やすにはどうしたらよいか

前回は、なぜ女性は理工系に進学しないかということに対して、私見を書きました。 まとめると、 女子は(自然には)科学技術に興味を持ちにくい 興味がないので理数科目を学ぶ意欲が低くなりがち 意欲が低いので成績が上がらず、暗記でも対処しにくいので忌避する しかも、女性として理工系を出て働くキャリアを描けない というプロセスを経て、理工系は男社会になってしまうのではないかということを書きました。 では、どうしたらいいのかという話を書きます。 これも大した調査もしていない

    • 「理工系の学部・大学院に女子学生が増えないのはなぜか」についての私見

      転職したり子供が生まれたり家庭がいろいろあったりと、なかなかnoteで長文を書く気になりませんでした。 研究者がなぜ嫌われるかシリーズは、「企業の研究所はどうあるべきか」という内容を加えて引き続き書いていきたいと思います。 =========================================================== 注意:長文です。5000文字ぐらいあります。暇な時にどうぞ。 今日は、もう何度も何度もtwitterで言及している話「理工学系に女子

      • なぜ企業で研究者は嫌われるのか(5) 開発部門から見た研究者(下)

        このnoteでは、10年間企業や大学で研究職をしてきた僕が遭遇した事例から、なぜ企業では研究者・博士が嫌われるのかを書いています。 前回はなぜ開発部門は研究者が嫌いなのかということを書きました。 今回は、僕なりの経験から、開発部門のロートルおじさんたちと対立せずに仕事をするにはどうすればよかったのか、反省をこめて色々書きたいと思います。 STEP1: オジサンたちが愚かであることを受け入れるしょっぱなから不穏ですが、まずはこれに尽きると思います。 いま日本企業を動かし

        • なぜ企業で研究者は嫌われるのか(4) 開発部門から見た研究者(上)

          このnoteでは、10年間企業や大学で研究職をしてきた僕が遭遇した事例から、なぜ企業では研究者・博士が嫌われるのかを書いています。 「研究者」とそれ以外の「研究者を嫌っている色々な部門の人」両方の視点から書いていきます。どうすれば関係は改善するのか、どうすれば企業は研究者や博士をうまく使えるのか、というお話です。 僕が会社を辞めた経緯をこちらを見ていただくとして、今日は開発部門vs研究者のお話です。 「開発部門」とは何かメーカーで働いたことがある人ならピンとくると思うん

        理工系の女性を増やすにはどうしたらよいか

          研究所滅亡の真相

          僕が仕事を辞めることになった経緯はこちらを見ていただくとして、このnoteの趣旨を簡単に書きますと、「企業で博士まで取って研究職を続けてきたけど、干されたので辞めて別の会社に移る」というお話です。企業秘密もありますので伏せるべきところは伏せています。ご了承ください。 いよいよ現職の上司や先輩方に辞める話をしてきたので、忘れる前に話したことをざっと書いておきます。 関係の非常に深い2人の上司と、長い付き合いの先輩と面談を組んでもらい、退職したいという意向を話しました。彼らも

          なぜ企業で研究者は嫌われるのか(3) 調達部門から見た研究者

          このお話はとても単純なので1話完結です。結論を言えば「研究者が妙なものを買いたがった時にちゃんと応じてくれるかどうか」に尽きます。 研究者を煙たがる「現場」の人々 僕ら研究者が企業で研究するとき、物を買わなければ研究はできません。僕の場合はハードウエアだったので、実験機器や珍しい部品などが必要になることも多く、調達部門の人にはよく煙たがられていました。 「研究所の奴はよくわからんモノを買いたがるのでウザい」 「研究所のものを買ってやっても何の成果にもならないのでウザい」

          なぜ企業で研究者は嫌われるのか(3) 調達部門から見た研究者

          研究者は何ができるのか 転職活動序章

          このnoteは、「企業ではなぜ研究者・博士が嫌われるのか」という話を書いていくつもりで始めたものです。今日は連載とは別に、ちょっと思いついたことを書こうと思います。 僕は(研究以外に)何ができるのかと聞かれたら僕は結構特殊な経歴を歩んできた身なので、研究者全般に当てはまる話とそうでない話があると思います。でも、「転職するときには自分は何ができるのか書き出してみましょう」とあったので書いてみます。「研究者あるある」として共感していただけるところと、そうでもないところがあると思

          研究者は何ができるのか 転職活動序章

          なぜ企業で研究者は嫌われるのか(2) 企画部門から見た研究者(下)

          前回、企画部門と研究者それぞれに問題があって研究者が嫌われるというお話を書きました。 今回は、前回のような問題を解決するためにはどうすればいいのか、企画部門と研究者はどう行動すべきなのかということを考えてみようと思います。 計画を立てるとき、企画部門にお願いしたいこと前回書いた通りですが、新しい研究計画を立案する場合や、現在実用化の候補に挙がっている研究を事業化に向けて企画する場合、必ず研究者に意見を求め、それを受け止めて欲しいと思います。 その時、研究者に聞くのは「お

          なぜ企業で研究者は嫌われるのか(2) 企画部門から見た研究者(下)

          なぜ企業で研究者は嫌われるのか(1) 企画部門から見た研究者(上)

          このnoteでは、10年間企業や大学で研究職をしてきた僕が遭遇した事例から、なぜ企業では研究者・博士が嫌われるのかを書いていきたいと思います。 研究者とそれ以外の「研究者を嫌っている色々な部門の人」両方の視点から書いていきます。どうすれば関係は改善するのか、どうすれば企業は研究者や博士をうまく使えるのか、自分なりに考えたことをまとめていきます。 今日は第1回ということで、「企画部門から見た研究者」について書いてみます。 研究者を煙たがる「現場」の人々「研究者は企業で煙た

          なぜ企業で研究者は嫌われるのか(1) 企画部門から見た研究者(上)

          自己紹介を兼ねた、僕が企業で研究職になり、そして辞める決意をするまでの話

          前から僕のツイートは長くて、Twitterでツリーをどんどんぶら下げて書くスタイルだったんですけども、長い話はNoteに書こうと思い立って始めました。 Noteをはじめての記事は自己紹介やこれからやりたいことを書くのがおすすめです。 と書かれていたので、自己紹介を兼ねて僕が企業で研究職になるまで、それから10年経って辞めようと思うまでの話を書こうと思います。 大学院を出たけれど僕が大学院を出たのは10年前の2011年のこと。とはいっても、この時点では某国立大学工学部の修

          自己紹介を兼ねた、僕が企業で研究職になり、そして辞める決意をするまでの話