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第二印象が最悪

私は生まれてこのかた、相棒のように相思相愛な友達を求めてやまない寂しい人である。私に友達が少ないのは単純に今まで出会った人との性格の不一致……ではないと、周囲の単独行動が多い人を見ていて思った。そういう人が悪いとか嫌いとかでは全くないよ。でも、やっぱり協調性がない人や、おとなしいけど実は心の内で関係がうまくいかないのは絶対的に相手に問題があると思い込んでいる人が多いと思う。人間的な魅力があってもコミュニケーションに難ありだと、尊敬の対象としては見ることができても、相棒にようにずっと一緒にいるのは難しいなと私ですらも思ってしまう。

人は第一印象が一番大事と言うが、私の第一印象は別に悪くないと思う。相手に威圧感を感じさせない間抜けな容姿、めちゃくちゃ鬱のときに面接に行って「(通信制だけど)まぁ元気はありそうだね」と言われるような口調で話せるし、挨拶できるし人の話聞けるし理解力あるし、我ながら秒で相手に嫌われそうな要素はないと思う。
でもその後うまくいくのは需要と供給で成り立っている関係性に限った話であって、プライベートで仲良くするとなると難ありな要素が割とすぐに露呈する。優柔不断、ドタキャン多め、外食は調子がいいときじゃないと無理、映画館行けない、雑談が得意じゃない、その気はないのに稀に言葉選びを致命的にミスる、なんか会話が噛み合わない、時々鈍臭い、真面目すぎてしつこいetc...

特に同年代は、私と一緒にいて楽しいと感じる人の方が珍しいと思う。せっかく自分でない人と会話をするとなると「それな」で成り立つなんとなくその場限りの共感じゃなくて、どういう経歴があって今のあなたに繋がっているのかとか、人生に対する議論とか、内容自体があなたか私の今後に価値として残る会話(人間臭い本音)以外はどうでも良いと思ってしまう。というかみんなが休み時間にしているような、他人に聞かれたってなんてことない雑な話題がうまく出てこないのでできない。
でもその分私の発言で人を喜ばせることができた時の快感も大きくて、負けの予感しかしない賭けに出てしまう。「わァ、このお菓子のパッケージが微妙に変わっているね、いつからだろう?」「わァ、この建物はとても綺麗だね、何年前に建ったのだろう?」「最近桐島聡が自首した直後に死んだけど、八田與一はひき逃げをして、懸賞金は800万なんだよ」などそれこそ何の脈絡もないことを言って、大体は場がしらけて地獄のような思いをするが、稀に大ウケしてすごく嬉しくなれるというギャンブルをする。ちなみに今までで一番ウケたのは夕食に並んだ海鮮を見て「このタコはオスだね、吸盤の大きさと並びがバラバラだから」と言った時だった。

昔中学の同級生に仲良くなりたいと猛烈にアプローチしたことがあったが、最終的に「つむぎちゃんとは特に話すこともないのに……」と言われてとても驚いたことがある。
その子はクラスの中心的存在で友達も多かったので友達作りという点では人選をミスった感が凄いが、私は彼女の全てに魅力を感じたのでその子が良かった。話が逸れた。
その時はそんなことよりも、逆に、「あなたが普段一緒にいる子とは話すことがあるのか」と思った。同じ中学校で同じ年齢で女子で、私とその子の親友の何がそんなに違うのかがイマイチ分からなかった。今思えば趣味とか会話のペースとか一緒にいて楽しいかの判別要素って無意識ながら色々あるんだろうけど、何より「普通話題って捻り出すものじゃないんだ」という新たな学びを得た。人一倍見て聞いて感じて生きているのに、普通に生きていたらわかるようなことが身につかないのは、やっぱりコミュニケーションという分野において少々頭が弱いとしか思えない。

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