見出し画像

夏の思い出

今年の8月、東京都心で35℃以上の猛暑日は、11日にのぼったらしい。体感だともっと暑く感じたし、毎日毎日この話題で、誰かと「暑いね」と言うのも飽き飽きした。9月に入って、まだ夜も蒸し暑いけど、日陰に入るとたまに風を感じることがある。やっと夏が終わったんだ。もう、2020年の夏は戻ってこなくていいです。

結局、夏休みはどこにも行かなかった。帰省するのも憚られるし、暑さで何もする気が起きない。危険な気温の中で、誰かとどこかで待ち合わせの約束をするのも、悪い気がした。速報で流れる数百人の新規感染者の数字や、景気の大幅な後退のニュースは、当たり前の日常になってしまった。

自分で作る食事の味に飽きたら1人近所でランチをして、日中はオンラインヨガでちょっと動いて、夜はNetflix。驚くほど行動範囲が狭いけど、平和な生活である。

私の老後は、こんなカンジなんだろうか。もはやいつまでサラリーマン出来るのかも怪しい景気ですが、もし定年まで働いたとして、その翌週くらいから20年ほど、こんな生活が続くのかなぁ。

いや、私たちの世代は年金が出ないらしいので、今とは違う仕事を探して働かなければならない可能性の方が高い。20年後の夏は、きっともっと暑い。そんな中で、仕事なんて出来る?私の体力というか気力だと、絶対ムリだな。

どこかのすごい賢い人が、真冬の冷気を、電力をほとんど使わない氷冷機みたいなのに圧縮保存する装置を作ってくれたらいいなと思う。夏になったらそれを1日1個ずつ解凍して部屋を冷やしながら、同時に外気もそれに圧縮保存して、次の冬に1日1個ずつ展開する、みたいなカンジ。環境的には快適そうだからちょっと働けるかも。

しかし、賢い人が現れなかったら、このままどんどん暑くなるんだろうか。

私が中学生の頃、もう30年くらい前だけど、今後の日本は少子高齢化が大きな社会問題だと教わった。結局、その問題は解決されないままになって、今はもう取り返しがつかない状況らしい。

50年後の日本を予測した動画に出てくる、高温と猛烈な雷雨で誰も屋外を歩けなくなった街も、現実になるんじゃないかと思う。あのCG、今の熱帯雨林地域というより、地球誕生の頃の豪雨とか、恐竜が絶滅したときの分厚い雲とか、何億年も、何千万年も前のイメージCGに近い不気味さがあるんだよな。

賢い人、ちゃんと現れてくれるかな。現れなかったら、自分たちでどうにかしないといけない。今から少しでも、人工排熱を減らすべきなんじゃないか。不安になって、エアコンを切ってみる。

室外機の音が止まった。30分ほどで、じっとり暑さが戻ってくる。

やっぱり無理だなと思って、またピッとエアコンを付けてゴロゴロしている。かえって効率の悪い電力消費をしたなと反省しつつ、とりあえずこの先、賢そうな人を見かけたら、ちゃんと応援しようと思った。


比較的涼しそうな時間帯を狙って、都内をポツポツ散歩した。

画像1

仲見世が早々と閉まって、人がまばらな雷門。こんなにキレイに写真撮れるチャンスはそうそうない。

画像2

午前中の上野公園。スタバに行列ができていない衝撃。動物園はお昼頃から少しずつ列が出来ていた。

画像3

8月下旬にようやく咲いたベランダのアサガオ。子供の頃に近所で見たのと違う品種なんだろうか。こんなに可愛い花だった?この夏唯一の、気兼ねなく話せる友達。

この記事が参加している募集

夏の思い出

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?