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【読書日記】2021年9月22日

朝から来客があるので落ち着かない。滅多に人が来ない家なので、たまの来客には無駄にアタフタしてしまう。お客さんが入るはずもないのに、寝室や押入れなども隅々まで磨けあげようとしている自分に、「ちょ、待てよ」と自分の中のキムタクが叫ぶ。

あまりにも落ち着かないので、待っている間に本を眺めることにした。『人生を変えた本と本屋さん』と『私の一冊』。

『私の一冊』は左ページに本の写真がドーンとあって、右ページはその本の簡潔な紹介文が載っている。社長や教授、知事に監督、女優や作家などが「座右の書」なるものを紹介するというもので、大半は難しそうな本でもあり、私が興味のないジャンルも多くあるのだけど、人の数だけ本もあるんだな、と当たり前のようなことを考えていた。自分にとっての「座右の書」って何だろう。

そして夜は『不機嫌な女たち』を読んでみた。

タイトルだけで図書館から借りてきたのだけど、「短編だし良さそう」なんて軽い気持ちで読んでみたら、初っ端の『幸福』が、思った以上にすごかった(語彙力なし)。

踊りだしたいほどの幸福を感じている、主人公のバーサ。彼女の行く末には想像がついていた。それなのに私は、自分でも思わぬ方向へ気持ちをあっさりと持っていかれてしまって、少しだけ打ちのめされていた。短編だし、なんて軽い気持ちで読んでしまった自分の浅はかさを思い知る。

短編なのだから次々と読めばよかったのだろうけれど、何故かページを進める気持ちにならなくて、『幸福』だけを読んで本を閉じた。余韻にひたりながら、また別の本を開いたけれど、集中できないので寝ることにした。

本はたくさん読めばいいってものでもなくて、たくさんの情報を吸収する必要だってない。たまに「おぉ!」と思うものに触れられれば、それだけで幸福なのかもしれないよね。

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