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偽りの忠誠 ナチスが愛した女(2017年)【そうだ。私の軍服コレクションも見るかね「結構です。私は映画の紹介に来ただけですから」】

ダサいタイトルですが、
第一次大戦のドイツ皇帝ウィルヘルム2世が、
亡命して老人になり、
その老皇帝の元を訪れてあーだこーだという、
スパイミステリものです。

先の大戦に敗れ、オランダに亡命した老皇帝は、
いまだ復位への希望を捨ててはいませんでした。
野心枯れるということがない系のおじーちゃんです。

しかし時はナチスの時代。
ドイツ軍の大尉が派遣されてくるのですが、
皇帝とナチスはやはり、そりが合いません。

復位を最終目標とする皇帝夫妻は、
生まれた時から上流でして(当然じゃん)

労働者出身の大尉とは水と油ですし(先の大戦後の苦労話を持ち出すと)

しかし皇帝夫妻は、
さらに後から来るヒムラー長官みたいな本格的外道とも話が合いません。

(T4計画の話をべらべら話すサイコパス長官に対して、皇帝夫妻は思わず二の句が継げなくなってしまいます)

まあ演出なんでしょうが、
皇帝夫妻の屋敷に来て、
さんざ空気読めんサイコパスぶりを発揮するヒムラー長官は、
皇帝夫妻をしてむしろ親近感さえ視聴者に感じさせるくらいなのです。

皇帝夫妻も充分に軍国的で権威的で、
視聴者から見て、話が合わなさそうな存在なのですが、

エイリアンじみた不気味さを発揮するナチスと比較すると、
まだ人間的に見えてしまうというアレです。

以前の敵が仲間になるという展開でよくある演出ですよね。

そこにレジスタンスの女の子がこっそり忍び込み、
大尉と敵対し、惜しげもなくヌードを魅せたり、
最終的にはイイ感じになったりします。

という感じで元ドイツ皇帝を巡るスパイアクション。

***

この映画って、古いお父さん的なキャラクタがなんでも手放さずに守ろうとする。
そんな気持ちを卒業するというテーマが、暗に込められているんじゃないかな?

とかなんとか思ったり。蛇足です。

***

カイゼルって、
私の中では、アルセーヌ・ルパンの敵キャラとして有名なんですが。
あれはまだ皇帝在位中の話ですね。

注:ドイツ皇帝はみんなカイザーなんだが、
特にウィルヘルム2世のことをカイゼルと呼ばれていることが多い。

カイゼルが出てくる映画ということで視聴しました。
またカイゼルは軍国の皇帝だったので、
すさまじい数の軍服コレクションがあります。
友好国から名誉大佐とかに任命されまくるので、
外国の軍服を着用する資格をやたらと持っているのですね。

ヨーロッパの外交ってそういうものだったらしくて。
結構、皇帝や国王が別の国の軍装をしている写真が見られます。

カイゼルが出てくる映画というのが、私にとっては貴重だったんですね。
ということで、今日のカイゼルでした。

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