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古着はつまらない

チャオズの中は太郎がテレビでしか見たことないような眩しいところだった。天井にぶら下がるきれいなシャンデリア。大きく座り心地がよさそうなソファーが並んでいる。「いらっしゃいませ。お久しぶりですね佐伯さん。」20代後半だろうか。すらりとしらモデルのような女性が佐伯に話しかけた。「久しぶりだね。相変わらず繁盛してそうだ。今日ママはいる?」「あ、今日はママお休みなんです。」「え?調子でも崩したの?」「そうみたいですよ。昨日早退したんです。」「そうか・・・。ならまた来るよ。」「あら飲んでいってくださいよ。」「色々忙しいんだ。」「そちらの方は?」女性は太郎の方を見て微笑んでいる。「あ、こちらは山田さん。僕の同僚なんだ。ママに会いたいっていうからさ。」「そんなこと・・・。」太郎は何か言ったら殺されそうな気がして黙ってしまった。「まあいいや。ママによろしく。」「はい、また来てくださいね。」「うん、また来るよ。」
佐伯と太郎は店を出た。
「山田さん。これからバーに行きませんか?」「また情報屋ですか?」「違いますよ。ただお酒を飲んで話してみたいだけです。お酒は好きですか?」「まあ一応・・・。」太郎は酒が大好きだった。「なら行きましょう。この店からすぐです。」太郎と佐伯はバーに向かった。」続く

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